行方昭夫のレビュー一覧

  • お許しいただければ 続イギリス・コラム傑作選

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    「たいした問題がじゃないが」の続編。大学受験英語の英文を読むのが好きだった元受験生にはうってつけの本。イギリスのユーモア精神は、些細なことでもクレームをつけて大問題にしたがる余裕の無い現代人に必要だとおもう。

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    2025年07月21日
  • 聖火

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    ネタバレ

    「月と六ペンス」以来のモーム作品。こちらは戯曲。

    推理小説ではないのだけれど、その要素もあって、ほぼ一気読み。

    半身不随のモーリスは何故死んだのか、事故か、自殺か、他殺か。次々と明らかになる新事実。妻かその愛人が犯人で決まりかと思いきや、さにあらず、驚きの真犯人とその動機たるや。

    作品内では、死は内密に処理され、誰も法の裁きを受けることはなく大団円を迎えるのだが、如何に動機が善であったとしても、これが裁かれなくて良いのか、という点では、意見が分かれるのではないだろうか。少なくとも、現代の基準では、これを安楽死と認定することは出来ないだろうと思う。かといって、有罪とするのも気の毒ではあり、

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    2025年03月29日
  • 読解力をきたえる英語名文30

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    受験生向けの英文読解の本。英語と日本語を行ったり来たりしながら、英文を読む楽しさを気軽に味わえる一冊。一ページ前後の英語の名文と、ていねいな注釈。先生と生徒の問答形式で解説が進む。生徒の逐語訳に近い直訳、言葉を足して意訳した先生の翻訳。英語を日本語で理解するとき、前者の訳レベルでもOKだが、後者のレベルまで読める方が読書は楽しそう。受験や暗記を気にせず読む英語名文は意外と楽しい。意味の知らない単語は推測で補う。文法は注釈に頼るか、もはや気にしない。医者を志す若者に向けた「よく観察せよ!」の話がおもしろかった。

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    2023年03月09日
  • 解釈につよくなるための英文50

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    全ての課題文を和訳してみたら、読解力ばかりではなく、翻訳力もついた気がする。他の行方氏の著作も使ってさらに修業を積みたい。

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    2023年01月05日
  • ヘンリー・ジェイムズ傑作選

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     1874-1892年の作品を収めた短編小説集。
     高校生の頃岩波文庫の『ヘンリー・ジェイムズ短篇集』に出会って大きな衝撃を受けて以来、ジェイムズは私が偏愛する作家の一人で、書店で見つけ次第購入して読んできた。
     岩波文庫のそれには、ジェイムズ中期から後期にかけての「曖昧法」を用いた精妙な作品が4作収録されている。そこでは語りのストリーム上の「視点」は一人の人物に限定され、従って、知人のAさんとBさんが見えない所で干渉した出来事について、「視点」の人物はただ推測するしかない。出来事の推移を見つめていても、その真相はどうなっているのか、また他者であるAさんやBさんの心中については永遠に謎のまま残

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    2022年05月14日
  • 英語の発想がよくわかる表現50

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    ジュニアでなくても、楽しめるのが岩波ジュニア新書(自分がジュニアの時は難しくて読破できないものばかりだった。)。本書も、すでに大人の私にも参考になる解説が詰まっていた。英作文の心構えは、英語と日本語はいろいろと異なるから、おおよその意味内容が訳せればよく、まずは和文和訳からという本書のアドバイスは、英文ライティングの際の精神安定剤になりそう。本書を通して筆者の教養がにじみ出るとともに、ユーモア溢れる語り口なので飽きずに読み通すことができた。中高生向けの英語の本が実利に傾いていない頃の旧き良き本哉。

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    2020年09月22日
  • モナリザの微笑 ハクスレー傑作選

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    ハクスリーの『すばらしい新世界』はディストピア小説のひとつだと言われるが、例えば『侍女の物語』や『一九八四年」にある重苦しさを感じない。たぶん、色んなところにちりばめられた一種の「ユーモア」のせいなのだろう。そして、本書に収められている「半休日」はそんなユーモアが凝縮されている。(本書の所収ではないが)「シンシア」も同じで、こういった短編が好みだ。翻訳はとても読みやすい。

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    2020年09月16日
  • モナリザの微笑 ハクスレー傑作選

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    有名なあの本しか読んだことはなく、その時は、そうなのね、という感じで、特に肩入れするような感触ではなかった。その後、読む本とその後書きに引用されまくっていて、目に付くと同時に、クイズダービーの正解者のように、なんだか、理由のない評価の上昇があり、自分にとっては、すごい人=真面目=面白みないと、マイナス要素になる訳だが、この本は極めて読みやすく面白く、世の中の編集者っていうのは、こういういい本を読者に読ませるために存在してるはずなんではないのか、とか思ってね。昨日の朝、天気雨で濡れて、熱が出た、ごめん。

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    2019年09月20日
  • 英会話不要論

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    英文学者ならでわの視点があった。夏目漱石は英会話ができなかったというウソがなせ広まったのかの反証が面白い。オーレックスの辞書について初めて知ることができた。

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    2018年08月11日
  • 解釈につよくなるための英文50

