風間一輝のレビュー一覧

  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    この作品は発刊時に読んでいる。
    確か内藤陳さんのお勧めだったような気がする・・

    久しぶりの再読になるが、初読時も感心して読み終えた記憶がある。
    30年経っても本作は色褪せず、良質なハードボイルドであり、冒険小説でロードノベルである。ビルドゥングスロマンの側面もある。ともかくいい小説なのである。

    まずは、自衛隊の謀略に巻き込まれる主人公桐沢の造形が素晴らしい。正しく羊の皮をかむった狼。随所随所で憎いセリフも吐く。男としてかくありたいという、一本芯の通った男なのだ。

    一応敵方になるのだろうが、自衛隊の塚本もまた、桐沢と似たようなタイプなので二人がシンクロしあって進む物語はなんとも言えず小気味

    0
    2025年11月12日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    風間一輝『男たちは北へ』ハヤカワ文庫。

    再読するのは何年振りだろうか。非常に面白い。再読するためにもう1冊購入した甲斐のある傑作サスペンス・ロード・ノヴェルである。

    主人公の桐沢風太郎、ヒッチハイクの家出少年、自衛隊の尾形三佐…男たちは各々の目的で己の人生を引きずり迷いながら、北の地を目指す。

    自転車で東京から青森までツーリングする中年グラフィック・デザイナーの桐沢風太郎の人物像とリアリティのあるツーリング描写。桐沢が突如巻き込まれる自衛隊の陰謀の真相。桐沢と偶然出会い、桐沢に魅力され、旅を通して成長していく家出少年。自衛隊に身を置きながら次第に桐沢に興味を抱く尾形三佐の奮闘。何から何ま

    0
    2017年05月23日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    ーーー東京から青森まで、緑まぶしい五月の国道四号線を完全装備の自転車で疾走する中年グラフィク・デザイナー、桐沢風太郎。
    ひょんなことから自衛隊の陰謀さわぎに巻き込まれ、特別隊に追跡されるはめになる。
    道中で出会ったヒッチハイクの家出少年、桐沢、自衛隊の尾形三佐…追う者と追われる者の対決、冒険とサスペンスをはらみつつ、男たちは北へ。

    何かの縁で目に止まり、裏表紙に惹かれた一冊。
    いわゆるロードノベル。

    まず秀逸なのは、自転車を漕ぐ疾走感や肉体の躍動感の描写。
    きちんとした自転車に乗ったことがない人でも乗って風を感じたくなる。俺がそうだった。

    自転車を主軸に置きながら、サスペンスや青春ものな

    0
    2013年01月23日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    非常に面白い内容だった。
    何気ないが素晴らしい男の生き様です。

    こんな作家がいるとは知らなかった。
    もっと読みたかったと思う。

    0
    2012年11月04日
  • 漂泊者

    Posted by ブクログ

    砂嵐の中をラクダに乗った日本人のおっさんが、一人のさまよえる日本人青年を助ける・・・
    このストーリーだけでも私は大爆笑だったが、さらにストーリーの最後には手旗信号まで!!(意味がわからないと思った人は読んでみるべし)

    みんなかっこいいんだよ本当。
    すごいかっこいいおじ様たちなんだけど、でもツッコミどころは満載です。

    本当に愛すべき作品だと思っています。

    0
    2010年09月26日
  • 片道切符

    Posted by ブクログ

    殺し屋が主人公の話。ハードカバー版の話と、もう一編入っています。殺し屋の話だけど読みやすく、ユーモアが効いています。

    0
    2010年09月22日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    自転車で旅をする話ですが、途中とんでもない陰謀に巻き込まれます。
    ハードボイルドな作品。かなり嵌りました。
    ウイスキーか日本酒を片手に読みたくなります。

    0
    2010年03月03日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    物語は二人の男を主人公に進んでいく。学業優秀だが貧乏な家庭で母を養うという義務感から本意ではない自衛隊エリートの道を歩んだ男・緒方三佐、自分なりのダンディズムを貫き通すタフガイのグラフィックデザイナー桐沢風太郎の二人である。それぞれの一人称視点で交互に物語っていく形式で書かれており、物語の進行につれて緊迫感が増していく。ウマイ描き方だ。加えて、二人ともそれぞれ態度には表しはしないが、お互い徐々に好感を持っていく様が読者に伝わってきて好ましい。お互いをひとかどの男として認め合う、ハードボイルド小説の醍醐味だ。二人はそれぞれタイプは違えどハードボイルドヒーローである。この二人にはもう一つ「酒呑み」

    0
    2009年10月08日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    国道4号線ハードボイルド。
    東北から青森まで、邦画の匂い、ムンムン。
    大好きです。
    オレも自転車で行くかなー。

