川淵三郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
サッカーファン、バスケファンの方、そうでない方にも、万人にオススメできます。
ガバナンスが出鱈目だったバスケット協会の立て直しのくだり、“「バスケットボールがサッカーに乗っ取られる」と言う関係者もいた が 正直「乗っ取る値打ちも無い協会なのに」という気持ちだった” には声を上げて笑ってしまいました。
川淵さんはひじょうにアグレッシブでざっくばらんな方ですが、サラリーマン時代に培った営業能力やビジネス知識と緻密さがあり、且つ人を動かす情熱がある。この方がいなければ今日の日本サッカー界の発展と隆盛は無かったし、決して順風満帆の人生では無いけれど経験と確固たる信念が超超スピードでのバスケ統一Bリーグ創設に繋がったのがよく理解出来ました。読んでいてこちらまで活力が湧いてくるような熱量でポジティブマインド全開になれる本。 -
Posted by ブクログ
これはいい本だ!
川淵さんはもちろんJリーグ含めて様々な実績がありますが、色々メディアでも批判される事があるし、自分の中であまり評価が定まっていませんでした。
しかしこの本は明快!そして川淵さんの考え方に超共感!
この人の言う事、本当に正しいわ!
特にこの本で、繰り返し力説されているのが「揺るぎない理念」について。
個人のことであれば「信念」でよいと思うが、組織の場合は、それら信念を共有化させる「理念」が必要。
そして、それは決して揺らいではいけない!
さらに言うと「Jリーグを成功させよう」とか、そんな小さなことや目先の事ではいけない。
より大きなもの、そして深いものが必要なのだ。
こういう考えに至ったのは、川淵さん自身が選手時代、海外ドイツ遠征した際に見た市民スポーツの光景が強烈に目に焼きついてしまったこと。
この光景を実現させるために人生を生きることを決心する。
つまり「生き様」「信念」を、組織の中で部下に見せ、それらを「理念」に昇華させていく。
川淵さんが「揺らがない」理由が分かるし、だからこそ部下もついてくる。
リーダーはこうあるべきですな。
冷静に考えて、よくこの短期間にバスケリーグの統一まで実行できたと思う。
日本のバスケ協会の問題点はかなり根深く、今まで誰一人この問題を解決できなかった。
そして「国際大会出場停止」という、先進国ではありえないペナルティまで課せられてしまった。
(これは相当「恥」なことなのです!)
このエピソードの中で、統一化に向けたバスケ協会の役員との会議中に、全員に向かって大声で怒ったことが一度ある、と本に記されている。
非常事態にも関わらず、今でも自分の利益を優先する者、立場を守ろうとする者が多かった事だ。
全員に向かって「この体たらくは何だっ!」と怒鳴ったそうだ。
「本当に選手の事を考えているのか?」
「本当にバスケを愛するファンの事を考えているのか?」
「スポーツの未来の事を本当に考えているのか?」
「一刻の猶予も許さないこの段階で、手前(てめえ)の利益を優先させるとは何事かっ!」
いや~、この光景、目に浮かぶ!
当社も全く同じ状況。
社会情勢&会社業績を考えると、一刻の猶予もないはず。
さて、川淵さんは今こそ「独裁力」が必要と説いている。
「揺るぎない理念」をきちんと示せるリーダーが、私利私欲を捨てて「独裁力」を発揮することが大事と説く。
確かにもう、現場レベルで解決を目指すのは限界に感じている。
真の「独裁力」を持つリーダーを作ろう!
そんな事を感じたのでした。
(2016/10/20) -
Posted by ブクログ
この人は本当にスゴイわ。
80歳を超えても、なお人に求められているのがスゴイ。
結局、様々な問題、特に組織や人に関する問題を、川淵さんしか解決できないってこと。
これは「権力の乱用」に感じる人もいるだろうが、決してそうではない。
この本&前著の「独裁力」(幻冬舎新書)でも読み取れる。
とにかく「きちんとブレない【芯】がある」のだ。
これはどこでも言われていることであるが、本当に本当に大事。
簡単なようで、これが一番難しい。
そして、リーダー論として本質なのだと思う。
相当に強い信念がないと、芯はすぐにブレてしまう。
特に他人から批判されてもブレないのは、メンタルの強さの問題ではない。
そもそも強力な信念(つまりこれが「芯」)を持っているのかどうか。
信念(=芯)無きままリーダーに出世した人の部下ほど不幸なものはない。
そういうリーダーこそ、既得権益に固執し、自分のポストを受け渡さないからだ。
そんなリーダーはドンドン引きはがして、組織のため、そして日本のために何をすべきか?
