永井三明のレビュー一覧
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余談だが、ニッコロ・マキァヴェッリの思惑とはおそらく異なり、不届きにも寝ころんで読書する習慣の自分にはいささか腕が疲れた・・・。(笑)
原題は『ティトゥス・リウィウスの初篇十章にもとづく論考』とのことで、リウィウスの著作『ローマ史』から読み取った古代ローマ史よりの事例に加え、マキァヴェッリの生きた現代イタリアの状況から得た事例をふんだんに教訓として盛り込んで、国家のあるべき姿やどのような時に国家は栄え、そして滅亡するかを論述する。
各章の論述はそれほど長くなく読みやすくなっており、スタイルとしては章頭で、「人間は、悪党になりきることも善良になりきることも、まずはできないものである」とか「同盟 -
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ネタバレ本文650ページ+訳注・解説など100ページ。
全142章、1章あたり5ページほど。
訳良し。
以下に6章まで、雑な要約を書いた。参考に。
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【1章】 都市の起源
○都市国家の創設者の力量は、土地の選定と法整備により試される。
○不毛な地は人々は勤勉になり、団結し国内不和も起こらないので良い。
○自然の安全保障を得られない、かつ他を支配するつもりがないのなら豊かな地を選ぶのが賢明だ。
土地の恵みで人は惰弱になる。強い法規制及 -
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Posted by ブクログ
マキャヴェリは思想家とは言えても決して哲学者ではない。フィレンツェ社会の荒波でもまれた経験から育まれた彼の「教訓」はパワー・ポリティクスに基づく実践的な処世術ではあっても、善悪の価値判断を伴わないし、たぶん彼には信仰心は無い。
本書は古代ローマの歴史をたどりながら、当時のフィレンツェを含めたヨーロッパ社会に適合するような、政治的教訓を取り出していこうとする努力の結晶である。「君主論」では君主制が絶対的なものとして支持されているかのように見えたが、ここでは古代ローマ的共和制を、少なくとも冒頭の辺りでは賛美しているかに見える。
たぶんマキャヴェリは、政体に関しては何が良いとかいう判断をすることを、