有吉玉青のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表題が『車掌さん』になっているせいか、短編すべて駅にまつわる話でした。
さすがに車掌は1回だけでしたが、後は乗客。
…1人、乗客といっていいのか分からない人もいましたが。
最初の話は、多分娘なのだろうな、と。
そう思う前に思ったのは、そんなに簡単に乗り込めるものなのか、です。
関係者ではないから入ってはいけない場所、と思っているので
入るの事態に、かなり抵抗があるとは思いますが。
景色、よさそうですよね…w
景色よさそうといえば、最後の話。
一面の花畑で、何時か会える妻を待つ。
その状況を想像するだけで、何だか幸せな感じがするのですが
寂しい感じもしました。
何故か、と言われても分かりませ -
Posted by ブクログ
旅の記憶を辿って読み始めた本。
作者のフェルメールへの深い愛が感じられて好感が持てる。
少し暑苦しい気もするけど、作者自身がフェルメールへの逢瀬を重ねるうちに、考え方も変化して行くのを見て取れて「好きになるってそういうことだよなぁ」と感じさせられる。
それにしても、ハーグに行ったのにフェルメールに「会わなかった」事に改めて後悔。
アムステルダムで「牛乳を注ぐ女」を見て、強く惹かれたのに。
その時はフェルメールを見るのがなんだかミーハーな気がしたし、「真珠の耳飾りの少女」が日本に来ていたばかりで、見てもいないのに十分な感じがしていた。
本物を見ると見ないでは、天と地ほどの差があるし、一枚の絵を -
Posted by ブクログ
「覚えておかなくちゃ。キャベツのこの腕の感じ、私の顔のはまり具合、暖かさ、香り、ぜんぶぜんぶ覚えておかなくちゃ」
本を読むにあたってこんな注意はおかしいけれど。
一冊まるごと読むこと。
飛ばしたり、流したりしないで、きっちり一冊。
それがこの小説を愉しむために必要なこと。
最初に先ず、自分の住んでいるアパートがきれいになくなってしまった-という衝撃から物語は幕を開ける。
長い、これからもずっと続くかと思われた恋人との別離。
コンビニ店員の女性との出会い。彼女の恋愛。彼女との生活。
そして、ラストの大きな衝撃へとゆっくりと、でも、まっすぐに進んでいく。
自分の存在の証、他人の存在の証。
そ