オルダス・ハクスリーのレビュー一覧
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当時こんなことを考える人がいたことは驚きだ
本気でやっている苦悩をエンターテイメントとして受容されることのなんと耐え難いことか…
モンドの苦悩が大多数の幸福を支えている歪さがいい意味で気持ち悪かったPosted by ブクログ -
来るかもしれないディストピアを描いた作品。フィクションを通じて、自由主義・資本主義の問題点を伝えている。どんなイデオロギーが妥当か、正直議論が抽象的すぎて、自分にはわからない。けどとにかく、今の社会を生きる人間として、読んでおいてよかった!Posted by ブクログ
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登場人物の台詞に時折ぐさっとくることがあるはず。そのくらい現代にも示唆的な小説だった。
シェイクスピアの引用も面白い。そして切ない。
作者は1946年のあとがきで、われわれが権力を分散し、応用科学を人間を手段として使うためではなく、自由な諸個人からなる社会をつくるために利用する道を選ばないとすれば...続きを読むPosted by ブクログ -
文庫版の裏表紙に書かれている本書のあらすじは、下記の通りだ。
【引用】
西暦2540年。人間の工場生産と条件付け教育、フリーセックスの奨励、快楽薬の配給によって、人類は不満と無縁の安定社会を築いていた。だが、時代の異端児たちと未開社会から来たジョンは、世界に疑問を抱き始め・・・・驚くべき洞察力で描...続きを読むPosted by ブクログ -
p.317
社会的不安なしに悲劇はつくれないんだ。
幸せってなんだろう、感情ってなんだろう、生きる意味ってなんだろう、、、いろいろ考えちゃう作品でした。
幸せなら娯楽もこうやって本を読むことも不要になるのかな?Posted by ブクログ -
ようやく読めましたBrave New World/すばらしい新世界。著者による新版への前書きは良い補完だった。「幸福度ランキング」なるものが国家間、都道府県間で発表される世の中において、ハクスリーの「“幸福の問題”とは、言い換えれば、どうやって人々に隷属を愛させるかという問題だ」という一節は現実的な...続きを読むPosted by ブクログ
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「すばらしき新世界」
ジョン
野蛮人氏。
青年になるまで、非文明地区で暮らしていたが、レーニナとバーナードの訪れを機会にロンドンへ向かうこととなった。
文明人である母、リンダの影響で「すばらしき新世界」としての憧れを抱いていたが、実際には科学技術は発達しているものの、宗教も、文学も、科学も完全...続きを読むPosted by ブクログ -
作中では時々、詳細な科学用語・物質名が引き合いに出され科学的にかなり発展していることが伝わり、その世界で宗教、文学、歴史が禁忌、禁書となっていることで「現在の我々読者の常識は非効率的な世界である」という雰囲気が出ている。
しかし、性については野蛮人そのもので、誰とでも性交をするのが良しとされ、1人...続きを読むPosted by ブクログ -
明るいディストピアな未来を舞台とした小説。ファスト消費、経済性、快楽主義を第一とする全体主義世界。1930年代に書かれたにも関わらず、ある意味現代社会を描いている様にも思える。著者による新版前書、解説なども必読。Posted by ブクログ
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瓶詰めの科学的に調整を施す人間培養、その調整によって格付けされた人間社会、あらゆる快楽を叶えることで欲望や不満、絶望を排除したユートピア。人間の最大の欲求は信頼関係のある人付き合い、と定義する人がいるが、それさえ叶えることのできるユートピアは果たしてディストピアなのか。かなり極端な世界ではあるが、今...続きを読むPosted by ブクログ
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ディストピア小説の古典とも言われる本著。しかし、1932年に書かれたとは思えない位、新感覚にも読めるし、あるいは既に社会に浸透した一種のSF的仮説の基礎とも読める。最近の作品では、貴志祐介の『新世界より』が影響を受けてるのかなと感じたがどうなのだろうか。
階級を容認し、寧ろ階級がある事を前提に構築...続きを読むPosted by ブクログ -
近未来ディストピア小説
人間は工場生産されるようになり、家族という概念はなくなり、フリーセックスと快楽薬で不快や欲求不満を解消した、非常に安定した世界が描かれている。
ディストピアだけど、きっとこの世界が本当にあったらここに生きる人は、結構幸せじゃないかと思う。
徹底的に管理された階級社会、でもそ...続きを読むPosted by ブクログ -
ディストピアを題材にした小説は初めて読んだ。未来の描写を読むのは単純にわくわくする。こんな未来は確かに来そうだとか、嫌だなとか、中途半端に機械化されてないな、みたいな考えが去来する。
ところでこの小説の社会では、安定や幸福が何より優先されている。そのために人間を生産する技術が高められ、健康的害の少な...続きを読むPosted by ブクログ -
人間が工場で企画生産され、条件付けと快楽薬物の多用によって一律に幸せを感じる世界に『野蛮人』としてやってきたジョンは違和感を覚えるが………。
『1984』で描かれるディストピアより、幸せで快適だけれどもやはりディストピアには違いないし、何だかより現代に近い感じもある。
終わり近く、世界統制官と野蛮...続きを読むPosted by ブクログ -
幸せな人生、生活とは一体なんなのか?
全ての苦痛が極力排除され、
快楽のみを感じることを良しとした社会。
真理よりも幸せを。
だが、
それは幸せなのか?
全ての人は試験管で生まれ、あらかじめ遺伝的に優れたものを少数、劣ったものを多数生み出させる。
フリーセックスが横行し、試験管で生まれたものたち...続きを読むPosted by ブクログ -
ディストピアものの名作の一つと聞いて読んでみたが、翻訳が新しいこともあってか古さを感じなかった。この本が書かれてからおよそ90年たつが、今の世の中はこの小説をフィクションだと一蹴することができるだろうかと考えると空恐ろしいものさえあった。
世界観以外に読んでいて印象に残ったのは、社会の構成員が幸せに...続きを読むPosted by ブクログ -
程度の差はあれ、今の日本も同じような政策がなされてないか。
ファッションやアイドルやテレビやスポーツや賭け事などなど。
現実逃避と適度なストレス。
回す側と回される側。
本人が良ければそれでいいのか。
とても考えさせられた。
Posted by ブクログ -
ディストピアものでは1984年に並ぶような作品であるが聞いたことなかった。ちなみに1984年もまだ読んでないけど。
これが1931年に書かれたというのもすごい。あとがきでは核について記述がなかったことについて触れているけど、それにしてもフリーセックスやソーマという麻薬のようなものだったり、当時の社会...続きを読むPosted by ブクログ -
ちょっとあきれたり身につまされたりしつつ、苦笑しながら読めるディストピア小説です。壜詰めで育てられる赤ん坊、ボカノフスキー法で生み出される同じ顔をした労働者たち…… “ああ、すばらしい新世界!”
ドタバタとパロディー満載のおちゃらけ小説のようでいて、実はしっかりと哲学している作品でした。幸福と...続きを読むPosted by ブクログ -
不安のない理想?の社会を極限まで進めたらの「もしも」をありありと描いている。
随所で妙な気持ちになるのは、私が作中でいうところの古い世界の人間だからか。
また、解説に詳しくあるが、著者が生物学者の家系なのも物語の設定に深みのあることに関係していると思う。Posted by ブクログ