【感想・ネタバレ】ベンヤミンの生涯のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

感無量。
翻訳者である野村修先生による、愛情と熱意のこもったベンヤミン思想の遍歴を中心に探訪していく良著。
現実を絶え間なく見つめるベンヤミンの思考の記述は、確かにフーコーやドゥルーズのフランス思想家に受け継がれていく。
ポルボウでの絶望を乗り越えて欲しかった…。そしてその後の時代を、彼自身の類まれなる明晰な批判性でもって鋭く論じる、そんな過去があったらと無駄な想像をしてみる。

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2024年01月21日

Posted by ブクログ

パウル・クレーに「新しい天使」という絵がある。
長い間ヴァルター・ベンヤミンの手元にその絵はあって、彼のインスピレーションを生んだ。
ベンヤミンはナチス・ドイツに追われて自殺した思想家。
彼を知ったのは、スーザン・ソンタグの本から。「土星の徴のもとに」。土星はメランコリーの象徴。おそらくこの文章からの引用

「すなわち、ぼくが土星-もっともゆっくりと回転する、廻り道と遅延の惑星-のもとで生まれたという事情を利用しつつ」

何だか訳もわからず、晶文社のベンヤミン全集を買い揃えたのが20年位前のことだろうか。その後飛び飛びながら読み続けているけれど、良くわからないのは現在も変わらない。でも、この廻り道と遅延の惑星に魅かれているのだろう。


本書は、その署名のとおりの内容。「新しい天使」の解釈から書き起こされ、以下各章の冒頭に年表を配し、年々時代に追い詰められ、死を選んでしまうまでが描かれている。

今年は残り半年も無いけれど、もう一度ベンヤミンを読み返してみようかという気になった。

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2011年07月16日

Posted by ブクログ

ベンヤミンの生涯を、彼の天使像を軸に据えつつ思想史的に構成した評伝。ベンヤミンの歴史を知る上では、三島憲一『ベンヤミン』と並び重要な著作。

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2011年02月05日

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