アリアナ・フランクリンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
12世紀シチリアの女医アデリアがイングランドで活躍するミステリの2作目。
冒頭に犯人がちらつくのは1作目と同じ。しかし全く予想がつかない展開で、ついつい一気読み。
前作で恋仲となったのに別の道を進んだアデリアとロウリーの関係も気になる。
また、お守り(1作目で活躍した犬)亡き後も、また臭い犬が出てきます。あまり役に立たないけど、つねにアデリアについて回るその健気な姿は、酷い事件の中では癒しです。
とにかく登場人物の個性が前作よりもさらに際立っていて、王妃や王の愛妾ロザムンド、さらにはそれぞれの臣下達、どいつもこいつも興味深い。
生き生きとして、なんとも賑やかなミステリです。 -
Posted by ブクログ
下巻。
上巻を読み終わった後、一気に読み終えてしまいました。
怒涛の展開と、事件に迫る主人公の感情が爆発して、上巻とはまた違った展開に。
事件は恐ろしい展開に向かいつつ、まさかの干物女にロマンスが?!
いやー、ちょっと笑っちゃいましたが、彼女は頑張ったので、安易な展開も仕方ないね(笑)
それにしても男性の下半身が良く出てくること。まあ、女性は汚らわしいとされていたキリスト教へのあてつけですかね。
忘れちゃならないのが主人公にいつも付いて行く、ものすごく臭い子犬の「お守り」(犬の名前ね)がコミカル要素を追加してくれて、ほんとに一気に読めました。どんだけ臭いのかよ!って突っ込みたくなります -
Posted by ブクログ
上巻。
12世紀のイングランドを舞台にしたミステリー。最初だけ人物を把握するのにちょっと大変でしたが、シチリアの検死医アデリアがイングランドのケンブリッジに到着する頃には、すっかりハマりました。
幼い子供が張り付けにされ殺された事件。死体を検分したアデリアは恐ろしい暴力の痕跡を見つける。
幼い子供が何人も犠牲になるかなり凄惨な事件ですが、事件そのものと合わせて歪んだ権力をもつキリスト教会やユダヤ人、ユダヤ教への民衆の歪んだ偏見が、牧歌的な風景の中にぶちまけられています。
主人公はユダヤ人に育てられた捨て子で医学へ身を捧げ、シチリアの最も優秀な医者であり、かつ女子力皆無の干物女。医者と言っても -
Posted by ブクログ
中世イギリス・ミステリ2冊目。
アデリアは、女ながらシチリアの大学を出た医者。
事件の調査のために、シチリア王からイギリスに派遣された。
当時のイギリスでは女医など考えられず、魔女扱いされる危険が大きいため、サラセン人の召使いの男性を医者として、自分は通訳兼看護師としてふるまっている。
シチリア帰国をイギリス国王ヘンリーに許されず、一作目に出来た恋人との間の愛娘アリーを一人で育てている。
頼りになる乳母はいるけどね。
アリーの父はロウリー司教。結婚はアデリアが断ったのだが、それを受け入れて去っていったことを怒っている女心。
今回の事件は、国王ヘンリー2世の愛妾ロザムンドの毒殺事件。
王妃エレ -
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12世紀イングランド。
ケンブリッジで起きた連続殺人を解決するために招かれたのは、ナポリのシモンで通る調査官と、検死を専門とする女医のアデリアと、その従者のサラセン人マンスール。
十字軍の時代に目立つ三人は薬売りとして旅をし、アデリアは娼婦と誤解されたりする。
修道院長の紹介で、沼沢地の出身で料理のうまい老女ギルサに世話をして貰い、その孫でみすぼらしいがじつは利発な少年ユルフとも次第に仲良くなる。このコンビがいいですねえ!
小さな女子修道院の院長はやり手で、最初に殺された少年を聖ピーターとして遺骨を祭り、訪れる人々から金を集めていた。
女は封印してきたアデリアが、異国の地で惹かれた男性は…?
