ジェラルド・グローマーのレビュー一覧

  • 「音楽の都」ウィーンの誕生

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    やっぱり芸術には保護者が必要なんだ。
    そのうえで芸術家が保護者に隷属していない環境になれば最高なんだけど、最高の期間は短い。
    ウィーンは宮廷が音楽を愛したから作品を求められた。だから作曲家が集まってきたのだけど、実はその期間は短い。
    かのベートーヴェンでさえ、自らが作りたい音楽と聴衆が求める音楽とのギャップに悩んでいた。けど今も残っているのは作者が作りたかった作品なんだよね。

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    2023年04月08日
  • 瞽女うた

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    2005年5月25日。新潟県にある福祉施設で「最後の瞽女(ごぜ)」
    と言われた小林ハルが亡くなった。

    録音であったが、彼女の唄を聴いたことがある。決して美声では
    ない。だが、低く重く響く声は足元を揺さぶるような迫力があった。

    瞽女(ごぜ)。視覚に障害を持つ女性の旅芸人のことである。
    本書は瞽女の誕生から晴眼者へと受け継がれた瞽女唄の
    変遷を追っている。

    小林ハルさんの評伝を読んでいるので瞽女さんに関しては
    多少の知識はあったが、その歴史が中世から始まっていた
    とは知らなかった。

    しかも「瞽女」という言葉は、「盲御前」という呼び方が変化した
    ものだったのとは。ちなみに「御前」は女性の尊称

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    2017年08月20日
  • 瞽女うた

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     私が今まで読んだ瞽女の本が、瞽女個人に焦点を当てたものに対して、この本は社会的な位置から瞽女のうたについて書かれている本、と思ったら著者さんは社会ではなくて音楽の方だと言うことに、最終章を読んで気づく。
     うた、というものが、それを聞く環境を踏まえた文化であると思い知らされる。

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    2015年07月12日
  • 瞽女うた

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    帯に、「それほど昔ではなかった」とある。確かに、私もその存在を知らなかった。だが、彼女らが芸能の重要な役割を担っていたことは事実であり、著者が提起する問題、現代の我々がごぜうたをどのように聴くべきか、は重要だと思う。
    (2015.2)

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    2015年02月10日
  • 「音楽の都」ウィーンの誕生

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    ネタバレ

    ウィーン勉強本!開いてみるとマーラーとか云々の話の前に、という感じで、期待していたものとは違ったけど笑。でも知らない話ではあったので、勉強になりました。
    ウィーンは当時のロンドンやパリに社会経済的に遅れている側面もあり、遅れて何かが開かれているということは改めて知りました。

    第1章 「音楽の都」を誕生させた都市―ウィーンの社会、宗教、生活
    貴族、教会(カトリックとして、「民衆の識字率の向上を目ざす知育よりは、児童に教義と祈りを暗記させ、音楽を伴う礼拝、行事、行列などに参加させることを通じて、幼い心に信仰心を養うことが重視された」>知育や学問より、芸術を偏愛する市民の態度)、貴族に倣いたい市民

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    2025年04月26日
  • 瞽女うた

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    瞽女とよばれる盲目の門付け女芸人らの発祥や歴史、近現代における生き様の変化を体系的にまとめた書籍。入門書籍として非常に簡潔で読みやすく、参考文献にも興味が持てる。

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    2022年03月22日
  • 瞽女うた

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    瞽女さんの歌自体聞いたことないので、どんなもんかわからない。
    でも興味深い。

    明治までの視覚障がい者がどんなもんであったのかも、なんとなく知ることができた。

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    2015年01月28日
  • 瞽女うた

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    ・ 私には瞽女は越後の瞽女である。3人で雪の中を門付けして歩く盲目の女性芸人である。実際、私以外の人もまた瞽女と言へば越後の瞽女を思ひ浮かべるのではないだらうか。私は彼女達しか知らないし、私の時代には彼女達しか存在してゐなかつたのである。ところが、瞽女といふのはそれだけではなかつた。ジェラルド・グローマー「瞽女うた」(岩波新書)もまた確かに彼女達から始まる。「序章 門付け唄を聴く」はかう始まる、「それほど昔ではなかった。春先になると越後の農村に芸人がやってきた。」(2頁) さうして瞽女唄を歌つて門付けをして歩くといふのである。これは私達に強固に刷り込まれた瞽女のイメージである。「戦後に、『瞽女

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    2014年11月02日
  • 瞽女うた

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    ネタバレ

    瞽女の存在を知ったのは「はなれ瞽女おりん」が映画化された時。
    今回この『瞽女うた』を読み、また思い出して映画を見てみた。当時は本を読んだだけだったのだ。

    日本人でさえ瞽女の存在を知らない人もいるのに、アメリカ人で、しかも日本語でこの本を執筆したのは感心する。どうしてそんなに瞽女に興味を持ったのか。

    江戸から明治にかけてが瞽女が一番活躍していた時代といわれている。その後、しだいに瞽女は少なくなっていった。

    日本全体が貧しく余裕がなかった時代に盲目の女性が生きていくために三味線をもって各地の村々へ歌を歌い、その代償として、わずかな米や金銭を受け取っていた瞽女。

    生きていくために瞽女と言う職

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    2014年09月08日
  • 瞽女うた

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    なんと・・日本語を第二外国語にする人が著者。
    学究とはすごいものだな。
    とはいえ、決して、文化をおろそかにした日本人批判ではない。そうではなくて、鑑賞者の聴こうとする努力がなくなったことが、廃れさせた原因だという。聴くには努力がいるのだ。まさにその通りだと思う。
    安易に聞き流し、飽きたら捨て、容易に新しいものに飛びつく、明治以降の日本人・・・そんな風に読めたんですが。

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    2014年06月05日