竹内康浩のレビュー一覧

  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    この視点はなかった。完全にやられた
    どういう発想で出てきたのかと思ったが、あとがきで本書の経緯も書かれて興味深かった。

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    2025年11月04日
  • 謎ときエドガー・アラン・ポー―知られざる未解決殺人事件―(新潮選書)

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    ポーの短編「犯人はお前だ」には隠された謎がある。
    それは作者から読者への挑戦状。
    詳細に作品の内容を検証し、未解決事件を解明してゆく。
    ・まえがき
    序章――「犯人はお前だ」全文訳
    第一章 挑発 第二章 矛盾 第三章 未解決殺人事件
    第四章 鏡像 第五章 もう一つの完全犯罪
    第六章 デュパンの誕生
    第七章 アナリシスとアナロジー
    第八章 謎のカギをひねり戻す
    ・あとがき ・註解
    ・解説――メタ物語の楽しみ 巽 孝之

    貸出延長してまで読み深めてしまいました。
    前半は「犯人はお前だ」を徹底的に検証し、解釈を提示。
    これが推理小説の如くで、ワクワクしながら読んだ。
    ふーむ鏡像関係か。オリジナルとコピ

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    2025年07月09日
  • 謎ときエドガー・アラン・ポー―知られざる未解決殺人事件―(新潮選書)

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    この本自体がミステリー小説みたい!
    そう言われてみれば⋯って繋がる箇所が沢山で説得力がある。
    筆者の方が探偵に見えてくる!

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    2025年06月11日
  • 謎ときエドガー・アラン・ポー―知られざる未解決殺人事件―(新潮選書)

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    ポーの短編「犯人はお前だ」への新解釈を提示する本。
    「犯人はお前だ」はラストの死体が突如動き出し犯人を名指しするという仕掛け以外あまり見るところのない作品という認識を覆すもの。著者の竹内康浩は冒頭に提示されるオイディプスの名をはじめとした些細な違和感と作中の矛盾を検証し、作中明示的に描かれることのない未解決のままにされた殺人事件の謎を解き明かしていくという文芸評論なのにほとんどミステリ小説のような内容。読んでいて子供の頃読んだ高木彬光の「成吉思汗の秘密」のようなエキサイティングかつ説得力のある検証とほんまかいなという胡散臭さがない交ぜになった感覚を思い出した。

    後半は、前半の「犯人はお前だ」

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    2025年04月16日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    サリンジャーがやろうとしていたのは、その小説の特徴である世間を撃つように見えて、実は生死を超えた世界があることを告げる揺るがない実感があった。

    見事な論考であった。

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    2023年09月09日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    『しかし、たいていの人は、古池がどこかの古寺にでもあって、その周囲にうっそうとした木々が生えている景色などを思い浮かべてしまう。そして、その静謐な雰囲気のなかで蛙が生んだ水の音が聞こえてくる、と想像する。つまりは、蛙の音は古池の周囲に広がる静寂を際立たせる仕掛けのようなものだと見なしてしまう。だが、本当の主役は蛙の音であって、古池の静けさではない。人が主客を取り違えてしまうのは、推論による分析をするからだ。つまりは、「意識の尺度」でこの句を測ろうとするからだ。そう鈴木は断じる。むしろ、この句の本当の狙いは、そんな意識の尺度自体を破壊することにある。人を意識の外側へ、思考不能の領域へ、あるいは無

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    2023年05月25日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    17年に渡って描かれたグラス・サーガの作品群が、不可解に思える一語一句全て考え抜かれた上で伏線を張って描かれていた。紐解く様に解説されていて、とても感動しました。
    エヴァンゲリオンの世界観に似ているところがあって、だから私はエヴァもサリンジャー も好きなんだ、と妙に納得しました。

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    2023年05月18日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    途中鳥肌がたった。17年に渡って、しかも時間を遡って書かれたグラスサーガの大いなる仕掛けに。
    そして何度も読んだ『ライ麦』のラストシーンの解釈に、泣きそうになった。
    サリンジャーすごい。でも竹内先生の謎ときが本当にすごい。

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    2023年02月14日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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     サリンジャーの小説が好きで、一通り読んでいると言う人なら絶対ハマる! 読むのが止まらずついつい夜更かししてしまう本。テキスト分析のすごさに圧倒される。
     サリンジャーは「ライ麦」が超有名だけど、残念ながらそれしか読んでないという人には何を言ってるのかわかんないかも。そのため、誰にでもおススメ!というわけにはいかないんだけど。いや、でも、超おススメ。

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    2021年12月26日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    読む前は帯の言葉が大げさに見えたけれど、読めば確かにその通りと思った。そんな解釈はありなのか?と初めは思ったものの、グラースサーガだけでなく、ほかの作品にも散りばめられているサインを丁寧に集めて示されれば、これもありかと納得できる。とてもおもしろかったし、サリンジャーを再読して自分でも確かめたくなった。

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    2021年12月22日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    すんごい読み解き!

    ナインストーリーズ何度も読んでるのに、こんなたくさんの記号が隠されていたなんて!

    ちょうど今年はハプワーズを読んで、なんなんだこれは?と思ってたとこだったけど、
    あの作品も今作を読んでみると納得できた。

    しかし、すごい!

