久保亨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
数年前、某国営放送で白洲次郎の生涯を追ったドラマが放映された。
冒頭、晩年の次郎が手紙や文書を燃やすシーンがある。火にくべる
文書には「極秘」の文字。
妻・正子の独白で語られるシーンなのだが、そこで正子は歴史的に
価値のある文書でも燃やすのが次郎の流儀だと語っていた。
どんな流儀だか知らんがな、それ、あんたの私物じゃないからな。
国の文書は国民の財産だ。勝手に燃やすな、次郎。ドラマながら
画面に突っ込んでいた。
白洲次郎を例に取ったが、重要であろう文書を処分したのは彼だけ
ではない。官庁ぐるみどころか、政府が率先して知られたらまずい
文書を勝手に処分して来たんだよね、 -
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Posted by ブクログ
情報を隠し続けて責任を曖昧にする国家の論理。この「無責任の体系」を可能にするものは何か?本書はその原因が情報公開と公文書の管理体制の不備にあることをわかりやすく説明する。(2014年刊)
・序 章 もともと秘密だらけの公文書
・第一章 捨てられる公文書
・第二章 情報公開法と公文書管理法の制定
・第三章 現代日本の公文書管理の実態と問題点
・第四章 公文書館の国際比較
・第五章 特定秘密法と公文書管理
・おわりに 公文書と共に消されていく行政の責任と歴史の真相
重要な内容であるが、すんなりと読める。掘り下げに物足りなさを感じるが、2014年の刊行時に比べ、事態(公文書の管理や情報 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書は二名の歴史学者によって書かれたものである。「特定秘密保護法」の制定過程をきっかけとして啓蒙をその目的として書かれたものと想定するが、それ以前の日本における公文書管理の不備の方に目が行くものになっている。特定秘密保護法がどうのという前に、情報公開と公文書保護は、両輪として働かないといけないものだが、そこを整備していかないといけないのだなと理解。今後は、コスト面も含めて電子化がキーになるはずだ。公文書館の各国のスペースが比較されている表があったが、これまでの文書管理では意味があったが、今後は過去の文書保存の意味を除いて公文書館の広さは意味がないものになるだろう。
本書では、第一章で戦争直後 -
Posted by ブクログ
会社で仕事に従事したり、社会の中で生活するにあたり、日常的に多くの情報に接している。自分や家族の個人情報、会社にある営業機密や顧客情報、社員の人事情報など、データの形で保管されているものから、紙の契約書など、周囲は情報で溢れかえっている。国家運営レベルならさらに多くの情報を抱えているだろうし、自治体の公務員や行政に仕える官僚であれば、制度制定の過程を含めた情報量は途轍もない量に上ると思われる。最近は会社でも紙の削減やら経費削減で、何でもかんでもデータ化する傾向があり、尚且つ、検索スピードを維持するために無駄にデータ量を増やさないよう社員は涙ぐましい努力をしている。際たるものは文書情報一つ一つに