早野龍五のレビュー一覧

  • 「科学的」は武器になる―世界を生き抜くための思考法―(新潮文庫)

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    早野先生は物理学の先生です。現在は東京大学名誉教授、株式会社『ほぼ日』顧問、バイオリン教育機関であるスズキ・メソードの会長などを兼任していらっしゃいます。

    本書ではその半生が綴られていますが、自分で自分の人生を生きる、それもできるだけ楽しむようにして、というようなスタイルに触れることができます。それも、破天荒な感覚じゃなくてふつうの感覚でです。半生記といった内容がメインのメロディーになっていますが、とても客観的かつ深く、自分を見つめて対象化されています。

    こういう経験談を、子育て中の親たちが読むと特に良いかもしれないなあと思いました。あと、クリエイティブで食べていくことを考えている人にとっ

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    2025年09月07日
  • 知ろうとすること。

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    情報があふれる現代社会の中で、何を信じて、何を選びとればいいのかとても難しい。糸井さんの言葉で、なによりも、なにをするにも起点になるのが「事実」というのが、とても印象深い。
    事実を知る、知ろうとすることが、いかに冷静で正しい判断ができるかの鍵となる。

    水素原子が138億年前にできたこと。
    私たちの体を構成している個数の多いのは、水素原子であること。
    138億年前の水素原子が私達の体をめぐりにめぐって今も存在していること。
    すごいことなんだな、
    と遙か昔の地球誕生を思って胸が熱くなってしまった。
    良本でした。

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    2025年03月08日
  • 知ろうとすること。

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    対談。
    原発のことなどが、分かりやすく語られている。
    字が細かくぎっしり…ということもないので、「知りたいけど、難しすぎる本は敬遠する」人にはおすすめ。
    納得できたし面白かった。

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    2019年05月07日
  • 知ろうとすること。

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    震災後から2014年くらいまでの早野さんの活動と結果がよくまとまっています 「マイナスをゼロに、そして未来に」つなげていく仕事を着実に積み重ねていく早野さんの姿勢に心を打たれますし、これを「尊い行い」と言うのだな…と感じました。当時の混乱した状況のなか、早野さんは地道に着実にデータを集め、根拠をもって安全だと言えるようにしただけでなく、住民たちの心に寄り添い「安心」をも確保していきました。データを提供するところまでは科学者の責務と言えると思いますが、人々の安心というものはもっと先にあるものです。科学だけで解決できない問題に、科学者としてどう関わっていくべきかについて非常に多くのヒントをもらいま

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    2017年12月02日
  • 知ろうとすること。

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    福島の人たちの被ばく量が十分に低いと確信できた。それは逆に言うと、被ばく量が高い可能性はかなり高かったということで。
    その数値的な危機感は、当時のメディアの馬鹿騒ぎみたいなものからは全く伝わってこなくて。
    この本を読んで改めて、福島の人たちが無事で本当によかった、と思う。

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    2017年11月19日
  • 知ろうとすること。

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    科学的な見地に基づいて、原発から飛散した放射能はやみくもに怖がらなくていいということがようやく理解が出来た。

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    2017年07月24日
  • 知ろうとすること。

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    ネタバレ

    子どもの体内被曝を図る「ホールボディカウンター」。
    いかつい機械だったので、デザイナーにデザインを依頼。

    「これは科学的には必要のない機械」だけど、安心感やコミュニケーションのためのツールとして活用。

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    2017年06月16日
  • 知ろうとすること。

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    自己啓発系の書籍かと思ったら、全く別の内容でした。
    ただ、普段手に取らないタイプの書籍だったので、書いてある事全てが新鮮で、とても楽しい読書体験でした。
    福島の原発事故についてのお話でした。

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    2017年05月11日
  • 知ろうとすること。

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    言葉は平易だが、メッセージは重要だ。

    糸井重里があとがきでまとめているが、混乱時こそ事実にもとづき冷静に判断し、行動しなければならない。

    先般の原発事故に関連して人々が被曝した放射線量では健康に何ら影響をもたらさない。
    福島県民は健康だし、福島県産の作物は安全だ。

    某新聞のように事実に傾きを付けてデマゴークとなるのはたやすい。
    子宮頸がんワクチン被害も同類だろう。

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    2016年12月12日
  • 知ろうとすること。

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    震災のあと、放射能に関する風評が多く出され、今でもそのことを原因としたいじめや、誤った甲状腺ガンの発生状況の報道がなされたりしている。
    本書では、科学的なデータに基づく知識と評価がとても大事で、リスク0などを求めることのバカらしさを説く。
    実際、放射能がどれだけ怖いか、あるいは怖くないかを身をもって実感している広島人としては、当時大騒ぎをすることにとても違和感を感じたものでした。
    今がどうかは知りませんが、子供のころの広島では夏休みの宿題で原爆に伴う被害や影響を知る機会があり、冷静な判断を行うのにとても役立った。
    文系理系問わず、事実を知るためのセオリーがわかりやすく解説してくれている良い本だ

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    2016年11月24日
  • 知ろうとすること。

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    きっかけは小さくても、自分を発信し続けることで想像もできない未来が広がることもあると、早野さんの話を読んで思う。そこには誠実さが一貫してあるからこそ、人が集まるのだろう。自分もそうありたい。

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    2016年09月08日
  • 知ろうとすること。

