三巷文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小説は読んでいましたがこちらも素晴らしいの一言です。三巷文先生は漫画雑誌での活躍を既に知っており、ストーリーの構成や作風がとても自分好みで作画を担当されたと聞いた時には運命を感じました。
表情の描写が特に上手くシリアスな内容にとてもマッチし、それでいて近未来の街並み・技術・watchmeによって数字に置き換えられた一人称視点・対比するように描かれた美しい自然・寂れ朽ちたミァハが生まれた場所など、風景の描写も人間の意識を核とした深い世界観を読者に引き込んでいくような素晴らしい作画だと思います。
もっとこの絵でメリーバッドエンドと言える美しい世界観を見てみたかったです。
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Posted by ブクログ
いよいよチェチェンに降り立った、トァン。
人間たちは、たえず自然を押さえ込み、都市を築き、社会を築き、システムを築いた。身体を数値に置き換え、わたしというものはノイズにすぎない。つまり、かつての人間には怒りや喜びや悲しみが必要だったのであって、さらには自分が人間であるという思い込みが必要だったのだ。
まさに、iphoneの登場から、身体のデータ化、そして自分自身をソーシャルネットワーク上に晒し、シンギュラリティを経て、おそらく存在そのもの、自分そのものとは違う人格が一人歩きしている時代が来る。現代が、まさに、この時代背景と完全に合致している。それを伊藤計劃は、予想していたのだ。この本自体も必読 -
Posted by ブクログ
伊藤計劃の名作、ハーモニー。「報酬系の相互干渉がフィードバックを伴う再起的構造を取る。人間の意思が安定せず非合理的で予測が困難なのはこのためだ。だから、報酬系の価値評価曲線の調整というプロセスとしては単純な方法で制御することで混乱を避ける。調和の取れた意思を人間の脳に設定する技術とシステムをハーモニー・プログラムと呼ぶ。しかし、意識の消滅が副作用として起きてしまった。」これが、壮大な計画であり、ついに明かされるメインテーマである。主人公のトァンは、ついに父親、そしてハーモニー計画の首謀者の一人、霧恵ヌァザに会う。そこで、御冷ミァハがチェチェンにいること、ハーモニーシステムを使おうとしていること
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購入済み
めちゃよかったです
百合ものとしても読めるし、SFとしても読み応えがあるし、単純な漫画作品としても素晴らしい描写が連続します
専門用語が多くて難解だけど、根っこの話は身近で理解しやすいし、原作未読の方でも全然楽しめる
シュールギャグ四コママンガのハーモニー劇場が早く拝みたいです -
Posted by ブクログ
ネタバレこの漫画の原作である小説は、御冷ミャハというカリスマに魅了された二人の信奉者が、その亡霊に振り回され続ける運命を描いた作品で、その運命が世界危機に直結している点が酷くセカイ系的で、これはゼロ年代に流行った言葉なんだけど、それを彷彿とさせて、ああ、00年代の息吹を感じるね、という塩梅である。脇道に逸れてしまった。
御冷ミャハと霧彗トァンの関係はひどくメランコリックかつ甘美で、映画版ハーモニーではこれを恋愛感情と解釈してチープな演出に勤しんでいたが、そんな単純な代物ではないと僕は思うし、だからこそ、この小説は美しいのだと思う。
で、漫画版はこの感じが巧く再現できているように思う。ハーモニーを初
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