高槻成紀のレビュー一覧

  • 野生動物と共存できるか 保全生態学入門
    保全生態学入門、と題し若い読者向けにまとめられている。内容は、というと若い読者向けとは思えないほどの密度。2006年に出版されたものであるが、まさに現在進行形で直面している問題であると読んでいて思った。印象的な記述がある。シカ食害について駆除反対派と駆除容認派が対立した時の事。『好きなものが違う人が...続きを読む
  • ヤマケイ新書 シカ問題を考える
    まず「シカ問題」と言った時、それは人間にとっての問題ということ。貴重な植物が鹿によって減ってるとか農作物被害とか、それも人間目線で何が大事か決めているだけ。また人間も生態系の一部であり、都市型生活の主流化がこの問題を作り出しているということ。人間の都合で適切な頭数を決めるというのはナンセンスだし、コ...続きを読む
  • タヌキ学入門:かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔
    なぜか昔からタヌキが大好き…愛すべきタヌキの本、見つけてすぐに読み耽った

    タヌキの生態のみならず、オオカミなどのほかの動物、タヌキの周りの植物なども教えてくれる。
    タヌキ、ユニークな存在だ。
    「科」は市、「属」は町など分類を住所にたとえて頂けたのも大変頭がスッキリした。

    そして何よりも、人間によ...続きを読む
  • 動物を守りたい君へ
    ドバトや野生のイノシシに餌をあげようとする人の話をよく聞く。自分では“動物に優しい”善意の行動だと思っているのだろうが、私からすればそれが余計にたちが悪い。そんな餌やり行為は高槻先生が提唱する、野生動物の生態系における「リンク」という概念を理解すれば明らかな誤りだとわかる。

    「良かれ」と思っている...続きを読む
  • 野生動物と共存できるか 保全生態学入門
     以前読んだ、同じ著者の「動物を守りたい君へ」がとても良かったのでこちらも子供に読み聞かせしました。同じように良書でした。こちらの方が焦点が絞れているとも言えます。
     とても良いのは総合的だということです。基本的には生き物の話であるわけですが生態学ということで、社会科的な視点が必要になっています。た...続きを読む
  • 動物を守りたい君へ
    野性動物との関わり、ペットとの関わり、家畜との関わり、共生について、そして東日本大震災のこと…。今まで言葉では「動物全体」「地球環境」「持続可能な」といいながらも、ついつい木をみて森をみず、動物個々の事象(例えば絶滅危惧種だったり、ペットの殺処分やや家畜の問題だったり、それぞれその時々自分の興味ある...続きを読む
  • 動物を守りたい君へ
     この本で、我が家では初めての試みとして、うちの小学生中学年の子供たちに中高生向けのジュニア新書を読み聞かせしてみました。そうしたところ結果的に我ながら素晴らしいと思える教育的効果があげられたので、今後もこのような本を探してぜひまた読み聞かせに使ってみたい、と思うまでの良書でした。
     本書の何がそん...続きを読む
  • 野生動物と共存できるか 保全生態学入門
    野生動物とわたしたち人間とのつながりについて、とても分かりやすく書かれていた。日本のみならず、世界の野生動物や植物についても、興味関心を広げていきたいと思った。
  • 野生動物と共存できるか 保全生態学入門
    ジュニア新書ということで子供むけに書かれた内容。
    しかし生態学を知らない大人が読むにもわかりやすくてよくまとまった内容だった。
    子供向けなのに「科学的な知見から」ということを徹底していたところがよかった。

    私は大学である程度生物学を勉強したので、「生態学全般」に関してこの本を読むことで新たに発見し...続きを読む
  • 野生動物と共存できるか 保全生態学入門
    [ 内容 ]
    ラッコが駆除された。
    漁業に被害を与えるという理由だったが、それで増えると思った漁獲量が減った。
    なぜだろう?
    怖いクマや爆発的に増えるシカと、ほんとうに共存できるのだろうか。
    いま、新しい学問・保全生態学がさまざまなチャレンジを試みている。
    私たちが野生動物とどう関わればいいかを考え...続きを読む
  • 野生動物と共存できるか 保全生態学入門
    この前に読んだ「捕食者なき世界」ウィリアム・ソウルゼエンバーグ著
    や、「沈黙の春」レイチェル・カードン著の読破メモも書けていないけど
    先にこっちをやっつける。

