井川直子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前に読んだ作品(シェフを続けるということ)がよかったことと扱われているテーマに強い関心を持ったので手に取ってみた。タイトルどおり34人のシェフ達へのインタビュー集で、飲食店に対し「要請」が出た昨年の四月時点に聞き取った内容を逐次noteで公開したものに対して昨年の十月時点でフォローインタビューを行ったものを追加し単行本にまとめたもの。逐次noteで公開したのは当時「何が正解か分からない」という声が多かったために「他所はこうやってるよ」と知らせたかった意図によるものらしい。私には縁のない高級店ばかりだったが一流の仕事人達がどのように事態を受け止め対処を検討し実行したか、に非常に興味があった。もち
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Posted by ブクログ
2020年2月まで連日満席だった。3月25日小池都知事からの「不要不急」の呼びかけから予約は全てキャンセル。何の補償もされないまま飲食店は先の見えない苦境に立たされる。休業か時短か、テイクアウトや新事業を始めるか、それとも何も変えないか。本書に登場する飲食店はジャンルは様々。立地も客層も様々で老舗であったり新規店もある。正解のない中で苦しみながらも共通していたのは、お客様にどう喜んでもらえるか。従業員の不安をどう取り除くか。そして自分の進むべき道の展望。34店のオーナーたちがとった行動から、お客が絶えない店はいかに経営者のリーダーシップにあるかを痛感した。
自分の身の回りにもある、べらぼうに美 -
Posted by ブクログ
2020年3月、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの宣言を受け、日本でもコロナ禍が顕著になっていった。東京で「不要不急の外出自粛」の要請がなされたのが3月25日のこと。外出をやめよう、会食をやめよう、となったときに、大きな打撃を受けたのが飲食店だった。
さて、どうするか。
その判断は個々の店で異なった。自主休業するのか、客が激減している中で営業するのか、テイクアウトやデリバリーなどの別の道を探るのか。
本書は、「食」と「酒」にまつわる人をテーマとするライターである著者が、34人のシェフたちに取材した記録。緊急事態宣言が出た後、4~5月に店主たちの声を聞き歩き、20年10月に再取材してその後 -
Posted by ブクログ
「自粛って、人の良心に訴えて、命令ではないから誰も責任とらない。」この本のシェフたちは強い。でもこの飲食業の元々いつ潰れてもおかしくない、みたいなところが、政府に期待しない、自粛にもそれぞれただ耐える、という行動に繋がったのかな。たくさんのインタビュー読んでそう思った。神泉のオルランドは飲食の売り上げは半分以上落ちたがテイクアウト売上と補助金、融資で耐える。感染拡大防止協力金50万円、業務転換支援(テイクアウト)は経費80%で75万円、持続化給付金200万円。融資は突発的災害と危機関連信用収縮への対応で3年間無利子という良い条件なので借りれるだけ借りる。シェフも大変だけど補償って大変だなとしみ