野村修のレビュー一覧

  • ベンヤミンの生涯

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    ベンヤミンは亡くなった時、48歳だったのね。なんか老けた写真が多いのでもっと年を取った人なのかと思ってた。この本は、ベンヤミンの思想というよりは、その人間関係やいろんなエピソードを中心にその生涯を追ったもので、彼の人となりが見えて興味深い。面倒なやつだったのね。どんな考え方の人でどんな経験をしてきたかを知ると、ちょっと難解気な彼の言葉も、共感をもって理解できる気がしてくる。面白かった。けど、解説が難解でちょっとげっそり。編集者としてはバランスを取ったつもりなのだろうか…

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    2024年10月28日
  • ベンヤミンの生涯

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     ヴァルター・ベンヤミンの生涯において、クレーが描いた<新しい天使>は、自身を見つめ直すための存在だった。三人の女性に彼は恋をし、うち一人とは結婚をするが、やがて離婚する。女性に恋をしながら、彼は、その女性を通して彼自身の女性性を見つめていた。彼の人生は常に二重性を帯びている。天使とサタンの。男性と女性の。自身の過去とこれからの人間関係をある日一瞬のうちに見てしまった彼は、人間関係をさまようように、パリの街を徘徊し続ける。抑圧された過去を解放し、それにより現在を未来に開かれた形で再生させるのが彼の願いだったが、ドイツはファシズムに覆われ、彼の試みは挫折する。亡命途中に道を閉ざされた彼は自ら命を

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    2024年08月27日
  • ベンヤミンの生涯

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    感無量。
    翻訳者である野村修先生による、愛情と熱意のこもったベンヤミン思想の遍歴を中心に探訪していく良著。
    現実を絶え間なく見つめるベンヤミンの思考の記述は、確かにフーコーやドゥルーズのフランス思想家に受け継がれていく。
    ポルボウでの絶望を乗り越えて欲しかった…。そしてその後の時代を、彼自身の類まれなる明晰な批判性でもって鋭く論じる、そんな過去があったらと無駄な想像をしてみる。

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    2024年01月21日
  • ベンヤミンの生涯

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    パウル・クレーに「新しい天使」という絵がある。
    長い間ヴァルター・ベンヤミンの手元にその絵はあって、彼のインスピレーションを生んだ。
    ベンヤミンはナチス・ドイツに追われて自殺した思想家。
    彼を知ったのは、スーザン・ソンタグの本から。「土星の徴のもとに」。土星はメランコリーの象徴。おそらくこの文章からの引用

    「すなわち、ぼくが土星-もっともゆっくりと回転する、廻り道と遅延の惑星-のもとで生まれたという事情を利用しつつ」

    何だか訳もわからず、晶文社のベンヤミン全集を買い揃えたのが20年位前のことだろうか。その後飛び飛びながら読み続けているけれど、良くわからないのは現在も変わらない。でも、

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    2011年07月16日
  • ベンヤミンの生涯

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    ベンヤミンの生涯を、彼の天使像を軸に据えつつ思想史的に構成した評伝。ベンヤミンの歴史を知る上では、三島憲一『ベンヤミン』と並び重要な著作。

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    2011年02月05日