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    2021年12月11日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    こんな切り口で本を読み解く。思いもかけなかった世界へと連れて行ってくれた。
    最後の拳銃の一発が禅の公案、拍手の真理へと繋がり、ビー玉遊びやビリヤードと玉の触れ合う(meet)ことへの固執に昇華する。
    奥深い世界で、面白かった。

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    2021年11月17日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    ここまで読み込んでいく姿勢がすごい。原作を読み直しながらこの本を読み返す必要がある。この本自体がミステリー。

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    2021年10月28日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    面白かった〜!これくらい読み込めたら、楽しいよね。言われてみれば、なるほどそうだよねそうだよね、と思うし、新たな疑問も湧いたり、確認したくなったり。
    ”読みきれない”読みの楽しさよ!

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    2021年09月15日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    小説を読むとはこんなにもスリリングな体験だったのか!、という思いを与えてくれる驚愕の書。ただでさえ謎が多い作家、サリンジャーの傑作「バナナフィッシュにうってつけの日」を主軸に、グラス家の謎、そしてサリンジャー自体の謎に迫る文学評論。

    短編集『ナイン・ストーリーズ』の冒頭を飾る「バナナフィッシュにうってつけの日」では、グラス家の長男でシーモアが動機不明の拳銃自殺を遂げる。この長男の自殺は残る兄妹たちに大きな影を投げかけ、続く『フラニーとゾーイ』などの様々な作品を貫く1つのモチーフとなっている。

    しかし、本当にシーモアは自殺だったのか?、という問から本書は始まる。この謎を解き明かすために本書で

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    2021年09月12日
  • 謎ときエドガー・アラン・ポー―知られざる未解決殺人事件―(新潮選書)

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    エドガー・アラン・ポーの短編『犯人はお前だ』の構造を分析、隠された謎を解く。後半はデュパンシリーズや『アッシャー家の崩壊』、『黒猫』など他の有名作品にも応用していく。

    『犯人はお前だ』は初めて読んだが、よくある短編集の中の一つとして読んでいたら、「うーん、推理やトリックは何だか粗くてよく分からないし、これはイマイチ刺さらなかったなあ……」で終わってたことだろう。
    「オリジナル(実像)とコピー(虚像)という鏡像関係を見出し、一つの事象を深掘りするのではなく、水平方向に広がっている別の事象に目を向けることで、相互の二重構造、反転構造という関係性を明らかにする」という分析手法で著者が小説の構造を明

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    2025年06月29日
  • 謎ときエドガー・アラン・ポー―知られざる未解決殺人事件―(新潮選書)

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    ネタバレ

    ポーは子供向けの「黒猫」や「落とし穴と振り子」を読んだことがあったくらいで、「犯人はお前だ」は完全に未読だった。のだが、それでもいや明らかに描写が変っていうか死体だろ! 誰もテキストで指摘してこなかったってなんで!? と大いに困惑させられた。
    この本はその「未解決殺人事件」の話を下敷きに、ポーの作品の対比構造をわかりやすく描き出してくれていて、大変おもしろかった。論文については査読で牽強付会ともいわれたようだが、素人目には十分な説得力があるように思える。いやそれにしたって、テーブルに倒れて自白しだすのも急に飛び上がって死ぬのも明らかにおかしいだろ。

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    2025年06月17日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    『ナイン・ストーリーズ』の巻頭を飾る短篇「バナナフィッシュにうってつけの日」は、『ライ麦畑でつかまえて』についで有名なサリンジャー作品だろう。そのラストシーンは主人公の謎めいた死で終わる。これは普通、自殺と解釈される。だが、もし自殺ではなかったとしたら?
    たしかに注意深く読んでみると、途中から一人称が固有名詞ではなくなり、若い男(野崎訳では「青年」)となっている。もしサリンジャーが意図的にそのように書いたのだとすれば、死んだのは誰なのか。自殺ではなく他殺なのか。だとすれば、誰が誰を殺したのか。ここから著者の壮大な旅が始まる。
    本書はあまり一般向けとは言いがたい。本というより論文である。主題その

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    2023年04月15日
  • 謎とき『ハックルベリー・フィンの冒険』―ある未解決殺人事件の深層―

    購入済み

    読書の楽しみが増す

    「“父殺し”という観点で読み直してみると、秘められたトウェインの驚きの過去が露わとなる―」・・・・・・逆じゃないでしょうか?トウェインが経験したことを踏まえた上で、『ハックルベリーフィンの冒険』や前後に書かれた作品を精読すると、”父殺し”という隠れ主題が見えてきます、っていう感じだと思います。よくこれだけ読み込むことができるものだと感心します。(たまに、え~って思うこともありますが)こういう読み方があったんだ、とか、スルーしてたなあ、って気づかされるのは楽しいものです。『サリンジャー』もいづれ購入します。

    #タメになる #深い

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    2022年10月26日
  • 謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―(新潮選書)

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    推理小説のように「誰なのか」がわかるわけではない。ただ、文学にはそういう世界の構築ができるわけで、こういう読み方も理解はできる。というか、そういう、言わば日常にへばりついた常識に囚われすぎた理解の基準を変えていくべきなんだろうな。明快にすっきりわかる、というより、そうした深い理解を要求していく一冊。サリンジャーに興味がなくても、文学に興味のある人なら面白く読めると思う。

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    2021年12月13日