武部貴則のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『病を診る医療』から『人を診る医療』へ。
医療とテクノロジー、ナッジの取り組みにとても興味があったので既に社会実装されている取り組みの多さに驚きつつ、新鮮味を持ちながら楽しむことができました。
西洋医学だけではなく、ホリスティックに様々な医療やセラピーを組み合わせることに加えて、さらには新しい技術や発想も医療に掛け合わせることの意義を腹落ち感をもって学ぶことができました。
【本書からの主な学び】
① 次世代の医療は『病を診る医療』から『人を診る高次元の医療体系』へ。
→ 患者の生命の危機のみならず、人々の生活や人生をも対象とした新たな医療への変貌。
② 人と人との接点となる生活の場での接点『タッチポイント』のすべてが、実践の対象となり得る。薬だけではない、あらゆる媒体が新時代の医療の武器となる。
→ 新しい医療とは、学問と実践領域の大幅な拡張である。
③ POCを目指す研究において、最も重要なことは、『仮説』の設計。この仮設設計が、いかに緻密に練られたものであって、かつ、正しかった場合に重要な課題解決につながるか、という点が全てであると言っても過言ではない。 -
Posted by ブクログ
『ブックスマートだらけの日本の医療に一石を投じる一冊』
まずは日本人に馴染みのない「ブックスマート」という言葉について説明しないといけないと思う。
ブックスマートとは、単語の意味通り、「読書によって身に付けた賢さ」のことを指す。
一見、褒め言葉に思えるかもしれないがそうでもない。
実はこの言葉、英語圏では、本を読んでばかりで実際には成果が出せていない人を揶揄する意味で使われることもあるらしい。
つまり、能書きばかりで社会の役に立っていない専門家や学者先生みたいな人に対しての批判的な言葉ということだ。
逆の意味で、もう一つ言葉がある。
それが「ストリートスマート」だ。
こちらは、実践で身に付けた「現実的に役立つ賢さ」を意味する。
この前提知識がないと、本書でいう「ストリート・メディカル」という造語の意味がわからない。人間は、まったく知らない言葉には興味も湧かないので、それはつまり本書が多くの人の手に届かないことになってしまう。それではあまりにも残念すぎる。
今の専門家だらけの日本には、残念ながらブックスマートだらけである。多くの専門家が向いている方向は、サービス依頼者ではない。隣の専門家にどう評価されるかという事ばかり気にかけている。
正直、しょーもないと思ってしまう。見栄やプライドで人は救えない。ましてや、知識だけで人を助けることなんて出来ない。そんなに現実は甘くないからだ。
「ストリート・メディカル」という考え方が気になる方は読んでみた方がいい。絶対に損はしない。本書には、かなり多くの興味深い事例が紹介されていてそれを知るだけでも希望が湧いてくる。
これからの医療をなんとかしたい、大切なあの人を守りたい、人間らしさで癒したい、そんなこれからの未来を創る医療従事者にぜひ読んでもらいたい一冊。 -
Posted by ブクログ
治療から予防というキーワードはヘルスケアの領域では以前から言われていることですが、
お医者さんや製薬業界にとってはまだまだ様子見の人も多いはず。
著者のことは知りませんでしたが、お医者さんの中でもイノベーター的存在の方なのでしょう。
医者として研究をつづけながらも、デザイン思考に近い考え方をベースに、
予防分野でもご自身のできる取り組みを色々とされている方のようです。
著者は、「ストリートメディカル」という言葉を使われていましたが、
サイエンスだけでなく様々な分野の知見を掛け合わせ、
患者さんのためになるソリューションを見いだしていく営み、
そんな風に自分なりには解釈しました。
治療以外の分野のソリューションが幅広く紹介されている書籍は、
そんなにたくさんある訳ではないと思いますので、
この領域に興味のある方は、読んでみると面白いのではないかと思います。