鈴村尚久のレビュー一覧
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トヨタ生産調査部で20年以上活躍し、コンサル活動に移った著者による、さまざまな企業での経営改善をトヨタ生産方式の考え方で紐解く。ロット単位の生産計画、コンピュータで精密に管理された受注システムや出荷計画が、こまかな顧客要求への対応においては時には足手まといになる、お客様の要求に本当に答えるためには、部門を超えた調整を行い、時にはストア在庫を切り崩して対応するべきであり、トヨタ生産方式はそのようなきめ細かな対応を行う場合に成果を発揮すると説く。部門を超えた調整が困難であるのは、東西を問わない話であり、それを社長を連れて行くことで問題認識してもらうというところまではよいが、次の一手はなにか。生産方
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トヨタ生産方式というと、よく「在庫を持たない」と曲解されることがあります。
長年トヨタ生産方式の指導に携わってきたコンサルタントが、本書の中でその真髄を披露してくれます。
欠品による機会損失や在庫過多に悩む会社は多いと思いますが、そのメカニズムを解析して課題の本質に迫って構造改革していくことがトヨタ生産方式の本質です。いわゆる「かんばん方式」などを表面的に導入してもダメだということが良く分かります。
業務改善というと、現代はとかくコンピュータシステムに頼りがちになりますが、著者がこれまでに手掛けてきた企業では、むしろアナログな手法を中心に成果をあげてきています。
その具体的な手法が「製品 -
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富士通の和Dさんが勧めていたので読みました。
これまでもTPS(トヨタ生産方式:Toyota Production System)の本は大野さんの原点を含め、何冊も読んできました。
でも、どうにも納得がいかなかったのですが、この本を読んで、納得しました。ああ、そういうことだよなと。
特にカンバンシステムについて「多くの本に書かれていることは方法のみ」であり、背景の理解が大切で、この本ではそれを学べたような気がします。
私の理解で書くと、カンバンは米国のスーパーマーケットの陳列棚に学んだ方法であり、買う側と売る側が陳列棚というバッファを共有し、顧客・企業側とも、ひと目で在庫の有り無しを理 -
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ネタバレ著書は、トヨタ社内で実際に生産方式の指導をしてきたという鈴村尚久氏(1976トヨタ入社→経理、購買、生産調査部等→1999エフ・ビー・エム研究所設立で独立)。鈴村尚久氏の父である鈴村喜久男氏は、トヨタ生産方式の生みの親とされる大野社長の片腕だったらしい方。
感想。
面白かった。世の中に広まっているトヨタ生産方式を網羅的に解説する本とは違う印象。「後補充」「ストアの設置」「短納期・リードタイム縮小」「その上で在庫はあっても良い」辺りがキーメッセージ。
備忘録。
・在庫減らして欠品発生や機会損失発生、在庫を増やしてキャッシュフローの悪化、この2つを行ったり来たり繰り返す、そんな会社が多いのでは -
Posted by ブクログ
表題の逆襲って本書の内容と関係なく、意味不明である。本書は、トヨタ生産方式と言われている方法が、単に製造現場や生産工場にのみ適用されるものではなく、企画や調達、営業、販売などあらゆる職種にわたって取り組むべき課題であると指摘している本である。
したがって、トヨタ生産方式が変わったわけでもなく、新たな見方でもなく、これを知っている人にとっては本書を読んでも得るものは少ないだろう。
あらゆる仕事にとって、トヨタ生産方式はもはや常識ともいえる。今まで知らなかった人や、表面しか知らない人は、本書を読んでその本質を学んでおくべきであろう。もちろん知っている人が読み返すのもいいと思う。