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    これも名著。さすが行方昭夫先生。
    「英文和訳なんて意味がない」とか「英語なんて読んでおおよそ意味が分かればいいんだ」という主張はバランスに欠けているなぁ…と、行方先生の著書を読むと思わざるを得ません。
    要は語学に魔法の杖など無く、読む・聞く・書く・話すのそれぞれについて、その人がその外国語を学ぶ理由に応じてバランスをとって学ぶことと、それ相応の時間継続して勉強しなければ何れにしても相応の外国語力は身につかない、ということなのだろうと思います。
    そういった意味で「英文精読」、大いに意味があると思いますし、何よりも行方先生の解説には唸らされます。「岩波ジュニア新書」ということで学生向けの内容かと侮

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    2014年12月31日
  • 英語の発想がよくわかる表現50

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    もともと上の子(中2)に読ませようと思って買ったのですが、自分が先に読みました。
    高校生くらいを対象としたものと思われますが、(英語上級者を除く)大人が読んでもとてもためになる内容多数。
    すっかり行方昭夫先生のファンです。
    もちろん、中学生(1〜2年生には少し難しいかも)〜高校生には大変オススメ。さすがの良書です。

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    2014年12月27日
  • 英会話不要論

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    日本人と英語の付き合いを考える上で示唆に富む一冊。
    知らなかったことが多く、例えばバイリンガルって意外と成功せず苦労する話とか、夏目漱石の英語力は飛び抜けて優秀だったり、時代とともに読み書き重視から聞く話す重視の英語教育に変遷してきたこととか、偉大な翻訳家にも誤訳があるってこととか。
    自分も同感なのが、日本人の英語力が伸びないのはモチベーションの問題ってことや、読み書きはできるってのが実はそうでもないこと、今までの学校教育が潜在的な英語の素養を養っていることなど。
    今後も謙虚に英語の勉強を重ねていきたくなりました。

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    2014年12月22日
  • 英会話不要論

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    行方昭夫さんといえば、英文解釈・英文精読の大家じゃないですか!その方が「英会話不要論」とはどんな内容なのか気にならないはずがありません。
    …ということで読んだのですが、内容的には「さすが」と唸らされます。(当然ですね)

    私も、行方さんのおっしゃるように、文法や訳読中心の学校英語が日本人が英語が出来ない諸悪の根源のように言うのは違うと思いますね。お門違い。その点についてはこの本は完璧な論陣を張っていると思います。間違いなく一読に値します。

    なお、帰国子女の英語についての章は私も大いに考えさせられます。他人事ではない、直面している課題だけに…

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    2014年11月12日
  • 英語の発想がよくわかる表現50

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    難しすぎず易しすぎず、教科学習から離れすぎずしかしくだけすぎず、絶妙なバランスで、英語に関する個々のエピソードから英語の発想について紹介している。英語の発想と聞いて広く全般的、俯瞰的な内容を想像されると違っていて、当然のことながらあくまでも個々の例示からの演繹的な説明がされている。
    岩波ジュニア新書シリーズは大人が読んで楽しめる良いシリーズであると思っており、今後も手に取ってみたいと思っている。
    この本も著者近著の「解釈につよくなるための英文50」とともに、再度机に座って鉛筆を手に取り組んでみたい。

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    2012年05月13日
  • 解釈につよくなるための英文50

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    解釈の正誤よりも、なぜこの訳をするときにこの部分に注目するか。
    50の例文に対し、教師と生徒の対話形式で英文解釈のコツとなる部分を示している。

    平易な言葉なので、自然に説明が馴染む。

    巻末の暗記用短文30も、普通の会話調でそのまま日常会話に使えそうなほど。

    外国語の勉強を頑張りすぎてわからなくなってしまった大人には、むしろ調度良い。

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    2012年03月18日
  • 解釈につよくなるための英文50

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    ☆☆☆ 2025年11月 ☆☆☆

    様々な英文を題材に、先生と生徒が議論するという形式で書かれた本。一つ一つの英文がすごく難しい。今の自分にはここまでのレベルのものは必要ないかな、と思う。

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    2025年11月30日
  • 英語の発想がよくわかる表現50

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    ☆☆☆ 2025年10月 ☆☆☆

    25年前にこの本に出会っていたら、と思うがきっと25年前の自分には何も響かなかっただろう。他動詞と自動詞の使い分けや無生物主語といった英語の発想に関する説明が分かりやすい…と思ったら著者はモームの翻訳を手掛けている行方さんだ!!
    『モーム短編集』には素晴らしい作品があるが、それを日本語に置き換えた人。
    この本で学んだのは覚えるしかないモノも色々あるってこと。
    few=ほとんどない、a few=少しある、quite a few=非常にたくさん、とか。
    英語をちゃんと勉強してきた人にとっては基本的な事かもしれないけど、今まで適当にしかやってこなかった僕には大変役

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    2025年11月01日
  • 英文精読術 東大名誉教授と名作・モームの『赤毛』を読む

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    精読のための解説がとても丁寧である。
    直訳と完成訳を全て載せており比較できる。短編の「赤毛」も初読だったが引き込まれた。

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    2024年05月19日
  • 読解力をきたえる英語名文30

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    行方先生の著作は数点持っているが、さすがにうまい翻訳文を示されており非常に勉強になった.生徒役の方の解釈もかなりのレベルで、それを先生が日本語らしく変えていく過程が楽しめた.ある程度の語彙力があっても、日本語として読めるような翻訳を達成することは難しいと感じた.

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    2023年06月21日
  • 読解力をきたえる英語名文30

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    先生と生徒の対話は正直いらないけれど、美しく考えさせられる英文に触れることができる。

    難易度順に英文が並んでいるのも良い。

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    2023年01月12日