菅野寛のレビュー一覧
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タイトルの通り、経営に必要な経営戦略についてざっと学ぶことが出来る本。この本を読むことで、経営戦略に必要な知識の概観をつかむことが出来る。
「なぜ経営戦略が必要になるのか」という説明から始まり、どのような考え方を持つべきか、戦略とは何か、環境分析、事業・コーポレート戦略、戦略の実行、知識ベースの経営に関して、過去に体系化されてきた理論を網羅的に説明している。また、それらの中で各種有名なフレームワークを説明しているが、フレームワークはただ「穴埋め」すればよいものではなく、なぜそのフレームワークが必要になるのかを自分で考え修正していくことが必要になることを繰り返し主張しており、今後肝に銘じておき -
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この本の冒頭にも記載がありますが、経営戦略の本は大量にあれどその中身は事業戦略的な要素の多いもので、「全社戦略」について体系的な解説を試みている本は少ないと思います。私は初めてそのような本と出合いました。
この本では、会社の中で『本社組織』と『事業部組織』を分け、その中で『本社組織』の戦略的な機能として、『ポートフォリオマネジメント』、『シナジーマネジメント』、『全社事業ドメインと全社ビジョンの設定』、『全社組織の設計と運営』について、概要解説、実際の戦略構築の観点提示、実際の企業事例を説明しています。
一つ一つの理論や事例については、経営戦略に関する本を読んでいるとよく見るものです。しかし -
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先輩に薦められて読んだ一冊。
今の自分に足りていないフレームワークが詰まった一冊。
これは経営戦略という分類だが、何においても通じるものがある。
現状→目的(あるべき姿)にたどり着くこと。その過程を具体化していく(問題→論点→アクション)こと。
私自身がそれを仕事に落とし込んだ時にできていないことが多い、あるべき姿が抽象的だったり、現在の姿の定義づけができてなかったり。
足りない情報はインプットする範囲を決めて作業をして、それでも入手できないものは仮説を立てる。
「考える」を永遠にやる必要がある。
苦手なことだけど、逃げずにやらないといけない。 -
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【メモ】
・全社戦略:複数事業を持つ会社において、経営者あるいは本社が全社的視点で考える戦略。複数の事業を営んでいるので、「顧客は誰か」「提供価値は何か」「競合は誰か」という問いすら意味をなさない
・事業ポートフォリオで具体的に考えるのは「やめる」「まとめる」「分ける」「はじめる」の4つ
・全社事業ドメイン:多数の事業を営んでいるが、どのような事業であれ、この領域の中で事業を行う、という領域。それを設定すべきかどうかを考えることも全社戦略の大切な要素
・自社内の事業や機能をどのように切り分けて組織を作るかは、本社が考えるべき全社戦略の一つ
・人材マネジメントを本社が主導あるいは関与すべきなのか -
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戦略には、個々の事業がどうやって勝ち抜いていくのかを扱う、個別の事業戦略と同時に、複数の事業を持つ企業が、その複数の事業を含む会社全体をどう経営していくのかを考える全社戦略がある。
例えば、複数の事業のうちのどの事業に優先的に資源を配分するのか、更に具体的にいえば、投資案件が複数あった場合、どの投資案件を選ぶのか、それはどのような考え方に基づいてそうするのか、等が典型的なイシューである。
個々の事業戦略については、例えばポーターのファイブフォーシズなど有名な理論が多くある。全社戦略の方は、BCGのPPM等は有名だが、あまり書籍も多くなく、どちらかと言えば、関心は高くないのではと思える。
しかし -
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最後の章がもっとも面白い。
これまで、総合ファームが、CIO相手にSAPなどの
大規模案件を売り込んだのと、同じ手をCEO相手にやる
という、ビジネスのうまさ。
将来の成長戦略を描き、
そこに必要なキャッシュを、試算。
このときも、すでに、現状の実力値から、
リスクを差し引き、さらに、目標数値を120%達成する
試作を立案。
それも、
売上拡大、組織再編=コスト、コスト削減、
キャッシュコンバージョンまで、幅広くみる。
そして、その実行にあたっては、
PMOをおき、さらに、各チームにコンサルが入る。。。
個々のロールは、決して戦コンでなくてもできるであろう。
でも、トップをおさえなければ、 -
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著名コンサルティング会社のBCGを経て現在大学教授である著者が企業の失敗からビジネスの成功に近づくためのポイントを解説した一冊。
経営コンサルタントとしてビジネスにおいて立てる戦略は失敗する確率が高いという前提のもとに、考えるアプローチ・ビジネスの立案・ビジネスの実行の3つの要素分解してそれぞれの失敗のパターンを実例も踏まえて解説されておりたいへん勉強になりました。
イノベーションといわれる異質化や同質化といった戦略を行なったとしても失敗する可能性は高く、失敗を許容できるだけの会社の地盤やブランド構築による付加価値などを作らない限り厳しいことも理解することができました。
また、トヨタやセブン -
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Posted by ブクログ
経営戦略を基本的なところから、最近のトピックまで含めたところでの入門書。
これだけの内容を250ページくらいにまとめたこと、しかも半分は、図で整理したことは、ちょっとすごい。
経営戦略について、古典的なところで大事なことは、現在の文脈でしっかり紹介して、古くなってきている部分については、取り扱わない。そして、古いものも、新しいものも、一緒にして、全部統合して、今だったら、こういうものだということを整理している。
これは、できそうで、なかなかできないことだと思う。
一方、この本で初めて経営戦略を学ぶ人が、一気にこれだけの内容が頭に入るかどうかはわからない。その辺のところは、従来の教科書を