清水勲のレビュー一覧
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「ノルマントン号事件」の絵でお馴染み、ジョルジュ・ビゴーの作品100点を厳選し、それについて著者の清水勲氏が解説しています。
ジャポニズムが一斉を風靡した19世紀末期、フランス人画家ビゴーは浮世絵目的に来日するものの、日本の奇妙な魅力にとり憑かれて、日本人の生活を記録していくことに興味が移ります。また、永住を決意し、日本人女性佐野マスと結婚しています。
条約改正により生活不安を感じ、最終的には本国へ戻るものの、彼が日本滞在中に描いた作品はとても面白いです。
外国人ならではの視点で、当時の日本の姿を在りのままに描いています。
ビゴーの絵って本当に味があるなぁ。
ふんどし -
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一度は教科書や資料集で見たことのあるビゴーの絵。本書は明治日本に来日したフランス人画家ビゴーの目を通してみた「日本人」論といっていいかもしれない。
1860年にフランスで生まれ、若くして画才を顕し、12歳で美術学校エコール・デ・ボザールに入学、その後退学し挿絵画家として家計を支える。
1882年にかねてより興味のあった日本に来日。しかし、ビゴーはかつてのフランス画壇の主流であった写実主義に固執し、印象派が主流になりつつあったフランス・日本両画壇に受け入れられることはなかった。ビゴーは仕方なく生計を立てるため、横浜居留地向けの挿絵画や風刺画の画集を売った。
ビゴーはフランス時代には浮世絵に興 -
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ビゴーとはジュルジュ・ビゴー、フランス人で明治期に着た漫画・写生画の画家のことで、有名な絵はノルマントン号事件の状況絵や日露対立の状況描いた風刺絵、あるいは選挙の投票風景、鹿鳴館外交の絵などが思い浮かぶが、それ以外にも多くの写生画を残していて、特に生活文化や庶民の生活に関する絵が多い。この書はそれらの多くのビゴーの絵画を解説する著作であり、ビゴーを授業などの教材で使おうという際には大変参考になるし、またビゴーの絵画の「絵解き」の参考になる。あと感じたのは意外と教科書にみられるような絵以上に、教科書に載せられない(掲載されない)様な男女間の諸相を扱ったものが多いというのも本著を観ると分かる。明治
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Posted by ブクログ
絶対歴史の教科書で見たことある、あのイラストたち。
たとえば、ノルマントン号事件のイラスト。
それらを描いたビゴーの本がこれ。
ビゴーのイラストを通して
明治の民俗を知ることができるのが面白い。
発展途上の当時の日本は
外国人の目からはこう見えていたのか、
というのがよくわかる。
当時の日本では普通のことだから
日本人は記録しない。そんなものばかり。
その良い例がぺこぺこ頭を下げ合う日本人。
あとシャツを着て帽子をかぶり、ふんどしを身に着ける日本人。
ビゴーのなかなか見ることのないイラストが
多数収録されているのはうれしいが、
イラスト1枚1枚についている説明が
時々脱線するのがなぁ…と思 -
Posted by ブクログ
ビゴーの本、これで三作目です。やっぱり最初に読んだ本のインパクトには劣ります…が、私が学んでいる教育社会史にとって大変興味深い記事がチラホラ。
この本は職業をテーマにしているので、性別も、年齢も身分も様々な人たちが登場します。
中でも興味深かったのは、女性の職業です。
今だからこそ色んな職業に就けるようになりましたが、当時は本当に女性の職業が少ない!
そんな中でも、薬剤師や先生等をしている女性がいることは素晴らしいです。
また、本来男女比は一対一の筈なのに男性人口の方が多い…これには、働き手になれない女の嬰児の「間引き」が行われていたからという理由が隠されています。
間引きは知って