山本雅人のレビュー一覧
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天皇陛下の職務は憲法に定められた国事行為と、公的行為、そしてそれ以外の私的行為って教わった気がしたんだけれど、実際にはようわかってないからとても興味深く読めた。
外国訪問って国事行為だと思っていたけど、よく考えたら憲法のどこにも書いてないから違うんだな。とか、陛下、職務多過ぎ!!とか。休みなさ過ぎ!とか。
そして、皇室が皇室であるために一番大事な宗教儀式は、宗教儀式であるが故に、公式には「その他の私的行為」となり、儀式のための人員は皇室が私的に雇用しているというのも、まあ、そうするしか無いのだろうけれど、本末転倒な感じも。
伝統(明治以前からの伝統と、明治以降の伝統)と政教分離を定めた憲法の間で、この先、皇室はどのように(これまでも形を変えながら存続してきた様に)形を変えて存続していくのだろう。 -
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ネタバレ天皇の仕事とは。その内容が具体的に掴める一冊だった。
私はお正月の一般参賀や、誕生日の記者会見などをテレビで見るくらいの、皇室の仕事についてほとんど何も知らない読者であったため、出てくる情報がすべて新鮮で面白かった。
やはり思った以上に大変だ。仕事の特殊さもあるけれど、本当に自由がない。象徴として生きる責務が、一般国民の目にはかなり重いものに見える。
御所も人を招くのであればプライベート空間とは言えないし、気の休まるときがないのではないかと思う。
特に平成天皇のお人柄がよく伝わってきた。政治に意見することはできなくても平和の重要性を常に訴えてこられたこと、弱き者たちの立場に寄り添ってこられたこと、これが何よりも大きな意思表示だと思った。
天皇の人権については思うところがあるけれど、天皇制の継続・廃止に関わらず天皇家の方々にはできる限り幸せになってほしいし、今後も憲法で守られて政治利用されないでほしい。 -
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象徴天皇のあり方を学ぶための必読書。
憲法第一条に「国民統合の象徴」と定められている天皇であるが、普段どんな仕事に勤しんでいるのかは、余り知られていない。実情を知ると納得で、天皇の公務の多くは非公開の皇居内で行われており、一般国民がその様子を目にすることはない。故に、実際の天皇の働きと国民の印象とでは、随分乖離しているのではないかと感じた。
興味深く感じた点は、国事行為である、外国の大使・公使の接受である。新任大使から信任状を受け取る信任状捧呈式や、国賓の対応といった、外交面での働きが、今の天皇にとって最も重要な仕事であるように思われた。諸外国から元首と見做されている天皇だからこそ務まるといえるだろう。
今後も天皇制を残置し、積極的な意義を見出すには、この外交面での働きに価値を見出していくことが望ましいように思われる。兎角印象論や感情論で語られやすい天皇であるが、実情を知り、その働きを知って初めて天皇について論ずることが出来る。その意味で、本書は一読の価値がある。 -
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「ご清潔で、ご誠実で、ご信頼申し上げられる方」
今上陛下の皇太子時代、ご婚約記者会見で初対面の時の印象を
聞かれた皇后陛下がおっしゃられたお言葉。
今上陛下は正にこの皇后陛下のお言葉通りの方ではないのかと
思うことが多々ある。ご公務の様子をテレビで拝見するだけの身だ
が、お通りになる沿道で待っている人々やお出迎えの方々に対し
てにこやかにお手ふりをされるお姿だけではない。
お誕生日記者会見や式典ご出席の時にお話になるお言葉からも、
今上陛下がいかいして「象徴としての天皇」であることに務めて
いらっしゃるかが伝わって来る。
本書は産経新聞の元皇室担当記者である著者が、折々の今上陛下
のお言葉からお気持ちを読み解く。
「本心」なんて陛下ご自身やずっと陛下を支えていらしゃる皇后陛下
以外には知るすべはないと思うのでその点は引っ掛かるのだが、
本書に掲載されているお言葉を読むだけでも価値あり。
象徴天皇としてどうあるべきか、天皇として何が出来るのか。今上
陛下の模索については他の作品でも書かれているので、本書では
ご公務に対しての考えや、ご研究、ご家族についてのお言葉が参考
になった。
特に様々に憶測を呼んだ皇太子殿下の「人格否定発言」や「時代に
即した新しい公務」に対しては、今上陛下のみならず、秋篠宮殿下
のお言葉も引用されている。
今上陛下は勉強家でいらっしゃると思う。皇室典範は勿論のこと、
日本国憲法についても精通していらしゃる。それだからこそ、ご自身
の発言が政治的にならぬよう考え抜かれたお言葉ばかりである。
平成になって増えたご公務も多い。それは両陛下が「公平」を旨とし、
こちらにはお出ましになるが、あちらにはお出ましにならないという
ことをしないからだし、多くの海外要人との面会をなさるのも同じ
お考えだからだ。
本書は退位のご意向を表明される以前の2014年なのだが、ご自身の
年齢から来る変化にも早くから言及されていたことに改めて気づいた。
今上陛下の退位については平成30年が目途になっている。今上陛下
並びに皇后陛下のお姿やお言葉に接するのもあとわずかと思うと寂し
いものがある。
平成に生きられて、このおふたりを天皇・皇后として生きられて、本当に
よかったと思う。
平成流のご公務は引き継がれない予感がしているからだ。皇太子殿下
がおっしゃった「時代に即した新しい公務」が私には分からないし、祭祀
に重きを置く皇室に嫁ぎながら「祈ることに意義が見出せない」とおっしゃ
る妃殿下が皇后になるのだもの。
本書を一番読んで欲しいのは、実は皇太子妃殿下だったりするんだよな。
あ…また愚痴っぽくなってしまった。でもね、美智子皇后陛下は「国母」な
のだけれど、あの方が皇后になっても「国母」とは思えないのだもの。
余談だが、テレビも活字もいつから皇后陛下を「皇后さま」と言ったり書い
たりするようになったのだろう。天皇陛下を「天皇さま」と表現しないのなら、
