水本邦彦のレビュー一覧

  • シリーズ日本近世史 2 村 百姓たちの近世

    Posted by ブクログ

    近世以降の歴史を本当に知らないので、すごく勉強になった。
    この時代の、特に地方の社会について知ることは現在を知ることでもあるなあとつくづく感じる。

    0
    2022年08月16日
  • シリーズ日本近世史 2 村 百姓たちの近世

    Posted by ブクログ

    大学院の演習で水本先生の研究書を輪読したことがあるので理解しやすかった。

    本書は、著者が80年代後半から主張されている江戸時代の自治村落論研究の内容を一般書の形で書かれたものである。

    特に氏が主張した画期的なものに公儀と村が互いに依存し、時にはせめぎ合う関係にあるということを明らかにされた。

    また、本書後半では2011年の東日本大震災に関わってか、災害復興の村の「自助」と、公儀領主が村の「自助」に期待していた様子をうかがい知ることができる。

    歴史学の「ムラ」に関する研究に疎い人でも、第1章を読めば具体的な「ムラ」の様相を理解することができる。

    新書の形をとっているが、かなり内容の濃い充実した一冊である。

    0
    2015年06月03日
  • シリーズ日本近世史 2 村 百姓たちの近世

    Posted by ブクログ

    史料から人が生きていたことが、ありありと伝わってくる。農業が技術であったことと肥料を通してその移り変わりを描く。最終章の開発と災害に至って、一気に記述のダイナミズムが増す。歴史が今に繋がることがリアルに感じられた。

    0
    2016年08月21日
  • シリーズ日本近世史 2 村 百姓たちの近世

    Posted by ブクログ

    ②は百姓たちの近世を概観する。一次資料はどうしても地域的なかたよりがあるし、比較的富裕層または武士階級から近い存在の農民が中心の観察になる。当時、文書を残せる人間がどれだけいたのかを考えると仕方ない。でも近世においては社会の80%が農民だったわけだ。近世も後半になると農民のなかでも貧富の差は出てくる。確かに貧しかったことも間違いない。でも彼らは自由だった。ヨーロッパの農奴とはそこが違う。貧しくはあったが、意外と活力にあふれていたのにはビックリ。

    0
    2015年04月11日
  • シリーズ日本近世史 2 村 百姓たちの近世

    Posted by ブクログ

    岩波新書の日本近世史シリーズ②は、「村」というテーマで江戸時代を通観する。当然、長い期間の間に村は大きくその形を変えていったはずだが、非常にゆっくりとした変化はなかなか掴みにくい。第4章「暮らしと生業」の最後、「牧歌的に見える「豊年万作の図」の光景も、じつは変遷する家族形態や動態的な雇用労働力形態のなかのある段階を切り取った描写図だったことになる」(162ページ)と述べられているように、本書全体を通じても一見スタティックに見える江戸時代の村がさまざまなダイナミクスを展開していったことが随所に指摘されている。

    個人的には第3章「百姓と領主」が興味深かった。従来は中世の自力救済型の自助・自力には高い評価を与える一方で、近世の村のあり方を身分制の中で差別・抑圧されたそれとして低い評価しか与えられてこなかった。しかし、近世の公儀領主権力の法度や掟に依存する部分と自分たちの生産・生活の秩序については自力で解決し、余ったエネルギーを生産の工夫に向けるといった村の「自力」のあり方を、著者は中世の「自助型自力」と区別して「身分型自力」とし、それを積極的に評価している。

    また同時に公儀領主権力もそうした「身分型自力」に依存しつつ、全国どこでも土木行政の推進により領域の編成・統合をすすめるという点で、「「土木行政国家」という評価を与えても、あながち言い過ぎではない」(115ページ)。

    こうした近世農村のあり方を前提にすると、エコな循環型社会という最近流行の近世農村のとらえ方にも留保が必要である。著者は、資源循環型の社会がどのように限界を迎え、新しいステージに突入していったのかについて、第5章「開発と災害」の中でクローズドなシステムからオープン・システムの移行を「金肥」投入を画期と見つつ、描いているのである。

    0
    2015年03月03日
  • シリーズ日本近世史 2 村 百姓たちの近世

    Posted by ブクログ

    日本の近世(江戸時代)での村の運営と人々の生活を、農業や土木工事を中心に解説している。

    現在では「村」という名の自治体区分はだいぶ減っているらしい。確かに「村長」という肩書きをここ数年聞いたことがない。そして現代人が持つ「村」という言葉に対するイメージが冒頭で語られ、やはり農業を中心に連想されることが多い。そこにはよくも悪くも、のイメージがついて回る。

    本書では泰平の世における経済と各地域での自治や「掟」に類する仕組みが、試行錯誤しながら作られていたことが解説されている。情報も技術も乏しい中で社会の安定を図ってきた先人たちの苦労は相当なものだったろう。

