マイケルウッドフォードのレビュー一覧
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休暇を利用して一気に読みました。
とある監査の本で紹介されていたので、遅まきながら読んでみました(寄り道)。
ガバナンス・コードが策定された一因とでもいえるオリンパス事件。この「解任」後の状況はほとんど知らないけど、とにかくこれが日本の悪いところの集大成(もたれあい、事なかれ主義、秘密主義)だよねと非常に残念な気持ちになってしまう。曲がりなりにもガバナンスの一翼を担う監査という仕事をしているのだけど、この「ガバナンス」が世界でどう捉えられているか、ウッドフォード氏のこの開示からよく伝わってきます。
自分がこのような場面に直面したときに、彼のように行動することができるか。彼のように行動するの -
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『日本人はなぜサムライとイディオット(愚か者)がこうも簡単に分かれてしまうのか』本書の筆者であるマイケル・ウッドフォード氏が「オリンパス事件」のきっかけとなる記事を書いた記者に対して発した問いは重い。 「オリンパス事件」の主要人物として、己の会社を告発し、壮絶なプロキシー・ファイト(委任状争奪戦)を繰り広げたオリンパス元CEOであるマイケル・ウッドフォード氏による手記です。
僕はかつて、大学時代に唯一まじめに通っていたO教授の講義で、
「日本のことを理解する上で注意深く見る必要があるのは日本に住んでいる外国人が残したものだ」
という教えを受けたことがあり、それが時を越えて僕に日本人が「集合的 -
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元オリンパス社長マイケル・ウッドフォード氏のインタビューを見て、内部告発に至った経緯を自ら著した「解任」を今さら衝動買い。社長解任動議のあった取締役会直後から日本を離れるまでの描写など非常に生々しいものでした。菊川元会長などオリンパス重役たちの言動も、かなり冷静に分析されていて、それだけに何故彼らがあの様な行動に出るのか理解できないという、当時の動揺や混乱が窺えます。
巻末に、ウッドフォード氏の協力者だったオリンパス元専務の宮本耕治氏が文章を寄せており、そこに書かれていたキーメッド社創業者レディホフ氏のウッドフォード氏を評した言葉がリーダー論として強く印象に残りました。
引用すると「企 -
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ネタバレオリンパスの事件は世界に大きな衝撃を与えた。
たまたま、大王製紙の報道が重なったこともあり、日本企業のガバナンスが甘いという印象を世界に与えてしまった。
新聞報道もなされていたことなのだが、本書を読むことで、事件の詳細がよくわかる。内容は具体的で、「生々しい」。
オリンパスの事件は日本の企業に強烈な「教訓」を与えたとみるべきである。報道や裁判にならずとも、同様の行いをしている企業がまだあるのではないか。オリンパスが失墜させたのは「オリンパスの信用」ではなく、「日本企業全体への信用」であると考えるべきであり、日本企業は今一度、ガバナンスや内部統制、監査について見直しをすべきである。
不正や違 -
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オリンパス事件については、ほぼリアルタイムで触れていましたが、あらためて振り返ってみると本当にやりきれない事件であると感じます。このウッドフォード氏の回想を読むに、もう少し早い段階で不正の存在を認めていれば・・という思いを新たにいたしました。
印象深いところをいくつか。
「反対意見が無く、お互いを褒め合い、同意し合うだけ。彼らが経営判断を誤った下地でしょう」
「日本のサラリーマンはロボットのように仕事ばかりしているわけではありません。」
FACTAの報道がきっかけになったとは言え、ウッドフォード氏の存在なくしてはこれほど早く不正が明らかになったとは思えません。日経新聞を始めとした既存大メディ -
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元オリンパスのCEOマイケルウッドフォードが内部告発者になってしまった経緯を本人が書いた本。
体験した本人だからこその迫力があり、一気に読める。
そして、オリンパスへの復帰をあきらめた理由もこれを読んで納得した。
また、彼がエリートではなく、イギリスの会社に就職しその実力を見抜いた社長に、どんどん実践の場を与えられ、その期待に応えていく中で、若くしてその会社の社長になった事やその会社がオリンパスと資本関係があったため、欧州オリンパスの要職を歴任して、オリンパス本社の社長になったと言うかなりたたき上げの社長であると言う事を初めて知った。
海外の基準で見た日本のビジネス習慣に関する違和感は我 -
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例のオリンパス元CEOウッドフォード氏の手記である。英の販売代理店経由とはいえ、オリンパスグループ内の生え抜きだった同氏が日本人取締役たちの手によって解任を受ける始終とその後の委任状争奪戦、そして社長復帰をあきらめる本年3月の時点までの出来事がヴィヴィッドに記されていた。メガバンクからの新社長を抱えて再出発となったオリンパスの事は心配していないという。大笑いしたのは、「何千という優秀な技術者を抱えており、トップがそれほど有能でなくても、それなりの成果を残せるポテンシャルがあります。」の一文。髙い能力を持つ製造業の一つの代表のオリンパス、そして更なる成長と改革の可能性を持つ日本への愛情にあふれた
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企業に勤めていれば、1つや2つ知りたくない事実を知ってしまい、それを呑みこんでおくか、吐き出すか迷うものである。
もし自分が、著者と同じくらい重大で悪質な会社の事実を知ってしまったら、著者と同じ行動を取れるか、という観点で読むと、非常に勇敢で正直で正義の塊のようでその異質な信念の強さを持ち合わせてなきゃ無理だろうと思う。そして、その欠片程度しか自分にはないな。
企業人たる者は、会社にとって正しいことをすべきであり、その結果が社会貢献であり、利益の追求である。著者の行動が会社にとって正しいのかどうかは、これからのオリンパスにかっかっている。
カメラも作っているメーカーだけに、将来へのピント