川淵さんは、実行力ももちろんあるが、この手のリーダーに共通して非常に勉強家。
だからこそ、サッカー以外のスポーツについても改革を進められるのだろう。
80歳を超えても、日々勉強しているのがスゴイ。
目指すべきはこういう姿勢なのだと、改めて思う。
(2018/8/15) -
Posted by ブクログ
ネタバレ第1章から第3章までは、Bリーグ立ち上げまでの経験談である。題名の「独裁力」にジャストフィットするのは、第4章である。実のところ、第3章までは、題名から期待した内容ではなかったため、裏切られたような感想を持ちながら、読み進めた。第4章では川淵さんのリーダー論が十分に書かれているので、飽きずに読み進めて欲しい。書かれていることは、「リーダーのための自己啓発本」にも載っている内容と言ってしまえば、おしまいだが、川淵さんを想像しながら読むと、説得力があり、頭にもすんなり入ってくる。「リマインド」も含めて、読むことをお勧めしたい。
前の上司に似ているな、と思った。ある時、彼の意見に反対するものが10名いたが、完璧な理論武装で、一人一人論破していった爽快な光景が思い出された。また、ある時は、自分のクビをかけて、経営層に「間違っている」と意見した。まさに「私利私欲のない人」である。さらに、川淵さんが言っている「観察力」も持ち合わせており、まだ数回しか会っていないにもかかわらず「君は疑り深い、人と関係を築くのにちょっと時間がかかるね」と優しく言い当てられたことがある。こういう人に私もなりたい。
*リーダーには理論武装が必要
川淵さんは「怒りんぼ」のイメージがあったが、そのベースには事前調査・勉強に基づいた理論武装がある。
*インパクトのある言葉で「発信力」を持たせる
・言葉に発信力を持たせるには、まず訴えるべきことをインパクトのある言葉で示し、具体的な説明はその後にする。すると、その言葉で全容が思い出されるようになる。漠然とした長い説明だと時が経つにつれて印象が薄れていくもので、短い言葉で印象づけることで、その言葉が多くのひとの脳裏に刻まれ、継続した思考や努力につながっていく。
・マスコミは良くも悪くも僕の言葉に期待感を持って取材を求めてくるが、実は前もって「こう言おう」と準備したことはほとんどない。我ながら、「よくこんな言葉が出てきたな」と思うことがよくあるが、それは、常にいろんなことを考え、見聞きしているから、ここぞという時に象徴的な言葉が出てくるのだと思う。
・リーダーというのは何があっても「負けてもいいから」とは決して言ってはならない。最初から最後まで一貫して「絶対できる」と言い続けることが重要だ。常に成功を確信していること、また、是々非々をはっきりさせることもリーダーの務めだと思う。
*与えられた人材を生かすためにどうすべきか
誰でも新入社員の時に「怠けて働こう」なんて考えていた人はいないのではないか。「一生懸命会社のために働こう」と思って入ってきている。それが、いろいろな荒波に揉まれやる気を無くしてしまっているのではないか。私は普段、「この人使えないわね」と思うことがあるが、もっと包容力を持って接しなければならないと反省した。
・サッカーでもビジネスでも高い能力を持った人間だけを揃えることは難しい。それに、自分が使いやすい人ばかり集めたとしても、機能するとは限らない。リーダーはそれぞれ個々のレベルの差を乗り越え、多様な人間を一つの組織として束ねなければならない。それにはある種の包容力が必要だろう。選り好みをせず、与えられた人材を最大限に生かして成果をあげることがトップに課せられた責任でもあり、醍醐味でもある。
*「観察力」を養う近道
・組織のコミュニケーションを円滑にするのに、不可欠な要素は何か。僕は、一番大事なのは「観察力」だと思っている。観察力を養う近道は、毎日、部下の動静を具に見ることだ。普段の態度を見ていれば小さな変化も自ずとわかるようになってくるし、組織の異変を察知する能力も磨かれる。部下の表情や態度に変化があるときは必ず声掛けをする。それができていれば困難に陥った時に解決策を見出せるものだ。部下の変化を簡単に見過ごしてしまうような上司では信頼も得られないし、リーダーは務まらない。
