中島恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中国に住む中国人、日本に住む中国人、アメリカに住む中国人へインタビューした内容をまとめた本。実際にここ数年の中国の発展は目覚ましく、日本よりも進んでいると感じる点もいくつかある。だが戸籍の種類や不動産の購入など、中国独自の制度により国民全員の差別意識を無意識に強め、自らの首を絞めている。インターネットの発達により、諸外国を批判し自国を称賛する行為に拍車がかかってしまったことも虚しい。心の底から自国に満足していれば、大声で叫ぶ必要はないのではなかろうか。本書は一部の人間への限られたインタビューであり、全中国人の意見を示したものではないことは分かっているが、強がる態度の裏側に潜む怯えや恐怖、自国への自信の無さを感じた。周りの国々と協力しながら仲良く平和的に成長していける日が来るのは、まだ当分先になりそうだ。
以下本書より抜粋。
「何を洗脳と定義するのかで変わってくるのでは。日本人だって日本のメディアにしっかり洗脳されていると思いますよ。洗脳されていることに気づかない、日本のメディアにまったく疑問も持たない。それこそが洗脳です。」 -
Posted by ブクログ
・中国人は中国のことをどう思っているか書かれた本。
・西側の人の一部は「抑圧されているかわいそうな中国人」と思っているかもしれないが、満足している人も多い。徐々に豊かになっているから。
・選挙で政権を選択するという政治制度が実質的に存在しない中国では、かえって世論の支持を得られなければ、政府の正当性について国民から認められていないということになるので、世論を気にしている。
・コロナを抑え込むことで自信がつき、アメリカと同等になったという自負がある。日本は中国より下と見る人が増えた。
・かつては中国製は、ダサいし、品質もよくないというイメージだったが、今は真逆。日本人のように安値にこだわらず、いいものは高くて当然と思っている。
・今の中国ではSNSで発せられる声があまりに大きすぎて、コントロールするどころか、騒いだもの勝ち、目立ったもの勝ちとなっている面がある。そのような国で情報統制が全面的に悪いと言い切れない面もあるのでは?と考えている人もいる。 -
Posted by ブクログ
ドラマ通のカミさんによると、
韓国ドラマも欧米ドラマも面白いけれど、
中国ドラマが超絶面白い、特に中国俳優のイケメン度、美人度はハンパない、と言う、、。
その言葉に触発されたわけではないが、
中島恵の「いま中国人は中国をこう見る」を読んだ。
著者は中国の大学に留学し、何年か現地で生活した後、フリージャーナリストとして、一般の中国人の本音や身近な話題などをテーマとした本を書いている。
知り合いやその友人など、権力者ではない普通の中国人へのインタビューを積み重ねて、現代の中国を探るという手法。
本著はコロナ禍以降にインタビューした最近の動向。14億人もいる中国なので総意を探るにはデータ量は少ないが、この様な本はあまり無いので興味深い。
中国は不思議な国だ。政治的には全く理解できないが、文化や歴史となると途端に興味津々となる。10年前に北京、上海、深圳、香港に旅行した時は、深く深くこの国を知りたいと思った。
しかしその後、日中関係は著しく悪化してしまって、コロナ禍も相まって疎遠な国となるばかりだった。
本当に現地の中国人の多くは、心底日本やアメリカを憎んでいるんだろうか、現政党支持なんだろうか、海外の情報から全く遮断されているのだろうか、などなど常々疑問に思っていた。
本著はそういう疑問へ少なからず答えてくれる。データ量が少なくて信頼できないとか、恣意的に人を選んでいるかもしれないとかいう意見もあるが、
直に市井の人の話を聞いて取材するスタイルは私は好きで、その様な本は好んで読んでいる。 -
Posted by ブクログ
情報統制によって壮大な国民洗脳が行われているかのような印象を受ける中国だが、政府を代表するような立場ではない普通の中国人の本音はどういうものかが本書には記されているという。統計的に処理されたものではなく、著者が知り得たエピソードの集積なので、どこまで中国人の意見を代表するものかは分からないし、そもそも十億人以上もの人口を抱える中国人について、平均や代表を考えること自体が無意味なのかもしれない。ただ、ここに紹介されている一つ一つの意見は、中国人を代表するものではないとしても、そういう意見を持っている人がいるということは示していて、逆に言えば、中国人と一つに括れるほど一様な考え方ではないことも示している。もちろん、日本人だって一様ではない。その点、政府がいかに一つの考え方を広めようとしても、そう簡単にはいかないということなのだろう。ただ、中国的な統治のためには、プロパガンダや強権が必要と中国政府が考えていることは間違いないだろう。
