荒井悠介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
黒い肌と白っぽい髪とメイク、露出の激しいファッションで夜通し遊ぶ若者たち。そういうギャルとギャル男、中でもイベント・サークルで活動する人々=サー人を、元サー人の慶応大院生が参与観察した修士論文だそうです。
イベサーの歴史や実態を説明する1章・2章はそこそこですが、その行動原理や価値観を考察する3章・4章は興味深い。彼らの価値観の問題に憤慨している5章は、まあわからんでもないが…うん。
サー人の価値観・評価基準をサー人へのインタビューをもとに「ツヨメ」「チャラい」「オラオラ」と分析したのは本書の一番すぐれているところだと思う。それぞれ、社会的・性的・道徳的逸脱を示しているのだという。
それに -
Posted by ブクログ
その時、その時代、流行廃りはあるが、大概日本の文化、特に若者文化は、形は変われど、大きく変わりなく、同じように過ごして行くもんなんだなあ、と読んでつくづく思った。自分も、もう、気がつけば、十数年も前の話しとなってしまうが、こんなことをやっていた。。から良くわかる。ただ、やはり、刑事事件に発展してしまうようなこと、人生崩壊してしまう、というところまで、格好つけても後で後悔することになる。まあ、頭の中ではわかっているが、若いときは、ある意味、怖いもの知らずなところがあるからね。ただ、若い時にやれること、遊ぶだけ遊んだ方が良い、というのは、そうだと思う。しかし、その分、引きずらず、ある段階から、しっ
-
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
真っ黒な肌、奇抜なメイクにド派手なファッション。
ストリートにたむろし、クラブでパーティー―。
日本を席巻し始めたギャル文化の象徴「イベサー」を、かつて集団のトップを務めた男がフィールドワーク。
数百人のギャルの肉声から、現代の「未開の部族」の内面に迫る。
「やっぱり礼儀と学歴は大事」「いかに早く遊んで落ち着くか」など、その奔放なセックス観から意外に保守的な未来像まで、彼らの素顔を大解剖。
[ 目次 ]
第1章 インカレ発チーマー経由イベサー行―イベサーの起源(イベサーが特別なわけではない;「傾奇者」から「チーマー」まで ほか)
第2章 ギャルは結構忙しい―イベサーの組織と活動 -
Posted by ブクログ
元・サー人(イベント・サークルのメンバー)=ギャル男による自伝的記憶と取材に基づくエスノグラフィーである。「ギャルとギャル男の…」というタイトルではるが、このような事情により「ギャル男」カルチャーについての記述と分析がメインとなっている。
本書を読んでいるとどうしてもポール・ウィリス『ハマータウンの野郎ども』を思い出し、比較せずにいられない。どちらも学校カルチャーにおける尺度とは異なる尺度をつくりだしそれに準拠することで一見、彼ら自身の文化でのサクセス・ストーリーを歩んでいるように見えるけれども、その実、マクロな社会全体で見れば、社会の下層階級に向かって身体化されていくというその矛盾。その矛盾 -
Posted by ブクログ
文化人類学というよりは、深いフィールドワークを通したルポ。ギャルやギャル男の生態についてよくわかります。サー人の評価基準である「ツヨメ」「チャラ」「オラオラ」は、なにも「サー人」のみに限った話ではなく、意識的・無意識的の差はあれども現代若者の多くに共通する部分があると思った。少なくとも、自分の所属するサークルは関西圏だしイベサーではないが、所属しているメンバーや共有されている価値観の中に「サー人」と共通する箇所はいくつかあるし、自分自身の中にも「ギャル」の価値観の一部が存在すると自覚した。情報社会が進んでリアルなコミュニケーションが減少傾向にある現代で、自分の存在をアピールして、存在価値・存在