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Posted by ブクログ
アデリアシリーズ3作目です。
今回も残虐行為有り。
アデリアも相当酷い目に遭ってます。
宗教裁判にかけられそうになって住み慣れたケンブリッジを追われるわ、
またもやヘンリー王から無茶振りされるわ。
嘆いたり癇癪を起こしたりと感情的にはなりますが、
決してブレない命に対す真摯な態度が救いになっています。
前作までと雰囲気がちょっと違って感じるのは、
アーサー王伝説が絡んでいるせいですね。
伝説に彩られたキリスト教の聖地というロケーションに加えて、
夜毎アデリアの夢に現れる意味有りげな啓示(?)。
アーサー王に関しては、
まだいろいろ謎だと以前読んだ記憶がありましたが、
あとがきによると結構 -
Posted by ブクログ
アデリアシリーズ2作目です。
前作から1年。
娘が生まれて、アデリアは母親として幸せに暮らしていましたが、
またもやヘンリー王(ロウリーか?)に引きずり込まれて、
恐ろしげな事件の渦中にどっぷり。
医者として女性として際どい立場の自分自身だけでなく、
今回は娘の安全にも心を砕かねばならず、発狂寸前です。
なにしろセクハラのオンパレードで、
現代人の感覚で読んでるとかなりストレスが溜まります。
息子をそそのかして謀反を企てている王妃エレアノールが容疑者のため、
あわや再び戦乱の世になるのかという危機感から、
ロウリーは勿論、アデリアまで駆り出される訳ですが。
なんだろなぁ〜。
結局、国民を巻 -
Posted by ブクログ
女性の検死官が連続殺人事件を解決するミステリー、と書くとパトリシア・コーンウェルのシリーズを連想するが、こちらは12世紀のイングランドが舞台。その点だけでも充分ユニーク。
時代が時代なだけに捜査や検死の方法に多少迷信じみた要素が入るかと思いきや、そこは想像していたよりも現実的で、むしろ現代小説を読んでいる感覚に近かった。
もちろん風俗習慣、思想、時代背景は12世紀のそれが鮮明に描かれているので、現代小説を読む感覚で時代小説を読むという不思議な読み応えを感じた。
子供を餌食にした犯行も残酷だが、当時まかり通っていた迷信や無知、差別もまた別の意味で残酷なので、現代が舞台の犯罪物を読む時より精神的 -
Posted by ブクログ
12世紀の女医アデリアの活躍を描く歴史ミステリ。
3冊目。
いよいよ面白いです。
前作から4年。
アデリアは幼い娘のアリーとその子守となったギルサ、子供の頃からの用心棒でサラセン人のマンスールと共に、村に落ち着いていた。
ところが医療で人気を得たのをねたまれ、宗教裁判所に狙われたと知って、急ぎ移転することに。
その途中、友人エマが、幼い息子と一緒に、亡き夫から受け継いだ領地へ向かうのに一緒になります。
イタリア生まれで、当時のヨーロッパでは最先端の教育を受けた検視医アデリア。
アデリアの目から見ると、女性の医者など魔女として焼き殺されかねないイングランドは野蛮な地。
ヘンリー王は領土を拡大 -
Posted by ブクログ
さて、下巻です。
上巻最後にシモン殺害というショッキングな事件が起こりましたので、
その遺体を検死するところから始まります。
なぜそう思えるのか理解に苦しむところですが、
自分たちは安全だと信じて疑わなかったアデリアは、
かなり動揺しています。
事件の様相も、どんでん返しの連続で意外な展開となります。
疑わしかった人物も実は・・・。
そして満を持して登場したあの人が、
そもそも何故アデリアが派遣されることになったのかを語ります。
残酷な場面もいくつかありました。
擬音語・擬態語のたぐいや直接的な表現はそれ程でもありませんが、
充分想像できる程度に表現されています。
上下巻通して、
この -
Posted by ブクログ
舞台は1171年のイギリス。
主役はアデリア。
イタリアからやって来た検死を専門とする女医です。
故郷のサレルノでは裕福な生活と地位が約束されていたのに、
王命により遠路はるばるイギリスはケンブリッジに来る羽目に。
そこは女性の地位が低く、医者であることも検死をすることもタブー。
発覚すれば魔女の烙印を押されて死刑もありえる。
ひとりで散歩していたらレイプされてもおかしくないという、
現代人には信じられないようなスリリングな状況に陥ります。
そして仕事は子供ばかりを狙った連続殺人事件の被害者達の検死。
この時代に科学捜査はありません。
ハエのたかる腐乱死体と格闘しながら状況証拠を積み重ねていき -
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