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Posted by ブクログ
なんで持たないのかっつうと、現金は偽札が多くて信用できないし、何もインフラがなかったからこそスマホ決済が一気に普及した。
これがまた、他人を信用し、他人に信用されることへの価値を生み、良い方向に回っていると。
まあ、それはそうなんだろうし、著者が自分で何度も中国に行って肌で感じた内容でもあるから一面、中国が「普通の国」に向かいつつあるというか、日本人から見て普通の人が増えてきたのも間違いはないんだろうな。
10億人のうちの何人か知らないけど。
上に政策あれば下に対策あり。
しかし例えばそのネットが、強烈な監視社会を生んでいることも間違いないし、現在、個々人がその中で思われている以上に自由に発言できているとしても、ある一瞬でそれが地獄に変わる可能性を全く無視してるよね。
著者と、意見は合わないな。 -
Posted by ブクログ
タイトルにありますが、実際に中国に行ってみると、中国人はなぜ財布を持つ必要がないかがわかります。その答えは、お金を持たなくとも、スマホに電子マネー(We chatか アリペイ)があれば、支払いに困ることは無いからです。
驚くべきことは、この変化はせいぜい、2016年頃から起きたことで、それまでは日本と変わらない生活か、日本よりも手間のかかることが多かったと思います。偽札が多いため、差し出した紙幣は、どこへ行っても偽札チェックがあるからです。今では、このような目に合うのは、今も紙幣を使う、外国から来た旅行者がメインでしょうね。クレジットカードよりも時間がかからず楽です。
私の勤務する会社は5年ほど前からアジアの本社が事実上、シンガポールから上海に移ったので、アジアでの会議といえば上海に行っていましたので、この5年間の変化がよくわかります。毎年2回は行っているのですが、それでも変化は毎回感じます。
つい最近まで、中国はバブルで崩壊するかも、という本も出ていましたが、中国は政府のトップがよく研究していて、経済がどんどん発展する仕組みを考えているようですね。羨ましい点であります。
以下は気になったポイントです。
・スマホの普及当初は、ウィーチャットやショッピングなどに活用する人が多かったが、2014年にテンセントがウィーチャットペイ(徴信支付)という第三者決済サービスを開始すると、ウォレット機能を使って決済するようになった、これによりスマホは「財布」となり生活必需品となった(p27)
・スマホ決済の最大の利点は、屋台などの場合、利用者双方に手数料が発生しないこと、またクレジットカードのように読み取り端末を置く必要もなく、小規模な店舗は経済的負担が少ない、ただQRコードを用意すれば、その場で入金確認ができる、銀聯カードよりも便利(p29)
・お金は日本人にとっては大事なものである、そのお金はきれいな袋で渡したいという気持ちがあるが、中国には結婚式のお祝い用の「真っ赤な袋」はあるが、普通の生活では殆ど使用しない(p42)
・賄賂が渡しにくくなった、のもスマホ決済による効果である、現金は痕跡が残らないが、スマホ決済なら残る(p47)
・スマホ決済により、中国はこれまで実現できなかった、騙されにくい社会、に向かいつつある(p50)
・アリペイの仕組み、まず消費者が商品を注文、スマホからアリペイに代金を支払う、アリペイは販売者に注文連絡をして商品を発送、消費者は受けとると問題ないかを確認して、アリペイに連絡、購入する場合はアリペイから販売者へ代金支払われ、不満なら返品とともに代金もアリペイから戻る(p52)
・芝麻信用は、保証人制度に代わる自分を助ける画期的な評価基準になりえる(p61)
・5Sに加えて、安全(Safety)を加えた「6S運動」に取り組んでいる(p136)
・2015年末、中国政府は79年末から、36年間続けてきた「一人っ子政策」を廃止し、すべての夫婦が二人以上の子供をもてるようにする、という政策転換をした。13年には夫婦どちらかが、一人っ子ならば二人目を認める、という政策の効果がなかったから。1987年より出生数は落ち込み、2015年には合計特殊出生率は「1.05」日本の 1.46よりも大幅に下回る。2011年まで生産年齢人口が増加してきたが、12年に減少、総人口も2020年がピーク(p167)
・中国では、不動産が無いと都市戸籍を持てず、子供の戸籍、教育にも支障が生じるので、中国の都市部では一人の子供を産むことも難しい(p178)
・日常生活のインフラの質は、そこで暮らす人々のマナーに大きな影響を及ぼすだろう、スマホでスマートに生活できるようになり、社会全体のインフラも整いだした。特に、上海のショッピングセンターのトイレは2014年と16年で見違えるほど(p197)
2018年4月30日作成