谷口智彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレおすすめ度:85点
通貨について再考させる好著である。
「金本位制」が復活する。そんな考えは、経済学的議論からは一笑に付しておしまいだ。
ところが、政治学と宗教論の領域からは、決して荒唐無稽の考えではないことが理解される。
ましてや、とにかくやるのだと信念で突っ走る人の方が強いとしたならば、その信念体系がこれまでアメリカがさまざまな局面を転換してきた時の強さだとすると、金本位制の議論は言下に一蹴できる話ではなくなってくる。
アメリカにとっては、さんざん借金をしておいて、今度はルールそのものを変えてしまうという、いいとこどりの大逆転劇となる。
メモ:オーストリア学派:戦争の激化とユダヤ人迫害と -
Posted by ブクログ
米国のリバタリアン、ティーパーティー系議員やシンクタンク、有識者など、一部で盛り上がっているらしい金本位制復活論について。米国憲法を厳密に解釈すれば金銀に裏打ちされないペーパーマネーの造幣流通は違憲となることや、米国における金本位制の思想的背景、州政府の中央政府に対する根強い不信感、基軸通貨としてのドルの弱化とフランスや中国など脱ドル派からの挑戦、過去約10年で金価格が約7倍に高騰する中、日本を除く各国中銀が金保有量を大幅に積み増していることなどなどを踏まえ、広い視点から解説している。
著者は、米国人はまず目標が理念的に正しいと判断すれば、どんな困難に思えることでもその信念に基づき力技でどう -
Posted by ブクログ
著者の谷口先生は、故安倍総理のスピーチライター。
総理の気持ちに寄り添い、想いを理解し、言葉に紡いできた人。そのスピーチが、海外でどれだけ賞賛されて来たかは言うまでもなく。
安倍元総理がどんな思いで何を成して来たかを、その目と口で語る。
アベノセイダーは近寄るな。
自民党議員と、報道される安倍像に、本当かな、と思う人に読んでもらいたいと。
思い入れが非常に強くて、割り引かなければいけないところはあるんだろうが、語り口は明朗整然としている。
何より、安倍元総理の周りにいる人が、みんな安倍元総理が好きだった。
安倍元総理は、保守ではあったが、ガチ保守からは生ぬるいと言われてい。それは、現実