・また優れたリーダーは部下の心の機微や好調な時のイメージを覚えておかなければならない。それがあれば、ここぞという時に「あの時できたのだから今度も大丈夫だ」と伝えることができるからだ。具体的な例を出して励まさられれば、部下は「見てくれていたんだ」と安心できるし、やる気も湧いてくるだろう。そう言った些細なやりとりが上司と部下の関係を良好に保つ。何気ない一言で部下が業務に励むようになれば、組織にも活力が出てくる。
・ただし、これもやりすぎたら逆効果になってしまう。ましてや「観察」が「監視」担ったら、元も子もない。見ていないようで、見ている、近いようで遠い、遠いようで近い、絶妙な距離で把握していることが重要だ。
*常に最悪の事態を想定する
・リーダーは常に部下とは異なる目線を持っておくべきだ。物事がうまく進んでいる時には部下にはひたすら前進させる。部下に自信を持たせて良いムードを作るのもリーダーの役目と言えるだろう。しかし、その好調はいつまでもつづくものではない。常に最悪の事態に備えておけば、万が一の時も冷静にそして速やかに事態の収束を図ることができる。
リーダーは人に好かれなくて良い
*私利私欲がない独裁者であれ
・誰の応援もない窮地に追い込まれた時こそ、その人の真価が問われるものだ。「責任を問われてしまう」とか「これをやったら孤立してしまうんじゃないか」なんて考えるようではリーダー失格。保身を捨て、使命を果たすためにどうしたらいいか、それを判断し、下の者を導いていくことがトップの責務だ。
・何でも多数決で決まるのなら誰がトップになっても構わない。しかし、それでは強い組織は作れないし、仕事のスピードも鈍ってしまう。だからある意味「独裁的なトップ」が必要だ。ただし、条件がある。私利私欲がなく、組織をそして社会を良くしようという志と信念を持った「独裁者」であること。もちろん、人間だから誰でも欲はある者だが、リーダーはできるだけ損得を忘れる努力をし、「社会に役立つ」という理念のもとに行動する。理念を持って初めて儲けを出すことを考えるのだ。
*部下をイエスマンにするな
・組織を動かしていく中でトップが判断を誤ることもある。そういうときは往々にしてイエスマンばかり従えていることが多い。これには、トップがいうことを聞く部下をあえて集めているケースとトップが部下を結果的にイエスマンにしてしまっているケースがある。トップが部下の意見や疑問に耳を貸さなくなると部下はいつしか諦めモードになり、次第に発言しなくなっていく。そしてその様子を見ている周囲の人間にもそれが伝わり、「うちのトップに言っても無駄だ」となって誰も意見を言わなくなり、徐々に組織は停滞していく。
・問題意識が高く、自分なりの意見や疑問をぶつけてくる部下というのは人とは違った視点を持っている者だ。たとえ採用する見込みがないアイディアばかりだとしても部下の意見に耳を傾け、その中に可能性のある意見があれば取り上げる。その際の判断軸は目標に向かうために考えられるべきで、うまくいかなかったら修正すればよい。
・自分の意見を聞いてくれる上司であれば、様々な意見が出るようになり、ボトムアップの風土が醸成されていく。そこで得をするのは上司であり、組織なのだ。もちろん、リーダーたるものは自分で決めたことはもちろん、部下の失敗に対しても矢面に立って責任を取るのは言わずもがなだ。そうした姿勢がなければ、現場はついてこないし、彼らもまた意欲を持って働くことはできない。
*真のリーダーに必要な胆識
・胆識とは何かを成し遂げるための決断力や実行力を伴った「見識」のことで、その見識を身につけるには、知識を増やし、様々なことに挑戦して研鑽を積むことが不可欠だ。
*ビジョンとハードワークの両立
川淵さんも明確なビジョンを持ったのは51歳時だったそうだ。私も遅くはないな。 -
Posted by ブクログ
前半は今回のバスケットボールの組織改変のこと。
後半は過去の川淵本でも書かれていたサッカーに関連する内容。
そういう構成で書かれている。
バスケットボールに関する前半部分を読んでみると、
日本のバスケットボール界がどうしょうもないような閉塞状態にあったことがわかる。
内部の人間ではなかなか動かし難い状況であったところに、
バスケットボール以外のところから来た人間が携わった事が奏功したと思われる。
やはり時代の運はあっもののJリーグを成功に導いた功績と名声は川淵氏にとって何よりの後ろ楯になっている。
リーダー論などより、単純に日本のスポーツ界がどうなっていくのか?
