古関彰一のレビュー一覧

  • 日本国憲法の誕生 増補改訂版

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    日本国憲法の制定までの時系列を分かりやすく執筆しておられる。

    憲法制定の過程を議論すれば、必ずアメリカの押し付けという陰謀論が渦巻いてしまう。

    しかし、本書を読めば、それがいかに荒唐無稽なのかが理解できる。

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    2025年03月26日
  • 平和憲法の深層

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     本書の著者はこれまで『新憲法の誕生』(後に増補改題して『日本国憲法の誕生』)、『「平和国家」日本の再検討』などの著作を通じて、日本国憲法制定過程を実証的に明らかにし、特に「9条」が天皇制の存続、昭和天皇の訴追回避、沖縄の分離をセットとするマッカーサーの(アメリカ本国ではない)戦略の帰結であったこと、「押し付け」論によって必ず引き合いに出されるGHQ草案が在野の「憲法研究会」の憲法草案の強い影響下に作成されたことなどを論証したが、本書ではGHQ草案にも政府案にも存在しなかった「平和を誠実に希求」の文言がいつどのようにして「9条」に盛り込まれたか?という問題を、従来の研究では全く顧みられなかった

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    2015年09月29日
  • 集団的自衛権と安全保障

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    集団的自衛権は本当に安全保障に寄与するのか、憲法との関わりはどうなのか、そしてそもそも安全保障とは何なのか、ということ。安倍首相や自民党が提示しているものの何処に問題があるのか、考える一助となった。それは本当にそうだろうか、と立ち止まらされる部分も若干あったのだけれど、それも含めて有益であった。
    ただ、豊下氏と古関氏の共著であるためと、私が今までこういった方面に無知であったため、少しばかりの物足りなさがあった。各氏単独の著作を読まなければという、動機付けになったけれど。

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    2015年08月31日
  • 集団的自衛権と安全保障

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    本書では、中国脅威論や韓国との領土問題をもって危機を煽る人々は、アメリカの存在を忘れていることを指摘している。
    韓国は日本と同じくアメリカの同盟国であり、またアメリカと中国についても単純な対立関係ではない。

    日韓関係が悪化することは中国・韓国の関係が強化されることでもあり、本当に中国が脅威なのであれば、日本にとって優先すべきは韓国との良好な関係構築が必要に思える。

    また大きな矛盾として、北朝鮮脅威論と原発再稼働を挙げている。北朝鮮は原発にミサイル攻撃を行えば核武装の必要すらないが、それでも原発再稼働を進めるということは、自民党政府は「北朝鮮が実際には武力行使を行わないことを想定している」と

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    2015年07月30日
  • 集団的自衛権と安全保障

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    安倍政権による集団的自衛権の行使のための憲法解釈の変更や安全保障法案群の問題点を抜本的なところから批判する書。過去の政府のスタンスや各種資料などを丁寧に積み上げて、明確に論理的に語っている。
    集団的自衛権行使が従来の政府見解などから照らして、現行憲法上不可能であるという立場の主張を理解するために役立つ一冊。

    反対ありきという執筆動機ゆえなのか、北朝鮮ミサイルの標的としての原発の話や元寇以来他国から侵略を受けていないなどと一部感情的な強引なくだりはあるが、単なる勇み足で全体の論理を乱すようなものではない。

    安全保障の概念についても、環境問題や感染症の問題などやや蛇足的な問題を持ち出し、焦点が

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    2015年06月28日
  • 集団的自衛権と安全保障

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    読んでいてだんだん不安になってきました。このまま今回の衆院選で自民党が圧勝して、安倍総理の思うが儘の政策が着々と進んでいくと、この日本はとんでもなく酷い国になってしまうのではないでしょうか。民主主義国家の終焉を迎えそうな、そんな気持ちになりました。悲観的すぎるのでしょうか、著者の豊下氏と古関氏が私の不安を煽っているのでしょうか。有権者のみなさんには、この本を読まれてから選挙に行っていただきたいと思いました。

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    2014年12月12日
  • 集団的自衛権と安全保障

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     安倍内閣による集団的自衛権行使容認政策に対する全面批判。安倍内閣の主張の非現実性を、具体的な事実に基づく政治的・法的双方のアプローチによって解剖した第1部「『集団的自衛権』症候群」が緻密で優れている。時代遅れの「国家総力戦」を前提にした思考に対する批判は、安倍内閣・自民党・右翼勢力のみならず、通俗的な「護憲」「平和主義」サイドにも通じる点で重要な指摘だと思われる。

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    2015年06月18日
  • 集団的自衛権と安全保障

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    豊下楢彦さんと古関彰一さんの共著なんだけどどうも古関さんが感情に流され過ぎた論を展開しているようでまずそこどうなのと思ってしまう。豊下さんの想定してる集団的自衛権行使の事例が起きる理由がないことや、北朝鮮によるミサイル攻撃の可能性を言いながら原発再稼働を主張するのは矛盾だとかって指摘も、想定の範囲外がありえないこととか、未来にもしそれが起きたことを考えるなら妥当ではないと思う。
    でもこの本に書かれてることで納得できることは多い。イラク戦争の総括がなされていない、戦略性が欠如し自身の歴史観に基づいた言動でいたずらに韓国を刺激したこと、尖閣国有化の経緯、自民党憲法改正草案のどうなのって点、国家がメ

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    2014年08月24日
  • 集団的自衛権と安全保障

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    正論・・・なんでしょうね。
    ただ、我々庶民が、果たして安倍さんのプレゼンを感情移入して聴いていたかどうか。
    安保法制懇の報告書にしても、自民党の憲法改正案にしても、著者たちに大いに賛同し、うなずける。
    がしかし・・・、庶民はもっと覚めているし、冷静であるし、そもそもバカバカしくも思っている。
    報告書のあり得ない侵略と同様、集団的自衛権まで憲法解釈が広められても、実際に日本が戦争に巻き込まれるのだといさめる反対者に対しても、庶民は同様に冷めていることを知るべきだろう。
    そっちでやっといてくれ・・・という感じかも。

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    2014年08月16日