    本書は
    人間と野生動物とがどのようにしたら共存できるか!というノウハウ本ではなく
    野生動物との共存を例に
    1)動植物のつながりあいの重要...続きを読む
  • 野生動物と共存できるか 保全生態学入門
    生物多様性については、いまだに個人や企業として何をすれば良いのかよく分からないし、十分な理解がないままに「何をすればいいのか?」という答えを出すことに急いだり、アクションリストに先走ってしまう雰囲気になんとなく抵抗感がありました。

    そんなモヤモヤしたなか、本書は、「そもそも何が問題なのだろう?」と...続きを読む
  • タヌキ学入門:かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔
    以下2点がキッカケで読むことになった『タヌキ学入門』(高槻成紀)。

    ❶『狼 その生態と歴史』(平岩米吉)にタヌキも出てきた時、関連書読みたくなってきた。

    ❷ 『エチュード春一番 第三曲幻想組曲「狼」』(萩原規子)で、

    「キツネやタヌキが人を化かす話を、おぬしも少しは聞き知っているだろう。だが、...続きを読む
  • 人間の偏見 動物の言い分 動物の「イメージ」を科学する
    案外、評価の低いレビューが多かったですが、私自身は楽しんで読むことができました。

    かつて日本では人々の生活環境と自然の距離が近く、手が届く/目に触れるところに野生動物(タヌキヤキツネなど)がいました。
    農耕・畜産などの性産業も身近で、「食べる」という行為は食糧を確保する=採集/収穫するか、獲物を狩...続きを読む
  • タヌキ学入門:かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔
    たぬきの生態だけでなく、どこからまぬけや狸親父などのイメージがくるのか、そして災害についても触れていた。とても興味深く読むことができた。
  • タヌキ学入門:かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔
    日本人なら誰もが知っているタヌキという動物に生物学だけでなく多方面から考察された本です。知っているようで全く知らなかったタヌキについて知ることができました。
  • タヌキ学入門:かちかち山から3.11まで 身近な野生動物の意外な素顔
     タヌキと言うと人をたぶらかす、カチカチ山でウサギに一泡ふかされるといったイメージがある。しかしそれは人間が作り出したイメージで、もしタヌキが人なら、「そういうのを印象操作と言うんですよ」、「レッテル張りはやめてください」とどこかの誰かのように言いたくなるだろうなあ。 





     タヌキはポンポコ...続きを読む
  • ヤマケイ新書 シカ問題を考える
    いわゆる「里山」と言われる場所が職場でもあり、シカは日常的に見る動物。
    シカの害は耳に入ってくるものの、断片的だった。

    シカが森林の遷移にどのように影響するかをしっかりまとめてくれて分かりやすい。
    森林の高齢化
    希少植物の減少
    土壌の流出
    シカが大きく影響していることがわかる。

    それに付随して、...続きを読む
  • 野生動物と共存できるか 保全生態学入門
    人間による環境改変によって絶滅する生物の数は増える一方、という中で環境と動物の生態の関わり合いを論じる。「ジュニア新書」とはいえ食物連鎖の延長のような話にはとどまらない。

    絶滅しかかった野鳥を守るには、卵を襲うネズミの駆除は不可避。オオカミもおらずハンター人口も減っている日本で「シカの命を奪うのは...続きを読む
  • ヤマケイ新書 唱歌「ふるさと」の生態学~ウサギはなぜいなくなったのか?
    「 ふるさと」の歌詞の描写に生態学者がガチでレスする感じ。真面目にふざけている感じが大好き。「うさぎ追いし」とは?現代人にはなぜ馴染まないのかを徹底追及。「小鮒釣りし」を徹底追及。子ども時代?なんならメダカだろうという切り返しも秀逸。