天田城介のレビュー一覧

  • 老い衰えゆくことの発見

    Posted by ブクログ

    老いとケアをめぐって、ほぼどの頁にも鋭い切り込みが見られる。そこはきわめて政治的な場だったのだ。ミクロとマクロをつなぐ記述が見事。しかし、見事などと手放しで言ってられないほど、自分事であるのが老いとケアである。

    また、本書の真価を理解するためには、社会学が切り開いてきた地平を知っておくことが必要であろう。それはジェンダーであり、家族であり、国家であり、組織であり、施設化である。

    この本には答えはないかもしれないが、答えを出さねばならない切実な問いと、答えを出すための材料はふんだんにある。ヒントは自尊心を手なづけることに、あるのではないか。

    ・「できる私」の物差しこそが<老い衰えゆくこと>を過酷にする
    ・「『忘れたこと』を忘れた状態」であることは強く感受する
    ・忘却と記憶という情報処理装置で自己を保っている
    ・周りに先取りして、自分をバカにし、命がけで自らの存在を守る
    ・他者へのまなざしの敏感さ、他者からのまなざしの敏感さ
    ・そこで語る/語られる言葉が、介護者の現実の参照点となっていた
    ・罪の意識、嘘の意識、自己の燃え尽きという特徴的な態度
    ・相手の気持ちを考えてしまうが故の閉塞状況

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    2014年11月28日
  • 老い衰えゆくことの発見

    Posted by ブクログ

    できていたことができなくなる体、そしてこころも含めてどっちつかずの存在だと語る。老いは個人の事象でありながらも、高齢社会の多数派となった時、その存在の意味は社会的なものになる、いわば社会学として取り上げた時には・・こうなるというのは分かったし、規範化された社会的な老いからの俯瞰する姿を予測させてくれたのは意義あるが・・。
    老い衰えていくことを社会の軸として見ていくことの方向と回答はどうなのだろうか。

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    2011年12月18日