村岡晋一のレビュー一覧

  • ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル

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    最初に言っておくが決して平易な・わかりやすい書ではない。哲学にあまり馴染みがない者にとっては、中身を読み砕くのに少々時間と知識を要するかと思う。しかし、それだけ苦労しても読み解く価値がある。
    この書を通して得られる知識は、主に「ドイツ観念論」が出現した意味と、時代背景についてである。ドイツ観念論と呼ばれるものたち―カント、フィヒテ、シェリング、ヘーゲルの論―の中身についての解釈も得られるが、それ以上に大きいのはこれらを突き通す流れを得られることだと私は思う。他の哲学書では割と味気なく出現するように感じられるドイツ観念論に対し、ある種の熱狂や迸りを感じられるようになった。

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    2021年11月03日
  • ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル

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    「終末論的陶酔」とやらでドイツ観念論を考える

    フランス革命をひとつの契機とするような、自由の時代の到来=歴史の完成、を迎えた自分たちだからこそ、これまでをすべて客観的にながめ、まったく新しく未来を考えはじめることができる

    そういう地点に爆発した思想

    というのは面白かったけど、ヘーゲルのあたりでちょっとしんどくなる
    めちゃ観念的やん、と思った

    たまたま並行してフーコーやレヴィ・ストロースを読んでたせいもあるかもしれないけども、ちょっと厳しい

    てか、これだけの体系を学ぶのに、ドイツ観念論はじめまして、で、これというのがきつかったのか?

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    2020年10月06日
  • 名前の哲学

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    名前がこれからとこれまでが交差する深淵だったとは。ポーランド語で学んだ呼格が、どれほどの深みを持っているのか。時間と人間社会について深く考えさせられた。ローゼンツヴァイクを読んでみたい。

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    2020年07月13日
  • ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル

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    時代性をもったドイツ観念論(カント、フィヒテ、シェリング、ヘーゲル)を取り上げることで、今を生きる覚悟ともいうべき思索を促してくれた。

    哲学の営みはすごい。改めて、そう思った。

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    2020年07月03日
  • ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル

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    ■983, 2019.09.17
    「自由」の観念が独特。ここをわからないとドイツ観念論はほとんど解釈不可能に思える。

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    2019年11月23日
  • パサージュ論 二

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    ベンヤミン『パサージュ論』とのそもそもの出会いは、笠井潔の『群衆の悪魔―デュパン第四の事件』だ。
    それは、パリの街を舞台に探偵オーギュスト・デュパン、ボードレール、バルザック、ブランキなどのビッグネームが活躍するミステリーで、その中でベンヤミンと『パサージュ論』について触れられていたのだ。
    この巻は、先日、『悪の花』、『ボードレール パリの憂鬱』の二冊の詩集を読んでもあまりピンと来なかったボードレールがテーマの巻ということで、案の定取り付く島もない感じではあったが、かろうじて心に残った断章を引用しておきたい。


    《一八四〇年ころのユゴーについて。「同じころ、彼は、人間が孤独を好む動物だとすれ

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    2022年01月09日
  • パサージュ論 五

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    ベンヤミン『パサージュ論』の最終巻だが、そもそも未完の書物なので完結編という訳ではない。
    だが、この書物は、未完の断章形式であるということそのものによって、永く生き延びるのではないだろうか。
    一つのストーリーによって、全ての断章が論理的に並べられ、不要なものは刈り込まれ、首尾一貫した一冊の書物としての完成をみていたとしたら、あるいはこの書物は、とっくに古びて打ち棄てられていたかも知れない。
    断章であるが故に、その一つ一つが、様々な角度からの光線に、いつまでも七色に煌めいているのではないだろうか?/


    ここでも、想起されるのはタイムラプス撮影で撮影した雲の映像だ。
    丘の上に固定されたカメラから

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    2022年01月09日
  • パサージュ論 一

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    ベンヤミン(1892年〜1940年)は、ドイツの文芸批評家、哲学者、思想家、翻訳家、社会批評家。
    代表作:『複製技術時代の芸術』、『写真小史』、『パサージュ論』。/
    《1940年、ナチス・ドイツ軍はパリに侵攻した。亡命中のベンヤミンは膨大な未完草稿をジョルジュ・バタイユに託して、パリを脱出する。》
    だが、アメリカへの脱出に失敗し、スペインの国境の町で服毒自殺を遂げた。/

    『パサージュ論』の構成: 
    Ⅰ パリの原風景 
    Ⅱ ボードレールのパリ 
    Ⅲ 都市の遊歩者 
    Ⅳ 方法としてのユートピア 
    Ⅴ ブルジョワジーの夢 


    断章形式なので、驚くほど読みやすい。
    僕でも読めると

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    2021年08月27日
  • ドイツ観念論 カント・フィヒテ・シェリング・ヘーゲル

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    「終末論的陶酔」―フランス革命という出来事に居合わせた自分たちこそが人間の歴史を総括しうる視点を確保しているという意識―を、カントに始まるドイツの哲学者たちが共有していたという視座のもとに、個々の思想家の歴史意識を掘り下げ、その視点から各人の思想を再構成しようとする解説書。タイトルから思い浮かぶような、いわゆる教科書的な解説書ではなく、非常に独創的な解釈がちりばめられており、ドイツ観念論という思想運動がいかなる意味を持つものなのかを明らかにしてくれている。

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    2013年04月01日
  • パサージュ論 五

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    ベンヤミンの断片集であった。特に他の巻との関連があるかどうかはこの巻だけでは不明であった。メディア論と関係があると思って読んだが特には関連は見いだせなかった。スマホからの記載ができなかった。

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    2021年11月08日