NHK「女性の貧困」取材班のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
思わず泣いてしまった。"予期せぬ妊娠"で出産を選択した女性達の様々なエピソードを聞いて、心が痛み、久々に本という媒体で心がえぐられる感覚があった。読んでてかなりしんどかった。話作ってない?って何度か思いもした。だが、ノンフィクションなのだ。
衝撃だらけの内容だったが、その中でも強烈に心に刺さったこと。それは、貧困女子が最後に行き着く「性風俗店」のビジネス形態だった。会社が託児所と連携し、お子を預けることができる。そして住む寮も用意してくれる。おまけに副業まで紹介してくれる。貧困シングルマザーにとっては願ってもない話だ。国ではなく、性風俗業界が貧困女子を守っていた。
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Posted by ブクログ
少し前の本ですが、元になった番組シリーズも観ていたので「あ、あの話だ」と気づくことも多かったです。
何年かたってもかなり鮮明に番組内容を覚えているということは、それだけショックを受けたということなんだと思います。
数年たったいま、事態は上向きになるどころかコロナ禍でさらにしんどい状況になっていると感じます。
女性であることで就職差別も受けた世代だし、職場での評価や給与面で理不尽な扱いをうけた経験があるがゆえに、今は自分がその渦中になくてもそのことを「良かった」とは素直に思えずにいます。
女性が活躍する社会、って言葉だけはキラキラして持て囃されてるけど、具体的にはなんなんでしょうね。
そんなこ -
Posted by ブクログ
貧困と言う問題は、今の時代におこったわけではない。
このレポートの切り口は、シャープである。
年収 200万円という 女子の貧困世帯の実態。
シングルマザー、離婚、夫の死亡、母親の病気。
様々な形で、貧困が引き起こされる。
『連鎖する貧困』という言葉が 衝撃を与える。
ネットカフェで、生活する 母親と子供二人。
不思議な 生活だ。よく考えると 18万円にもなる。
それならば、アパートを借りることもできると単純に
考えるのだが、生活を確固たるものにしようとしない。
愛媛県の大学生で、東京に出稼ぎする女子。
自分で、学費を稼ぎだすと言う意気込みはすごい。
大学を卒業したけれど、アルバイトの職 -
Posted by ブクログ
クローズアップ現代の再放送を見たのかな?
インパクトの強い特集でした。
それ以外の話も入っております。
NHK取材班が作っている話なので、国に思うこととかをきちんと取材していますが、やはり前回紹介した「出会い系のシングルマザーたち」の方は、もはや国のことなんて眼中にないというか、シビアな世界だと思います。
こちらの本が、風俗店への取材だとすると、「出会い系~」では、もはや風俗店という組織で働けるのも選ばれた女性である、という事実が述べられています。
ですので、私こちらを後に読んだのですが、こちらを先に読んでから「出会い系の~」へと読み進むことをお勧めします。
冒頭、
「高学歴の女性 -
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ネタバレ2015年の18冊目です。
「女性たちの貧困 “新たな連鎖"の衝撃」
これは、NHK クローズアップ現代で、取り上げられてテーマについて、取材した内容をまとめたものです。
以前番組を見たことがあり、改めて読んでみてその記憶が蘇りました。
女性たちの貧困は、パートナーである男性を何らかの理由で失ったことに起因することが多いように思えます。
離婚等によるシングルマザーが、貧困に陥るケースが紹介されていました。
一方で、彼女たちのセーフティーネットが風俗産業という実態も驚きでした。仕事をするために、公的支援を使って子供を預けるためには多くの手続きを経なければできないし、必ずしもうまくい -
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若い女性の間で深刻化する貧困の実態を取材して話題となったNHK「クローズアップ現代」に基づいたノンフィクション。奨学金で大学に入るが、正社員になることができず、奨学金の返済が重くのしかかる。「託児所完備」をうたう風俗業界が、シングルマザーの受け皿になっている現実。幼少期からきちんとした養育を受けずに育ち、早く自分の家庭・子どもが欲しいと若くして妊娠・出産するも、育児が思い通りにいくわけもなく、子どもをネグレクト状態にしてしまう人。ネットカフェに2年以上住んでいるという19歳女性を取材したところ、母も妹も同じネットカフェに住んでいたという話には仰天した。非正規雇用の若年女性の八割が「困窮」(年収
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女性たちへの取材で明らかにされる「貧困」は衝撃的。特に母子家庭の貧困は、最近はメディアでもよく報道されるようになってきたが、その「連鎖」については危機的とも言える状況が報告される。子どもの6人に一人が相対的貧困状態にあり、その割合は先進国では最悪なレベルであること、働く単身女性の3人に一人が年収114万円未満だと言われていること。その具体的状況を報告する。統計数字ではない、一人ひとりの生活が凄まじい。
この本には、「解決策」は触れられていない。しかし、いろいろ考えさせられる。
機会の平等がないこと、最低限度の文化的生活を送れているとは決して言いがたいこと、これは憲法違反でさえある、と -
Posted by ブクログ
2016.02.08
どの女性のエピソードも、読んでて胸が苦しくなるものばかりでした。
『貧困』『貧乏』は、自己責任というイメージはいったいどこから、誰が言っているんだろうと思うくらい、この本に出てくる女性は、頑張りすぎるほど頑張って生きていると思います。
私も働いても働いても昇給も昇格もない会社に勤めていました。正社員ではあるものの年収は250万円以下。それでも、ハローワークや新聞広告に出てる求人から比べると良い給料。
このまま働いていても未来が見えないと思い、退職して今の職に付けましたが、退職後、職が見つかっていなければ非正規で働く羽目になり、上昇できず貧困まっしぐらだったはず。
巻 -
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NHKの「クローズアップ現代」で特集された『女性の貧困』をテーマにした番組を書籍化したもの。若年層の所得が年々減少し、将来に希望が見いだせない若者が増えている。そんな近年の社会情勢の中、日々の生活すら儘ならない困窮した女性たちが居ることは明確で、明日は我が身的な気持ちで手に取った。
例に挙がっているのは「奨学金の返済に追われるOL」を始めに、「親の育児放棄をきっかけに中学生の頃から家庭を支えることになったOL」「キャバクラで働きつつ高卒認定を目指すシングルマザー」「父親が分からない子供を妊娠し母性を感じない女性」など、自身の親やパートナーに問題を抱えている女性が主となっている。そのセーフティー -
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日本の女性の貧困の実態が信じがたい内容で記載された力作。
こういう作品をつくれるNHKの報道としてのすごさを感じる。
日本において子供の貧困率は16%(6人に一人)。一人親世帯の貧困率は54%。先進国でいずれも最悪レベル。
また20歳から64歳の働く世代である単身女性の貧困は3人に一人にのぼる。
さらに非正規雇用で年収200万円以下の若年女性(15-34歳)は300万人にのぼる。ちなみに雇用者全体の非正規雇用率は38%..
数字上でも深刻だけど丹念な取材から悲惨さの実態が浮かび上がる。
巻末の国谷キャスターの「人生のスタートで夢や希望が奪われる社会とは」というコメントにすべてがある。十代の後