こ「皇后さま」ではなく皇后陛下だと思うんだよね…ブツブツ。 -
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著者は、産経新聞の元宮内庁担当記者。
天皇陛下は、去る8月8日に生前退位についてのお言葉を国民に向けて述べられ、その中で、「・・・何年か前のことになりますが、二度の外科手術を受け、加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から、これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました。・・・天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます。」と仰っている。
我々は、日々のニュース報道等の中で、天皇陛下が被災地を訪問されたり、外国の要人の晩餐会を催されたり、様々な公式行事に参加されたりすることを見聞きすることは少なくないものの、天皇陛下の毎日の仕事に想像が及ぶことはあまりない。
本書では、天皇陛下の住まい、皇室の構成に始まり、「天皇陛下の仕事」としての、執務(書類の決裁)、皇室祭祀(宮中祭祀)、儀式(新年祝賀の儀、親授式、親任式、認証官任命式等)、会見と引見、大使らへの鴨場接待、親書・親電、宮中晩餐会、外国訪問、三大行幸啓、各地へのご訪問、園遊会、皇居内での稲作などについて、詳細に取り上げられている。
今般表明された「生前退位」について国民レベルで議論を共有するためには、我々はまず天皇陛下が日々どのような行為をされているのかを知らなくてはならない。
2009年に出版されたものであるが、今まさに読まれるべき一冊と思う。 -
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いやー、日本って陛下いないと全く回ってかない国だったんだなーと実感。
もちろん、それは決め事だから、回るように決めちゃえば回るんだけど、少なくとも現時点では法律の公布やら大臣承認とか大使への信任状とか全部陛下のお仕事。
むかーし、習った気もするけど、改めて知って、びっくり。
そして、昔から伝わる宮中祭祀がある一方で、結構最近始まったことも多いことにも驚き。
被災地訪問は昭和天皇は行なっておらず、現在の両陛下が始められた、とかね。
まぁ改めて考えると、天皇制の歴史は長いけど、象徴天皇制はごく最近だからそういうこともあるんだろうな。
なかなか興味深い本でした。 -
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社会の最前線にいる人々を凌駕する多忙さを極める天皇陛下の仕事。
その全容を本書は明らかにしてくれます。
現在の憲法では、天皇陛下は「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とされています。
つまり、天皇陛下の仕事は本来、我々日本国民一人ひとりの仕事であると言えます。
その一部を、日本国および統合された日本国民の象徴として陛下が担っておられます。
これらの仕事について知ることは、日本を知る、自分を知ることと同義だと感じます。
例えば、祭祀。
元旦の午前五時半に行われる「四方拝」からはじまり、12月31日に行われる「節折」まで、主要なものだけで年間30をこえる祭祀におでましになります。
祭祀の主宰者、祭祀王として今も国のため、国民のためにお祈りになります。
しかし、もっとも重要でかつ頻繁な祭祀の主宰も、天皇陛下の仕事量全体からすると、僅か5%にすぎません。
この数字からも、天皇陛下のご多忙さがうかがえるかと思います。
同時に、現代における天皇陛下が置かれた立場の難しさも、本書は教えてくれます。
先にあげた、最も重要なしごとである祭祀の主宰は、今の憲法のもとでは公務員が特定宗教活動に関与することが禁じられているため、天皇家の私的な行事として位置付けられています。
祭祀に必要な神職の方々も、公費ではなく天皇陛下の私費(内廷費)で雇用されている現実があります。
常に国民に寄り添い、社会的弱者へ思いを寄せられる両陛下および皇族の方々。
世界に類をみない国柄・国体を有するこの国にふさわしい実践のヒントがちりばめられている。
そんな一冊です。 -
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[ 内容 ]
天皇陛下はどんな日常生活を送っているのか?
国事行為、晩餐会から宮中祭祀、稲作まで。
知っているようで知らない、天皇陛下の毎日の仕事を、元宮内記者がやさしく解説。
[ 目次 ]
信任状捧呈式
天皇の住まい
皇室の構成
「天皇の仕事」の内訳―どのような仕事をどのように
「公的行為」とは何か
執務―書類の決裁
皇室祭祀(宮中祭祀)はどのように行われるか
皇居・宮殿での儀式・行事
国際親善の仕事
宮中晩餐会
外国訪問
地方訪問
福祉施設訪問と被災地のお見舞い
追悼と慰霊の旅
国会開会式と戦没者追悼式
拝謁と会釈
さまざまな儀式・行事
式典出席や文化の振興
進講と内奏
伝統文化の継承
展覧会、コンサート、スポーツ観戦
静養と研究
スケジュールはどのように決まるのか
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
非常にわかりやすく事実を教えてくれる良本だった。
天皇がしている仕事内容を丁寧に教えてくれる。
いかに自分がモノゴトを知らなかったかを教えてくれる。
この本を読んで感じたことは、「憲法に書かれている言葉の重さ」である。
日本国憲法 第1章 第1条
「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」
この言葉の重さをすごく感じた。
特に【象徴】という言葉。
簡単に「天皇は象徴なんだ~」と言えるほど軽い言葉ではない。
国事行為、公的行為、その他の行為すべてに凡人が考えられもしない程深い意味を持っている。
仕事内容から「天皇」という存在に対して、日本国が込めたすさまじい思いを感じた。
一日本国民として、この存在を永久的に残していきたいと感じた。