タイトルにありますが、実際に中国に行ってみると、中国人はなぜ財布を持つ必要がないかがわかります。その答えは、お金を持たなくとも、スマホに電子マネー(We chatか アリペイ)があれば、支払いに困ることは無いからです。
驚くべきことは、この変化はせいぜい、2016年頃から起きたことで、それまでは日
...続きを読む本と変わらない生活か、日本よりも手間のかかることが多かったと思います。偽札が多いため、差し出した紙幣は、どこへ行っても偽札チェックがあるからです。今では、このような目に合うのは、今も紙幣を使う、外国から来た旅行者がメインでしょうね。クレジットカードよりも時間がかからず楽です。
私の勤務する会社は5年ほど前からアジアの本社が事実上、シンガポールから上海に移ったので、アジアでの会議といえば上海に行っていましたので、この5年間の変化がよくわかります。毎年2回は行っているのですが、それでも変化は毎回感じます。
つい最近まで、中国はバブルで崩壊するかも、という本も出ていましたが、中国は政府のトップがよく研究していて、経済がどんどん発展する仕組みを考えているようですね。羨ましい点であります。
以下は気になったポイントです。
・スマホの普及当初は、ウィーチャットやショッピングなどに活用する人が多かったが、2014年にテンセントがウィーチャットペイ(徴信支付)という第三者決済サービスを開始すると、ウォレット機能を使って決済するようになった、これによりスマホは「財布」となり生活必需品となった(p27)
・スマホ決済の最大の利点は、屋台などの場合、利用者双方に手数料が発生しないこと、またクレジットカードのように読み取り端末を置く必要もなく、小規模な店舗は経済的負担が少ない、ただQRコードを用意すれば、その場で入金確認ができる、銀聯カードよりも便利(p29)
・お金は日本人にとっては大事なものである、そのお金はきれいな袋で渡したいという気持ちがあるが、中国には結婚式のお祝い用の「真っ赤な袋」はあるが、普通の生活では殆ど使用しない(p42)
・賄賂が渡しにくくなった、のもスマホ決済による効果である、現金は痕跡が残らないが、スマホ決済なら残る(p47)
・スマホ決済により、中国はこれまで実現できなかった、騙されにくい社会、に向かいつつある(p50)
・アリペイの仕組み、まず消費者が商品を注文、スマホからアリペイに代金を支払う、アリペイは販売者に注文連絡をして商品を発送、消費者は受けとると問題ないかを確認して、アリペイに連絡、購入する場合はアリペイから販売者へ代金支払われ、不満なら返品とともに代金もアリペイから戻る(p52)
・芝麻信用は、保証人制度に代わる自分を助ける画期的な評価基準になりえる(p61)
・5Sに加えて、安全(Safety)を加えた「6S運動」に取り組んでいる(p136)
・2015年末、中国政府は79年末から、36年間続けてきた「一人っ子政策」を廃止し、すべての夫婦が二人以上の子供をもてるようにする、という政策転換をした。13年には夫婦どちらかが、一人っ子ならば二人目を認める、という政策の効果がなかったから。1987年より出生数は落ち込み、2015年には合計特殊出生率は「1.05」日本の 1.46よりも大幅に下回る。2011年まで生産年齢人口が増加してきたが、12年に減少、総人口も2020年がピーク(p167)
・中国では、不動産が無いと都市戸籍を持てず、子供の戸籍、教育にも支障が生じるので、中国の都市部では一人の子供を産むことも難しい(p178)
・日常生活のインフラの質は、そこで暮らす人々のマナーに大きな影響を及ぼすだろう、スマホでスマートに生活できるようになり、社会全体のインフラも整いだした。特に、上海のショッピングセンターのトイレは2014年と16年で見違えるほど(p197)
2018年4月30日作成