    0
    2022年10月02日
  • シリーズ日本近世史 2 村 百姓たちの近世

    Posted by ブクログ

    以前別の本で鉄火起請を知り「近世農村怖ぇ〜」てガクブルったけど、この本で実際はそう滅多に実施しなかったと知り、多大な安心と少しの落胆を感じた(笑)

    0
    2015年12月14日
  • シリーズ日本近世史 2 村 百姓たちの近世

    Posted by ブクログ

    <目次>
    はじめに
    第1章  村の景観
    第2章  村の成立
    第3章  百姓と領主
    第4章  暮らしと生業
    第5章  開発と災害
    おわりに

    <内容>
    近世の村の様子を具体例を多く挙げて解説。特に目新しいものはなかったが、今まで読んできたものと照らし合わせると、①百姓は支配層(武士)に服従していたわけではない ②村は入会地を管理し、また入会地は他村との抗争の場であった ③集約的農業の発達により、里山を開墾や入会地として開発しすぎたため、災害が頻発し、農業の発展ひいちは社会の発展が停滞していった
    というところでしょうか?
    データとして農家の収支の表があり、授業で使えそうな気がしました。

    0
    2015年04月11日
  • シリーズ日本近世史 2 村 百姓たちの近世

    Posted by ブクログ

    近世農村の構造とその変化の過程を知ることは日本農業のルーツを知ること・・・のはずだが、思った以上に文献学寄りで経済チックではないかもしれない。

    0
    2015年02月23日
  • 全集 日本の歴史 第10巻 徳川の国家デザイン

    Posted by ブクログ

    装丁の美しさと、タイトルの良さに惹かれて手に取りました。
    よくよく見たら、歴史大全ものの1冊だときづいたものの、出版社の売る気満々的な雰囲気が伝わり読む事に。

    ちなみにアートディレクションは、原研哉。

    内容的には、戦国末から江戸初期(四代家綱)までの国政・地方の城下町・村・臣民などに分けて解説しています。

    今までの歴史大全ものと違うのは、屏風絵の解説から入るあたり。
    「洛中洛外図屏風」・「築城図屏風」といった屏風絵から、当時の風俗や政治状況などを読み解く。
    ただ、屏風絵自体のレイアウト面積が小さいのと、解説と屏風絵のポイントのリンクが丁寧ではないため、分かりにくかったりします。
    このへん強化したら、クオリティメチャメチャ上がると思うのですが・・・・。
    特に1607年からはじまる、駿府城普請を描いた「築城屏風」絵図は解説と供にじっくり楽しみたかった。

    また、為になったのは、日光東照宮に関する記述。
    家康の神号については、吉田神道にもとづく明神号賜与となるはずだったのが、天海僧正の反対で山王一実神道になったということ。

    天海が山王権現を推薦した理由としては、「自分は三界すべてに存在し、衆生はことごとく自分の子供である」と宣託されたあたりであるとか。
    本書では、この山王權現こそが、キリスト教の一神教的な考え方と対決できる、日本の唯一の神であったのではないかとの説を唱えている。


    農と自然に関する記述も面白く、徳川時代における農村の山野は、草柴山と木山が半々であったということだ。
    山といえば、樹木が生い茂ったイメージしかもっていなかった私には新鮮であった。

    特に里山のかなりの部分は草柴であったという。
    理由は牛馬の飼い葉と農作物の肥料として、草柴が重宝されたからであるという。

    ただ、そこには自然破壊という問題も含んでおり、大雨や台風の場合、草柴の山は地滑りを起こし、土砂が川へ流れ込むために洪水などを引き起こす原因となったらしい。
    この、徳川時代の農民が自然との共生に苦心するあたりの記述が、眼の覚める思いでした。

    また、細かい記述ですが、1701年に調べた中村藩15000軒の住民に対して、馬が17000弱いたというあたりであったり(さすが馬追の町!)、雨乞いの祈りが、能・踊り・相撲・競馬・火灯し・千度参り・絵馬など多彩であったことなど、この本を読まなかったら分からない部分は結構補足されました。

    0
    2012年05月04日
  • 全集 日本の歴史 第10巻 徳川の国家デザイン

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    戦国時代に終わりを告げた徳川の治世。
    徳川社会の成立には政権づくりの巧みな手腕があった。

    [ 目次 ]
    はじめに 徳川の日本人
    第1章 京都と天下人
    第2章 首都と城下町の建設
    第3章 村づくりの諸相
    第4章 神国日本と「国民」
    第5章 農と自然の風景
    第6章 内国のネットワーク
    第7章 徳川の「自治」と「権力」

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

    0
    2010年06月26日