中島恵のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日本国内の中国人に対する冷静なルポ。
日本のさまざまな分野で中国人が必要不可欠な人員とされているのは必然性がある。昔の日本人のようなハングリー精神がある。問題は、数が多くなると遵法精神が乏しい人が多く出てくること。光と影、両面よく見ていると思う。
さて、ではどう対応するべきか。やはり、真面目に働く人と、犯罪を犯す人を峻別することは当たり前。その上で、犯罪行為ではないが、中国式がまかり通るものと思っているために起こる摩擦にどう対処するかですね。光を見る人は融和を求めるし、影を見る人は強硬な排斥を求める。どちらも取れないのなら、一旦はこれ以上増えないようにし、今いる90万人の中国人といかにうまくやるかを試行錯誤するのがいいかなと思った。 -
Posted by ブクログ
仕事で何人かの在日中国人の方と接する機会が出てきましたので、本書を手に取ってみました。
基本的にはエピソードを集めたものであり、何らかの分析・結論があるわけではないのですが、日本にいる中国人が、中国本土からどのように見えているのかは興味深いです。
また、話には聞いていましたし、有名中高の文化祭に見学に行った際も感じましたが、中国人の教育熱が高いことも理解できました。
もっとも、逆に中国本土の過酷の受験競争からある意味「降りる」ために日本に来るケースもあるようで、その辺りの視点は今までなかったので興味深かったです。
ちなみに、私が接している在日中国人の方を見ていると、中国本土の人(あるいは日本に来たばかりの中国人)に比べると穏やかに感じられ、日本人的な感覚にも理解はある一方で、ビジネスには貪欲で勤勉という印象があります。 -
Posted by ブクログ
アラフィフ以上の日本人は、中国というと、どうしても人民服を着た自転車の大群のイメージを捨てきれないのではないだろうか。今やGDPは日本の3倍、眠れる獅子は超大国の座を取り戻した。
日本に住む中国人は高知県の人口に匹敵するが、日本の社会に溶け込むというよりは、自分達のコミュニティをどんどん拡大して、あちこちにリトルチャイナが構築されている感がある。
いつか日本は中国に乗っ取られてしまうのでは?と驚異に感じる日本人もいるだろう。しかし、この本を読むと、あまりにも変化の激しい中国の現状や中国人(と言っても様々な階層があり一括りにはできないが)の考え方、受け入れる日本側の問題にも触れることができる。
メディアによる断片的な情報を鵜呑みにせず、隣人としてお互いに生身の人間として理解し合おうとする姿勢が求められている。
日本と中国の差はまだ広がるだろう。しかし経済的繁栄だけが全てではない、日本の若い世代は多様な価値観を持つ、経済力でもう一度世界に存在感を示したいのはシニア世代だけではないだろうか。日本は違う道筋を見つけることも出来ると思う。2019.5.30 -
Posted by ブクログ
一時期と比べると日中の関係もずいぶんとよくなった。中国に精通したフリージャーナリストの著者が紹介する中国の最新動向。同じ職場の人の発言が少しだけ紹介されている。