    0
    2020年12月18日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    「それ、機密情報のメモだから返してくれる?」・・・「はい、どーぞ!落ちてて拾っちゃっただけだし。」・・・で終わる簡単な話。主人公の桐沢も何が何だか分からず、「何か俺のノート狙われてる?返して!て言えば返すけど?」って狙われてるのにマイペース。周りだけが大慌てで本人は北へ北へ向かう・・・という、何だか面白い(笑)でも少年との絡みにホロっとし、北へ向かう姿に感動し桐沢の男臭さにグッと来るんです。作者本人の自転車の旅・・・凄いです。アル中なのに凄い(笑)

    0
    2019年01月20日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    中年の男が自転車で青森(東京から)を目指す話。そこに、自衛隊の機密文書が絡んできて…何だけど、序盤はおふざけの感じがするし、合間合間に出て来る高校生もいらないかな。
    但し、ある場面を過ぎてからは一気読みでした。

    0
    2017年02月14日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    東京から青森まで自転車で行く。それだけでは面白い話でもないが、自衛隊の作戦を絡ませたエンターテイメント小説。リアリティがあるかはともかく、スリリングな進行はたのしめるものだった。ハードボイルドの調子が途中で変わったりして、小説の完成度としてはもうひとつ。

    0
    2017年01月19日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    重要冊子の一冊を紛失し、陸自の尾形三佐はそれの奪還を命じられる。
    持ち去った男・グラフィックデザイナーの桐沢は自転車で北へ向かって旅をしていた。途上で作戦をしかけるものの次々に失敗する中で尾形は桐沢という男に興味を持ち始める。
    青函トンネル開通前の作品ですが、特に違和感も古臭さも感じませんでした。
    中年の男が抱える屈託の中を自転車旅が貫いていく様子は静かな感動を呼びます。度々ある登坂描写がとてもいい。
    男とは、とか信念とは、などを言葉にすることなく桐沢や尾形の行動で語るスタイルにとても好感を持ちました。
    解説では尾形と桐沢では感情移入するなら桐沢だろう、と書いてありましたが、私としては隊を揺る

    0
    2016年11月10日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    バカバカしいストーリーなのになんかいい雰囲気。こういうの好きだ〜♪自転車で東京から青森まで。我が家の近所も通過!自分の足だけが頼り、坂道を登り終えた時の達成感。山登りとどっちが気持ちいいだろう?

    0
    2016年10月23日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    すごく懐かしいテイストのハードボイルド。多分、読んでるだろうな、前に。青森までのツーリング(自転車です)のロードノベル。電動機付きのママチャリで、近所のスーパーに行くだけで、風を感じた気になっているおっさんには、羨ましすぎる。国道沿いのうまい定食屋なんかまだあるのだろうか。ビール飲んで、自転車乗るのは、今は書けないだろうなあ。自衛隊がからむとどうしても今の状況が思い起こされて、複雑な気持ちになるが、少し悲しい。

    0
    2014年11月07日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    ちょっと都合が良すぎるストーリーながら、それを差し引いても余りある楽しいハードボイルド。作品が少ないのが残念。

    0
    2013年02月23日
  • 漂泊者

    Posted by ブクログ

    最近「昭和の香り」という表現をよく目にする。80年代後半を海外で送った私にとって昭和はまだそこにある過去。「大正ロマン」や「明治は遠くなりにけり」じゃあるまいし、頭では理解しても皮膚感覚はない。舞台は86年、バブル幕開けの年。今や絶滅危惧種とも言える国産純ハードボイルドである。冒頭にサハラの神話が挿入される。いや、正確に言えばひとつの神話が形作られて行く過程が語られている。所謂「昭和の香り」芬芬たる物語ではあるが、内藤陳『読まずに死ねるか!』世代としては、内省的でありながら時には饒舌過ぎる語りが堪らない。

    0
    2012年08月18日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    単行本が出たのが1989年。文庫になったのが1995年。17年ぶりに3度目の読書。細かいところは忘れてしまったが、一気に読ませる楽しいロード・ノベル。

    0
    2012年07月29日
  • 男たちは北へ

    Posted by ブクログ

    「初めての旅」は高2の夏の能登半島一周自転車旅行だった。そしてそれが最初で最後の長距離サイクリングとなった。只管、青森を目指して自転車を走らす中年男。初日の橋の袂での野宿と無銭旅行の少年との出会いに共感と郷愁を覚える。狩る者と狩られる者が時には旅の同伴者のように一心に坂を登る。急坂を漕ぎ登る男達の激しい息遣いが聞こえてくる。北に向かう道すがら要所要所で現れるヒッチハイカーの少年。そこには最早さいぜんの気弱な姿はない。道の神がのり移ったかのように。約束の地として語られる北の大地。旅の終わりと新たなる始まり。

    0
    2012年02月11日
  • 片道切符

    Posted by ブクログ

    風間一輝の小説は、一旦は落ちかけた人生を再び歩き始めようとする男の姿に共感を覚えるのだが、
    本作は、深志荘も出てるし、お馴染みのメンバーも顔をだしているがその要素は少ない。

    「殺し屋」という職業に共感を覚えず、また、上記のような要素も少ないからではないかと思うのだが。

    0
    2010年10月26日