猪野健治のレビュー一覧
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[ 内容 ]
やくざ人口八万人のうち、約半数が山口組系である。
熾烈を極める警察の取締まりのなか組織は揺らぐことがない。
そもそも、やくざはなぜ存在するのか?
山口組とは何なのか?
神戸の小さな組が最強軍団に成長した背景とは?
山口組九〇年の歴史をたどることで日本社会の深層をえぐりだす。
いま格差社会の波と暴対法下の重包囲網をまえに、山口組は少数精鋭化への道を歩み始めたともいわれている。
巨大組織の歴史と現在、今後を展望する。
[ 目次 ]
序章 ヤクザとは何か
第1章 六代目体制の衝撃
第2章 山口組誕生と近代やくざ
第3章 三代目と全国制覇
第4章 カリスマなきあとの分裂抗争
第5章 バ -
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山口組の歴史がわかります。
今の山口組は実質田岡組である。
弁当持ち=公判待ち
勲章持ち=前科あり
ヤクザになる人は大きく分けて3つ
被差別部落、在日、貧困
日米安保まではヤクザは治安維持を担っていたが東京オリンピックを前にして暴力団として取り締まられる立場になった。
米国の圧力などにより暴力団に対する制限が厳しくなってきている。
法で全ての組を解散させるとしても組がなくなれば構成員たちは社会に溶け込む(堅気の仕事につく)、個人で犯罪を犯し生きていく、死ぬのいずれかになる。
仕事につければ問題はないがヤクザになる人はもともと社会の弱者が共に助け合い生きているという側面もある。
また、元ヤク -
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やくざ人口の約半数を占める巨大組織・山口組は改正暴対法によって苛烈な取り締まりを受ける中、六代目司忍組長のもとで原点回帰への体制刷新をはかっている。
原点回帰を志向する六代目山口組の現在を知るためには、司組長が信奉する中興の祖・田岡一雄三代目および三代目を生むに至った山口組前史を紐解くことが欠かせない。
田岡三代目が引き継いだ「組員各自に正業を持たせる」「事業に縄張りはない」という山口組の組織原理はやくざ組織として絶大な力を持つに至った理由でもあり、また山口組が受け入れてきた『やくざになるしかない』人々の存在を私たちの社会がいかに切り捨ててしまったかを浮き彫りにする。
そして苛烈な暴力団排除 -
Posted by ブクログ
普通に生活していると学生の私は、やくざ呼ばれる人達と関わることは勿論、見かけることすら皆無に等しい。しかし、田舎で見かける暴力団反対ポスターや、一部の凶悪事件のニュースを見るなどして、自分で直接確かめたこともないのにやくざ=悪だと思っていた。
この本を読んでみても、やはり法律すれすれの行為や犯罪をたくさんしているのは間違いないことだと感じた。しかし、町のチンピラの迷惑行為を抑制したり、差別され、虐げられて職に就くことができない部落出身者や在日の人たちの最後のセーフティーネットとしての役割を果たしている部分も強くあった。
上記のような良い一面があるからといって犯罪行為が許されるわけでは決して -
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神戸を本拠に構えるヤクザの代表格、山口組の誕生から現在までを概観している本。山口組だけでなく、他の地域の暴力団の歴史を交えながら論が進められるので、日本ヤクザの現代史を概観できる。。山口組が関東の組織を傘下に入れ、関東制覇を狙っている最近の状況も語られており、週刊誌以外のメディアがあまり報じない暴力団事情が、わかるという意味でも有用。改正暴対法による締め付けを強める警察の姿を見ながら、著者は「弱者のいきつく場」としての暴力団の役割を強調し、それが警察の取り締まりを受け、地下組織化する現状を危惧する。地下組織化はマフィア化を意味する(例えば、司法や警察官を次々と殺害したシチリア・マフィアのように
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Posted by ブクログ
ふむ。興味深い。
暴力団が、社会からはじき出されたものの収容コミュニティになっている。
それは、事実だろう。誰だって自分の気持ちを分かってくれる人と一緒にいたい。
一般的な社会が受け入れてくれないのならば、
そういうコミュニティが出来るのも自然といえるだろう。
差別がなくならない限り、暴力団はないよりあるほうがましだろう。
現在やっている暴対法は、病巣を取ることにならず、
むしろ逆に事実として犯罪増加を生み出すことになる。
だからといって、やくざが子犬販売をするのは絶対に許さないけどね。
--気になった言葉--
組がなくならないのは、組を生み出す土壌があるからだ。(