2018年6月に上海に行ったのだが、QRコード決済を始めスマホをフル活用したサービスが非常に便利であることを実感した。誰もがQRコード決済を使うようになると、それを前提に社会が動くことでそれまで思ってもいなかったところで使われるようになる。実際に体験したものとして、レストランのテーブルに付いているQRコードを読み取ると、メニューが出てきてそこから選ぶと、そのテーブルにオーダーしたものを持ってきてくれる。すでに決済は済んでいるので食べ終わったら出ていくだけ。ユーザも便利だし、お店でもレジやオーダー取りの人件費を減らせるし、回転数も上げることができる。同じように新幹線の肘掛にQRコードがあり、それを読み取ると車内販売メニューが出てきて、オーダーするとワゴンで自分の席まで運んでくれる。日本の新幹線のようにワゴンが来るのをじっと待っている必要はないのだ。当然、決済は済んでいて品物を受け取るだけ。スーパーもQRコードで読み取ることで無人レジになっているし、自販機もQRコードになっているおかげでお金の回収やお釣りの補充も必要ない。お金が入っていないので盗難リスクも少ない。外国人はパスポートを見せる必要があったが、中国人は新幹線のチケットもスマホだけで乗れるらしい。中国でQRコード決済が流行った理由として、お札が汚かったり、偽札が出回ったりといったことが理由として挙げられて、日本では流行らないといったようなことが言われるが、使ってみるとああ単に便利なんだと感じた。本書では偽札問題の解消がQRコード決済の最も大きな効用かもしれないと書いているが、長期的に見た場合はおそらくはそれは背景のひとつにすぎなくなっているのではないかと思う。
今、中国ではスマホが欠くことのできないインフラとして動いているのだ。
本書でも紹介されているが、2017年3月の段階で、WeChat Payの利用者が約8億3千万人、AliPayの利用者が約4億人と言われている。スマホ決済額は600兆円にまで届くらしい。
QRコード決済に加えて、さらに大きな変化が芝麻信用による信用システムである。AliPayが自社決済システムの利用履歴等から独自の信用スコアを付けており、そのスコアにより保証金がなくなったり、合コンの参加資格になったりといったことが起きているらしい。おかげで中国人のマナーがよくなったという噂だ。ポイント付与にも便利で、店員へのチップとして例えば三元渡すと十元の金券がキックバックされるなど店員のモティベーション向上にも使われているらしい。
中国からのインバウンド消費の移り変わりにも触れらている。当初、爆買いをしていた中国人の好みも多様化し、日本に求めるものが癒しになっていたりするらしい。和歌山県の高野山などが人気らしい。
また、稲盛和夫の盛和塾が中国の企業家の間で人気で、勉強会もよく開催されているらしい。
一人っ子政策からの転換と人口構成問題、男女比と結婚問題、都市戸籍の問題、地価高騰、などの問題にも触れられる。
隣国中国については変なわだかまりなく、当たり前の敬意と誠意をもって付き合っていかないといけないのかなと思う。 -
Posted by ブクログ
■日常生活のインフラの質はそこで暮らす人々に大きな影響を与える。
・日本ではよく「中国人はマナーが悪い」といわれるが,私の実感でいえばマナーは社会を支えるインフラの質に大きく影響される面もあると思う。
・水道の水が出ないから手も洗わないし,いつもテーブルが汚れているから,自分も汚く使っていいと思ってしまう。
・中国人の家庭に行くとトイレはとてもきれいにしてある。
・中国人と日本人は生きている「日常」が最初から異なる。
・生活環境の違いによって,人間の行動は大きく違ってきてしまう。
■中国が日本と大きく異なるのは社会のシステムが殆ど整備されていないということ。交通・公共インフラだけでなく,教育制度も戸籍制度も殆どすべてのものがそうだ。
■中国人とその社会システムは「相互不信関係」にある。 -
Posted by ブクログ
ニンゲンに対する見方が フェアーなんですね。
やわらかく、見つめようとする。
当然、爆買い現象も 一時的なことで、
もっと落ち着いた 中国人の日本での行動が
でて来るのだと思う。
そんな中で、中国人が 日本の何をみようとしているのか?
