伊賀公一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
色覚と言うのは血液型と同じようなもの。
持って生まれた型を変えることは出来ないし治療すべき対象でもない。
色盲・色弱の人が、どのような世界を見ているのか、
口絵のカラー写真でまず驚く。
考えてみれば「赤」と一口に言っても、
自分が見ているものと人が見ているものが同じとは限らないし
それを知ることもない。
え?その差がどうやって分かるの?という疑問はとりあえず置いとくとして(笑)
この本からは色々なヒントが見えてきた。
「言葉と実態」な哲学的な問題やら就職や結婚に関する差別問題に留まらず、
むしろもっと実用レベルの公共デザインの問題なのだ。
信号の色や交通標識など生死にかかわるもの
テレビやトイレの空き表示や仕事で使う付箋など生活しやすさにかかわるものなど
「色のバリアフリー」の視点から考えなおしたい事柄は山ほどある。
自治体や企業の意識の変化と行動が伴うことで改善のスピードは加速される。
そして何かを変えていく、生んでいくのに必要なのは、
色覚のタイプにかかわらず、
その人の中の好奇心やフットワークや考え方や能力知識で
動くことから、それに応えるように様々な縁や運が
呼び寄せられ巻き込まれていくんだなと思った。
カラーコーディネーター1級の試験の件は読んでいてトリハダが立った。 -
Posted by ブクログ
ピクトグラムは東京オリンピックのとき日本人の手によって生み出された。そのピクトグラムは今やありとあらゆるところで使われ言語を超越したコミュニケーションとして世界を変えたといっていい。単一民族でグローバル感覚に欠けると非難される日本人だが、真のユニバーサルデザインを作り出せるのは相手を慮る精神が根付いた日本人なのかもしれない。
私も色弱だ。筆者ほどではないにしろ稀に色の見え方に戸惑いを感じることがある。特に小学生時代の色覚検査の医師の反応は軽いトラウマでもある。とはいえ自分が色弱常であることを知れたことは良かったし違いを知っているからこその心的負担も軽い。
筆者は色弱で理系の道が途絶えたにも関わらず重い雰囲気はなく、コミカルで明るく軽やかな文体で色弱について学ぶことができる。「病気ではないから直すのではなく違いを認め配慮する」というCUDの精神はもっと世の中に広まってほしいなと切に願う。