どうすればよいのかというところに興味がある。
本に付いた帯にサラリーマン必読の書などと書かれているが、そんな理由で読もうとは思っていない。 -
Posted by ブクログ
日本サッカー協会の前会長である川淵三郎氏の著書「『51歳の左遷』からすべては始まった」(PHP新書)。
川淵氏は、自分の古川電工のサラリーマン時代の経験が、Jリーグ設立及び日本サッカー協会の運営にどれだけ役立ったかを、具体的にいくつも事例を挙げながら述べられている。いわば、それだけの本と言ってもいいかもしれない。この本のサブタイトルが「大逆転のリーダーシップ論」、これは、ちょっといただけない。「大逆転」じゃない、すべては、必然だ。
古川電工のサラリーマンを経験していたからこそ、サッカー界でリーダーシップを発揮できたのだ。
私は川淵氏に対しては、大変、いい印象を持っている。なんといっても、サッカーというスポーツを、単にスポーツの世界だけでなく、常に、社会性というものを意識して、サッカーを日本に根付かせようと努力されている姿勢が、一貫していたからだ。
「Jリーグ百年構想」なんて、今、読んでみれば当たり前のことばかりかもしれないが、ああいうことを先進的・先鋭的に、しかもシスティマテックに掲げられるなんて、なかなかできんよ。私は、この「Jリーグ百年構想」をもとに、議会質問したことがある。そんな質問をできる奴も、そうおらんぞ。
日本のプロスポーツにおいては、一部、地域的に特殊な事情がある場合を除いて(プロ野球の広島東洋カープがそうだ)は、ほとんど初めての試みであったろう。スポーツの世界に、「理念」や「夢」を、そのスポーツの振興を越えたところに求めたのも、川淵氏である。また、川淵氏は、そのような考えに至ったのは、古川電工のサラリーマン時代の経験に基づくものだと、この著書の中に具体的に述べられている。
「不思議なもので、会社員生活から離れてサッカーでの仕事が深くなればなるほど、古川電工でのサラリーマン時代の経験が貴重であったと思うようになりました。」(51歳の左遷』からすべては始まった」より引用)
「私は現役を引退した後もサッカー部の監督、それを辞めた後は日本サッカー協会の強化委員長、そして代表監督も務めました。後に、そういう「二足のわらじ」がビジネスにも有効であることを知りました。」(同)
それぞれの続きは、著書を読んでほしい。
最後に。「Jリーグに必要な経営者像」として4つの事例を挙げている。
1.経営能力が高くサッカーも知っている人
2.経営能力は高いがサッカーを知らない人
3.サッカーをよく知っているが経営能力が低い人
4.経営能力、サッカー地椎、そのどちらもない人
1がもっとも理想的で、4が好ましくないことは誰でも分かる。さて、2と3。川淵氏は、どのように考え、どのような判断をされているか。期待をしているのか。
著書を読んでほしい。
サッカーを含めたスポーツの指導者を志している人、企業経営に関わっている人、しがないサラリーマン生活で自己嫌悪に陥りつつある人、そんな人たちは読んだらいい。私は、最後者。 -
Posted by ブクログ
ある意味Jリーグの顔といっても過言ではない、あの「川淵キャプテン」が語るリーダーシップ論。
組織での、上司とはどうあるべきか、リーダーシップとは何かということが 熱く語られている。
内容的には巷に溢れているリーダーシップ論とそれほど違うとは思わないのだが、何しろ当時それほど人気があったとは言えないサッカーで、Jリーグを立ち上げ、成功させた立役者が語るのだから、説得力は抜群である。
しかしこのキャプテン、経歴を見ると、早稲田大学卒⇒サッカー日本代表⇒日本代表監督⇒Jリーグ初代チェアマンと、もう文句のつけようがないキャリアである。やはり優秀な人物はなにをやらせても優秀だということか。うらやましい限りである。(「人を羨む暇があれば、自分を磨け!」ってキャプテンからお叱りを受けそうだな。)
サッカーを知る人はもちろん、知らない人も十分に楽しめる内容の本だと思う。