馬場雄二のレビュー一覧

  • 漢字のサーカス 常用漢字編2

    Posted by ブクログ

     本書は漢字をデザイン的にパズルにした問題集である。そう「デザイン的に」という所がミソ。この本には見てるだけで楽しい、面白いといった漢字のパズルが沢山ある。例えば漢字のつくりをアルファベットにした「英漢字」、同じ字を45°ずつ傾け重ねて造った「風車」、垂直線や水平線だけ書かれた状態から元の漢字を当てる「垂直線(水平線)からの発見」など実にバリエーションに富んでいる。

     中でも僕が特に感心したのは冒頭のカラーページにある「イメー字」だ。ある一字の漢字からイメージされるものを用いてその文字をデザインしている。見てて本当に楽しいし、答えが分かった時の快感もまた格別だ。こうしたパズル集の題名に『漢字のサーカス』と名付けたのは実にぴったりした形容だと思う。

     著者は漢字を親しみながら覚えて欲しいと言ってはいるが、正直漢字のおべんきょーとしては使えない本。アンサーの箇所に漢字の書き順があるあたり著者の漢字を知ってほしいという意図が窺えるが、漢字自体も常用漢字しかなくて問題としては簡単すぎる。とにかくデザイン的に楽しむ、というのが肝要なのだ。そしてあわよくば漢字の世界に興味が持てればいいのだろうと思う。

     もし書店で本書を見かけたら、軽い気持ちで良いから手にとって開いて欲しい。そこにはあなたの見たことのない、漢字の可能性が詰まっているだろうから。

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    2011年02月05日
  • 漢字のサーカス 常用漢字編1

    Posted by ブクログ

    なにごと?この岩波ジュニアらしからぬ表紙のセンスの良さは? 

    それが、この本の表紙を初めて見た時の感想だ。奥付を見てそれも納得、表紙も手がける著者は、本業がビジュアル・デザイナーだった。

    この本は、デザイン的観点から漢字をパズルにした問題集である。間違っても、「漢検2級対応」というたぐいの本でもないし、失礼ながら僕の読んだところ、「楽しみながら力がつく」本でもないと思う(もしかして筆者はそれを意図しているのかもしれないけど)。

    でも、ただ純粋に「楽しい」。問題を問いてもいいし、ただ眺めて漢字のデザインを楽しんでもいい。何より、著者が楽しんでいるのがよくわかる。たぶん、この文章を読むくらいに読書に関心があって漢字が読める人であれば、誰でも純粋に楽しめるパズル本だと思う。

    いろいろ面白いパズルがあって、中には部首ごとにグループ分けされているような「お勉強」に役に立ちそうなものもある。でも、この本の真骨頂は、同じ字が45度ずつ重なっている「風車」とか、縦や斜めに引き延ばされた「字レッダー」。これができたって、「テスト的漢字力」向上には何も寄与しないもの。それがいいんだな。デザインとしての漢字を著者が楽しんでいるなあという気持ちが伝わってくる。

    「漢字のサーカス」とは、よくつけたタイトルだと思う。まさにサーカス。漢字って、本来こういうデザインと相性がいいのかも。でも僕らが日常、漢字の「意味」にばかり目がいきすぎて、デザイン的な魅力に気づいていないだけなのかもしれない。表音文字系の外国人に漢字がファンタスティックだと言われて逆にこっちが驚くような、そんな再発見をさせてくれた一冊だった。

    というわけで、「漢字勉強に役に立つ」類の本を求める人、この本は読まないで。お互いにとって不幸だから。でも、漢字のデザインにはっと驚いたり、楽しんだりしたい人、ぜひ読んでみて、な一冊です。

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    2010年12月28日