水上滝太郎のレビュー一覧

  • 銀座復興 他三篇

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    震災とそこからの復興は繰り返される日本の宿命。

    うまい酒とうまい料理で元気を出して、それぞれの仕事をがんばる。そうすりゃ、天子様もお喜びだ。

    上記のような具合に、人々は関東大震災後の復興に尽力するが、その姿は読者に元気と勇気を与えてくれる。

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    2013年05月05日
  • 銀座復興 他三篇

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    関東大震災をテーマとするもの3篇と、新婚夫婦を描いたもの1篇。
    2012年に文庫版第1刷が刊行されたのは、恐らく東北の震災を受けてのことだろう。
    関東大震災と聞くと、亀戸事件、甘粕事件、被服廠の火災旋風など陰惨なイメージが強い。この本は前向きに復興を志す人、社会から孤立し続ける人、被災した若者などが描かれており、地震に直面した人々の等身大の感覚が味わえるという点で良い読書体験だった。

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    2025年10月21日
  • 銀座復興 他三篇

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    ドキュメンタリーではなく小説です。震災小説とでも言うのでしょうか。どのお話も思いのほか静かで落ち着いた気持ちになれる読後感がありました。

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    2018年10月09日
  • 銀座復興 他三篇

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    関東大震災によって焼け野原となった銀座を舞台に、人々の復興に向けた様々な思いを描いた表題作を含む四編を収めた短編集。文語体の面影を残す叙述が昭和初期の時代を感じさせるが、現代においても違和感なく寧ろ心地よく読み手に響くところに著者の力量がうかがえる。震災という大きな事件におかれた市井の人々の様子を淡々と描写してみせることによって、その非日常性が効果的に表現されている。

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    2012年05月09日
  • 銀座復興 他三篇

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    表題作は、関東大震災で焼け野原になった銀座でいち早くバラックにより営業を再会した飲み屋を舞台に、街の復興に取り組む人々の絆を描いている。この飲み屋は、現在も営業している「はち巻き岡田」である。全四編の内三編が関東大震災が背景になっている。昔も、大地震は、天罰という(天譴論)バカがいたらしい。水上滝太郎は、実業家と作家の二足のわらじを履いていた慶応ボーイで、明治生命在職中に亡くなっている。この作家は、初めて読んだが、都会的で、理知的な作風が好ましい。

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    2012年03月31日
  • 銀座復興 他三篇

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     今年2023年は関東大震災100年に当たる年ということで、書店では夏ころから新刊を含め関連書が多数陳列されていたが、そんな中で本書を見つけたもの。収録作品4作のうち、表題作の『銀座復興』『九月一日』『遺産』は関東大震災に直接関連した作品。
     『銀座復興』は、今でも銀座に店を構える「はち巻き岡田」がモデル。関東大震災でほぼ壊滅状態になった銀座で、小屋を建て「復興の魁は料理にあり 滋養第一の料理ははち巻にある」と銘打ち、いち早く復興の第一歩を踏み出した店があった。その店を舞台に、復興を期待する主人公、店の主人夫婦や店に集う客たち、もう銀座は駄目だとあきらめている主人公の友人などの会話を通して、復

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    2023年10月03日
  • 銀座復興 他三篇

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    ネタバレ

    銀座復興(1931/昭和6年)
    九月一日(1923/大正12年)
    果樹(1925/大正14年)
    遺産(1929/昭和4年)

    解説 震災と水上文学(坂上弘)

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    2012年07月31日
  • 銀座復興 他三篇

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    震災後の銀座の荒涼とした様子や、復興にかける市井の人々の奮闘ぶりがよく伝わってくる。会話が生き生きしているせいだと思います。

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    2012年07月04日
  • 銀座復興 他三篇

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    水上滝太郎『銀座復興 他三篇』、岩波文庫。

    三田文学出身の作家が関東大震災後の東京について書いた小説。
    当時の、つまり戦前の「復興」というのはこういうものであったわけで、
    いまさらその是非を言うのは詮方ない。
    むしろ、「すでに都市に呑み込まれ組み込まれたひとびと」の心象サンプルとして読むべき。

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    2012年04月23日