若杉冽のレビュー一覧
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どこまでがフィクションなのかが分からないほどリアリティのある内容で大変興味深かった。
既得権益層(電力業界)の揺り戻しが主題であったが、これは同時に議会制民主主義の限界を示唆しているとも言えるのではないかと思う。Posted by ブクログ -
現役官僚が書いているが、小説としてきちんと読み応えがある一冊。フクシマの事故に帰結するまでの汚い裏側を分かりやすく書いている。この国の腐敗した現状をエンターテイメントに昇華させた極めて貴重な本である。Posted by ブクログ
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玉川京子の描写が、オヤジたちの妄想をかきたてる安物の週刊誌小説のようで醒めてしまうが、読み物としては面白かった。これが裏表紙の紹介にあるような「リアル告発小説」かどうかはわからないが、そういうこともあるかもと思わせるような話。Posted by ブクログ
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この小説を読んで僕は恐怖を覚えた。人間とその欲望に。人間とは欲望を満たすためには形振り構わず権力を行使するものなのか?そのために原発が事故を起こしても平気でいられるのは狂気の沙汰でしかない。しかし、僕たちはその狂気に彩られた不安定な危険と隣り合わせにいる。Posted by ブクログ