という視点で 素直に まっすぐ見つめる 視線が
柔らかく、頼もしい。
こういう日本人ばかりだと、争いも諍いもなくなるのだろう。
中国が 経済的に減速し、新常態になったいま
『心の豊かさ』が 大切になってくる
というか、モノで囲まれた時代から
変化が始まるのだろうね。
情報が 溢れ出るような中で、
現実に自分の足で歩いて、新しいものに出会い
さらに 新しいものを求めようとする時に
『こころの安らぎや癒し』が 目の前に迫って来るんですね。
それにしても、中国の急速なスピードに対して
日本人は 戸惑いながらも、不思議な中国人を
包み込む おおらかさが 鍛えられていくのだろうね。
人間的に 中国人に寄り添う姿勢が何よりも尊い。 -
Posted by ブクログ
これだけ中国人が増えると自然とそうなるよね、という感想。彼らの行動は問題含みなのかもしれないけど、世界各地に古くから閉鎖的な華僑コミュニティーがあることを考えると、日本だけ現地住民に溶け込んで日本人化していくことは考えにくい。以前少し滞在していたバンコクでもそうだった。
第5章にあるように今住んでいる江東区には確かに中国人が多い。江東区といっても有明のタワマンではなく深川地区の下町なのだが、スーパーや街なかで中国人を見ない日はない。かれらは常に大声で話しているからすぐわかる。地区によるのかもしれないが5位の板橋区の比ではない。みんなきちっとした身なりで、一体どんな資格で何しに日本に来ているのか不思議だったが、この本を読んでその一端を垣間見れた。まだ知らない世界の方が多いのだろうけど。 -
Posted by ブクログ
中国人が日本を訪れたり、留学したり、不動産を買うのには理由があった。
安全保障に関わる土地を買収したり、医薬品を爆買いしない限り、日本で商品やサービスにお金をジャンジャン使ってもらうのはいいことだ。
コロナ禍を経て、「くまのプーさん」揶揄されるあの人が支配する中国共産党のやり方に、息苦しさと将来への不安を覚え、日本にやって来る中国人がいる。
中国語に「ツァンツァンジアマー」という言葉がある。
中央の指示が1回なら、その下は2回、さらにその下は3回というように、下へ行けば行くほど、どんどん(締め付けは)厳しくなりますと、ある中国人がコロナ禍での出国審査の状況を語った。
日本は安全で住みやすい、自由がある、チャンスを得る可能性がありなど、中国にはないものを求めている中国人の姿があった。
ネットで中国共産党やあの人のことを批判するだけで一生券になって削除したり、NHKニュースで天安門事件を報道すると突然映らなくなるなど、何があるかわからない。
そんな所で暮らしていたら息が詰まって「脱中国」を夢見ても不思議ではない。 -
Posted by ブクログ
海外からの観光客が来るようになり、都内やこの前参拝した長野市内にも姿を見ることがある。
中国人観光客に関しては、大陸からやって来る人に関して検査を厳重にする措置などで、コロナ以前のようにはいかない。
それでも中国人富裕層は、日本に一体何を求めてくるのか知っておいてもいいかなと思い、今回の本を読んでみた。
中国人観光客による「爆買い」が話題になっていた。
しかし、「モノ消費」から「コト消費」へと変化してきている。
団体旅行では行けない自分の好きな所へ行き、美味しいものを食べたり、評判のホテルや旅館に泊まったりすることに、お金をつかうようになっているそうだ。
そう言えば、秩父にあるパワースポットで有名な「三峯神社」行きのバスのアナウンスは、日本語、英語、中国語、ハングルと4ヵ国語だ。
見たことはないが中国人も訪れるのかな。
日本人が思っている中国人像は古いままだ。特にメディアが取り上げる中国人は、マナーが悪い、穴にハマって抜けなくなるといった面を好んで報じる。
中国は人口も多ければ、住んでいる地域も多様で平均的な中国人で把握するのは難しい。
中国人富裕層は、100万ドル以上の投資可能資産を有する世帯を指す。
富裕層は、個人で旅行して、いろいろなことを体験するのが好きだ。
マニアックな旅行を楽しむ「旅の達人」が増えていくのに比例して、彼らはうんちくを語りたがるようになってきたそうだ。
ありふれた光景や農村は、コト消費の楽しみに生りうると述べている。
長野日報の報道によると、長野県伊那市では「農家宿泊」を行っていて、海外からのインバウンドにも力を入れている。
2016年は78団体、1900人を受け入れた。
中国、台湾やシンガポールからの観光客が多くやって来る。
日本人でもなかなか訪れることのない所に行き、体験して日本に対してより興味を持ってもらえるのはうれしいことだ。
2018年に発行された本だが、今読んでも興味深い。