西原梨花のレビュー一覧

  • 文ゆかば 1

    購入済み

    私にとって一つの奇跡だ

    登場人物の名前が功雄(あつお)、そして、私の名は功雄(いさお)なのだ。これだけでも、私にとって十分に驚くべきことなのだ。この一点だけでも、この作品に共感するに値する。聾者と手話を巡る物語としては、昨今、丸山正樹のミステリーシリーズ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」、百人一首競技かるたを通して描く村崎なぎこ「オリオンは静かに詠う」などの良作に続く注目作だ。

    #アツい #感動する #共感する

    1
    2026年02月16日
  • 魔法使いの事情(2)

    Posted by ブクログ

    大失態だ、こんなグッと来る、好い漫画を買い損ねてるなんて・・・・・・
    しかも、この巻で完結だったもんだから、ショックは更に大きくなった
    こんだけ、読み手の心に強い印象を残せるだけの力があるのに、全2巻ってのはもったいない気もするが、ダラダラと連載を続けて、魅力が下降していく危険性があるのであれば、ここであえてスパッと幕を引かせるのも、ある意味、英断か
    実際、この『魔法使いの事情』のストーリーは軽くない
    私みたいに、あえて少し重めの話を読んで、漫画読みと感想書きとしてのセンスを磨きたい人間ならいいが、ちょっと時間を潰したい時、気楽に読める作品でもないのは確かだ
    前巻と、私が書いた、その感想を読んでくれた人だけではないだろうから、サラッと内容を説明すると、少し不思議な力を持ってしまっている学生らの日常が描かれている
    普通のファンタジー×日常系と違うな、と感じさせるのは、魔法の使用に副作用が生じるってトコだろう。基本的な主人公である、一ノ瀬は他人の傷を治せる代わりに自分が傷付いてしまう
    この2巻にも、新しい魔法使いが登場し、彼らの能力ゆえの喜びと苦しさが切実に描かれている
    魔法が使えるからと言って、万能にはなれない。むしろ、生き辛さも強いられることだってある。それでも、多くの人に支えてもらって、どうにかなってる、そんな感じだ
    一人の魔法使いの話だけでなく、悩みが違う多くの魔法使いに焦点を当てているトコが巧いと思う
    しかし、やっぱ、読み手に最もインパクトを与える魔法使いは、一ノ瀬なんだろうな
    人に無条件で優しく出来るコトが素晴らしいってのは、『町田くんの世界』で安藤ゆき先生が証明してくれている
    ただ、優しすぎるってのが考え物だ
    自分をもっと大事にしろ、と言いたいのに、その感情を彼にぶつけられない小鳥遊ちゃんの気持ちも分かる
    彼の場合、優越感に浸りたい、多くの人に感謝されたい、そんなありきたりな理由で、他人の傷を治すのでなく、自分らしくあるために、自分が出来るコトをしたいからしているだけ。それの性質の悪さと言ったらないだろう。傲慢やら偽善者とも詰れない
    本人が確固たる決意を持っているのだから、他人がどうこう指図できる問題じゃない
    しかし、一ノ瀬は覚えておくべきだ
    自分も傷つけば、自分以上に、その痛みに苦しんでくれる人がいる事を。優しさは、時に大事な人を苦しめてしまう
    自分にも優しくできるようになった時、一ノ瀬はもう少し、自分の能力と折り合いを付けられるようになるんだろうが、そう簡単には人間、変われない。だからこそ、弱さと強さをどちらも持つ人間は愛おしい
    一ノ瀬と小鳥遊ちゃんが安易なラブコメ関係になっていないトコも、私的には好み
    ほろ苦いからこその青春、思い通りにならないからこその思春期だ
    巻末やカバー下のオマケ漫画の質がイイ点も高評価に値する
    お勧めの話は当然、最終話「君にとって大切なこと」だ。仕方ない、で済ませて、相手と距離を置くのは簡単だ。けど、相手を理解する事、変わってもらう為の努力を諦めれば、後悔をするのは、きっと、自分だ。本気でぶつかってこそ、見えてくる相手の一面、見せられる自分の一面がある
    この台詞を引用に選んだのは、この作品の中で、特に心へ刺さったので。上手く素直になれない少年の、気になってしまっている少女への、ぶっきらぼうな物言いだからこそ、本心である事が伝わってくる。いやー、青春してるなぁ

    0
    2015年12月28日
  • 魔法使いの事情(1)

    Posted by ブクログ

    面白かった
    しかし、声を出して笑えたり、にこやかな表情を保ったりできる内容では少なくともないので、最後まで気持ちを崩さずに読めるかは微妙
    あんまりにも胸を強く締めつけられたので、途中で一度、小休止を入れてしまった
    割と「万能」のイメージの強い存在である、魔法使いであるが、この『魔法使いの事情』に登場する魔法使いは、決して完全ではない。力を使うのに、代償が生じてしまうのだ
    それが本人だけでなく、周囲の親しい人間も苦しめてしまうって「当たり前」をしっかりと描いている点は好印象を抱けた
    ただなぁ、ぶっちゃけた話、この1巻に登場する四人の魔法使い、内海、一ノ瀬の妹、五十嵐はまだイイんだが、「他人や物体の損傷を治す(直す)代わりに自分が傷つく」能力に起因してるっぽい性格の一ノ瀬は魔法使い云々の前に人間として危なっかしい
    自分にしか出来ない事を全力でやっている所為で、自分の身を守ろうとうする無意識の防衛本能までが低下してしまっているんじゃ・・・・・・・・・
    自分の力に誇りを持つ、自分の力を自分が正しいと思った事に躊躇わず使う、それ自体は構わないんだが、自分が傷つく事で近くの人間が心を痛める、そんな想像しなくても分かる事が分かっていない時点で、一ノ瀬は既に“人間失格”寸前だ
    一ノ瀬の行動が正しいのか間違っているのか、ハッキリさせられないけど、彼の自分を省みない短所に本気で怒る事の出来る小鳥遊が、彼に今後、人間として大事な「何か」を教えてやれるといいんだけど
    どの話も胸を震わされたが、個人的には「カッターナイフと血」が特に響いたな
    誰も救えない力で自分すら傷つけていた少年が、ほんの少しの勇気で、自分で勝手に狭くしていた世界を広く、明るくしていく、そんな話だった
    この台詞を引用に選んだのは、自分で最悪にした環境を、ちょっとずつ良くしていくには、やっぱり、自分で前に踏み出さなきゃダメなんだな、と思えたから

    0
    2015年03月06日
  • 魔法使いの事情(1)

    Posted by ブクログ

    優しい魔法使いと、周りの人達のお話(今のところは)
    この先どんなふうに進んでいくのか気になる。
    のんびりと進んでいくので、のんびり読める。

    と思ったら案外あっさり終わったなあ。

    ただ、最近魔法使いってよく見るけど流行ってるのかなあ。

    0
    2015年09月25日