小坂国継のレビュー一覧

  • 善の研究
    約2ヶ月掛けて本編を読み終えた。
    途中で挫折しかけつつも、読むとハッとしたり力が湧いてきたりと、なんだか旅をしているような読書だなと思いながら来た。体験の連続のようだった。

    "純粋経験"の第1編は、難解ではあったけど予習の甲斐もあってスラスラっと。
    (講談社現代新書100や100分de名著テキスト...続きを読む
  • 善の研究
    我々は何を為すべきか、いずこに安心すべきかの問題を論ずる前に、まず天地人生の真相はいかなるものであるか、真の実在とはいかなるものであるかを明らかにせねばならぬ。

    今もし真の実在を理解し、天地人生の真面目を知ろうと思うたならば、疑いうるだけ疑って、全ての人工的仮定を去り、疑うにももはや疑いようのない...続きを読む
  • 善の研究
    "いわゆる心というのは単に内なるものではなく、いわば内の内なるものであり、同様に物というのは単に外なるものではなく、いわば内の外なるものである。すなわち、物は心の外に超越したものではなく、心の内に超越したものである。"
    内の内なるもの、内の外なるもの(内に超越したもの)とある。
    心で普通に捉えるもの...続きを読む
  • 善の研究
    哲学における根本問題を純粋経験によって解決しようという、西洋思想に囚われぬ初にして至高の日本哲学書「善の研究」を、注釈とわかりやすい解説を添えてわかりやすく噛み砕いた一冊。原著を買って、章の一つの節を読むのに数時間唸りながら読んでいた最中に発売されて…もう少し待てばよかった。。。注釈は言わずもがな、...続きを読む
  • 善の研究
    主観と客観は同じであるという主客合一の考え方、なかなか難解である
    ただ、個人性の実現、個と全体がつながる利他や社会性の倫理観や二元論を嫌う考え方は、この対立が増す現代にこそ学ぶべき示唆があるように思えた
  • 善の研究
    真の実在を把握するには疑いうるものを全て疑う必要がある。デカルトの方法的懐疑。

    しかし帰結は我思うゆえに我ありでなく

    意識は必ず誰かの意識でなければならぬというのは単に意識には必ず統一がなければならぬの意にすぎない。もしこれ以上に所有者がなければならぬとの考えならばそは明らかに独断。

    意識に先...続きを読む
  • 善の研究
    わが国最初の独創的な哲学書である西田幾多郎の『善の研究』のテクストに、西田研究者の小坂国継氏による注釈を付したもの。テクストは一段落ずつ切られて注釈が挟まれ、各章の終わりには小坂氏の「解説」が置かれている。

    小坂氏はほかにもいくつか西田の論文のコメンタリーの仕事を手がけているが、本書の注釈もそれら...続きを読む
  • 善の研究
    日本を代表する思想家西田幾太郎のエッセンスが凝縮された伝説的名著


    ……と聞いて読み始めたのだよ
    しかし、これは難解だ
    もちろん哲学書なわけで簡単なはずがないんだけど、頑張って読み切りたい
  • 西田幾多郎の哲学 物の真実に行く道
    西田幾多郎の生涯にわたる思想の変遷を簡単にたどり、彼の思索の歩みを一貫しているものについて論じている本です。

    『善の研究』において「純粋経験」の立場に立って哲学的な思想を構築した西田は、その後「自覚」「場所」「絶対矛盾的自己同一」と、その立場を変えてきました。しかし著者は、そうした西田の思想にはつ...続きを読む
  • 善の研究
    真の自己を知るのが善。こう言い切っているが、真の自己とはなんだろう。それはマニュアル的に知ることではないのかもしれない。何度も読み返して理解すべき本なのだろう。
  • 西洋の哲学・東洋の思想
    ●本書の内容を、あまり理解できなかったように思う(理解しようという意識が足らなかっただけかもしれないが)。とはいえ、西洋の哲学と東洋の思想を比較することで、少しばかり両者の文化や考え方の差異を捉えることができ、それぞれの地域に住む人々の人間性について、その一端を垣間見ることができたのではないだろうか...続きを読む
  • 善の研究
    言っていることがとても難しいので、一語一語の意味をじっくりと考えながら、外国語を読むような感覚で読み進んだ。
    同著は、岩波文庫からも出版されているけれど、岩波版が原文のみを収録しているのに対して、こちらには注釈がついている。用語の解説については、単にそのまま他の言葉で言い換えているだけのようなことが...続きを読む