伊藤剛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
メディアに携わる人がその観点から戦争と平和について述べてて、結構面白い。
言葉、概念の理解がそれぞれ違うからミスコミュニケーションを生み出す。また、戦争と違って平和は具体的な絵としてイメージしにくい。
戦争プロパガンダについて。それがどのように発達するかというシナリオ。
メディアが面する数々の制約、物理的、視点的、映像的制約。
企業としてのメディアと大衆心理。
戦争についてばかり聞かれる中で、体験した人たちが忘れている日常について記録するwar eveという取り組みとか、「ヒバクシャ」というものを作り出しているとか。
正義を犠牲にして獲得する平和。 -
Posted by ブクログ
「なぜ戦争はなくならないのか」という言説の本は右から左まで様々ありますが、それを「なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか」という、コミュニケーションの視点から戦争論を語る本は他になく、大変興味深い一冊でした。
題名の問いについてはあっさり序章で明らかにされてしまい、本章では主に戦争がおきる構造を「伝わる」「伝える」を軸に説明されていきます。これが本当に分かりやすい。
さらに個人的に面白かったのは第4章以降。
1-3章で大変分かりやすく戦争のカタチが「伝わった」上で、では平和はどう伝えていくのかという、平和教育についての筆者の違和感と考えが、様々な資料を行き来しながら展開されていきます -
Posted by ブクログ
様々なジャンルからデータ、概念を取り寄せ、平和について論究している。しかし、冒頭で言及されているとおり、戦争よりも平和の方がイメージが貧困なことが図らずも露呈した内容になってしまっている。骨太な説得力はないが、平和論に少し違う視点が欲しい人に最適。
・プレゼンは結論の内容とそこまでの道筋を重視。コミュニケーションは、出発点を見極める行為。私たちの社会でプレゼンし合っても、どちらも正しい可能性が在る以上、むしろ争いを助長する。
・戦時下では疑問を差し挟み、慎重に判断を使用とする人を敵側に利する人とみなす傾向にある。
・本来、公平性よりも公共性を大事にすべき。
・ボスニアでは平和のために戦争を学