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    買ったまましばらく読めていなかったのをやっと読んだ。
    いや~これは読んでよかったです。早野先生のツイートは事故直後からだいたい読んでいたけれど、どんどん忘れてしまうので、大きな流れと肝になる重要な活動などを時系列でまとめて読めたのはよかった。
    事実として確かめられたこと、確かめられないことを選別し、確かめる手段を考案し、ときには山のように書類を書いたり、こまめに福島に足を運んでいろいろな人と会って、必要とあらば説得もして。サイエンティストで行動者の早野氏には頭がさがるし、それを押しつけがましくなく、わかりやすく伝えようとする糸井氏は、ほんとうに自分の役割をよくわかっている人なんだと思う。

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    2016年06月11日
  • 知ろうとすること。

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    福島第一原発事故後からさまざまなデータを冷静にツイッターで発信したり、内部被曝の調査を自ら行ったりした早野龍五氏と、糸井重里氏がさまざまな情報が錯綜する中で科学的に正しい情報をいかにして見つけるかを対談形式で語る。
    科学的に正しい情報を伝える重要性と共に、怖がっている人を安心させる重要性にも触れているところが、大切だと思う。

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    2025年07月27日
  • 知ろうとすること。

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    福島の原発事故と放射線について、
    事故から3年半がった今だからこそ語れること。
    ツイッターで事故後早くからデータを収集しツイートしていた早野先生と、
    事実を科学的に見たいと思って彼をフォローし見守り、
    その後、いろいろな行動を起こした糸井重里さんの対談本です。

    つい一昨日、この本を読むにあたって合わせて読んだ方がなおいい、と
    いうようなツイートを確か糸井さん本人がされていたのを目にしていたので、
    『いちから知りたい放射線のほんとう』を読みました。
    そこで、相当に、今ではこれだけはっきり分かっているという
    放射線の知識を得ることができましたし、それまで読んでいた本の内容も
    頭の中で整理されたか

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    2025年06月27日
  • 「科学的」は武器になる―世界を生き抜くための思考法―(新潮文庫)

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    だんだんこういうことを言ってくれる人が多くなってくるのではないかと期待している。すぐに役に立つスキルが注目されていたし、今でも半分そうか。技術研究をすぐにビジネスに結び付けられるものはないから(金にならないから)もっとすぐに成果のでることをやりなさい、みたいなことを15年前くらいに上司からも言われた。しかしこれからは、研究という知識創造を企画・遂行できるスキルを持つ人が活躍できる世の中になっていくだろう。AIやChat GPTを使って仕事をしていくときに理工系の自然科学、技術だけでなく社会学、人文科学においてもそうだ。「自調自考」を校訓に掲げる学校もあれば、知的創造の方法に関する大学講義のカリ

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    2024年11月16日
  • 知ろうとすること。

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    ネタバレ



    震災当時、小学生だったので原子力発電所が大変なことになっているということくらいしか知らないまま大人になってしまいましたが、今になってでもどういう研究が行われていたのか知ることができて良かったです。
    放射線の実験をする研究室で、高い反応が出たから機械に異常がないか探したら外から放射線が持ち込まれていたという話、興味深かったです。
    目に見えないので、あっても気づかないし、無くてもあるのではないかと不安になることがある。
    そういう伝えづらいものに対して、しっかり検査してデータとして真実を伝えてくれた人がいたということの有り難さをとても感じました。
    声を大きく上げる人は信用できないという話もたしか

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    2022年01月27日
  • 知ろうとすること。

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    ネタバレ

    事実の積み重ねと組み合わせによって、今なにをすべきかがわかるようになってくる。

    あとがきから
    事実はひとつしかありません。事実はひとつしかないけれど、その事実をどう見るのか、どう読むのかについては幾通りもの視点があります。
    よくわからないけれど、大変なことが起こった。そんなときに、「野次馬」が暴れまくると「事実」がどこにあるのかわからなくなってしまうのです。大変なことが起こったら、それが、どういうことなのかという事実をたしかめて、それに対して時には慎重に時には大胆に対処せねばならないわけです。

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    2020年03月29日
  • 知ろうとすること。

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    この本の大事なところは、科学的にデータを追って正しいと言えることだけを正確に伝える大切さもそうだけれど、そうして出した結果にさえ検証を忘れないで居続けることを忘れないように、ってことだと個人的には思います。

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    2019年03月29日
  • 知ろうとすること。

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    知ろうとしないと、見えないし聞こえない。
    流れるニュースで「なんとなく」うろ覚えて、更新されない「なんとなく」が汚泥のように積み重なると、事実をねじ曲げてどこかで誰かが傷つく。
    きちんと、知る。
    自分のことと、認識する。
    そこからだ。

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    2019年02月16日
  • 知ろうとすること。

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    ネタバレ

    東日本大震災が起きた日、自分は愛犬の待つ家に早く帰りたくて
    職場から歩いて帰りました。
    携帯のバッテリー消耗が不安でセーブしつつ使って、帰宅してからはテレビをつけっぱなしでずっとTwitterを見ていました。
    だから、糸井さんが「ぼくはテレビをつけっぱなしにして、ツイッターに一日中張り付いてました。」というのにはとても共感しました。
    なにが本当なのか、自分には知識がなさすぎてわからない。
    いろんな人がいろんな立場からいろんなことを言っている中で、
    冷静に事実だけをツイートしているというのは心強く感じます。
    「安心して」というのではなく事実をひたすらツイートするというところが信頼されたのでしょう

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    2018年05月13日