山崎啓明のレビュー一覧
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ネタバレ『インテリジェンス1941』と同じ山崎啓明の著作。相変わらずスパイ活動を興味深く描いている。科学者を大きく描いているのが知的流暢性か高くて好き。あの時代の核物理学者は多士済々だから。
『インテリジェンス1941』では国と国の化かし合いに重点を置いたのに対し、今作ではスパイ活動でみる科学者の戦争と言えるであろう。オッペンハイマー、フォン・ブラウン、プランク、ボーア、アインシュタイン、ハイゼンベルクなど、物理という銀河で綺羅星のような顔ぶれが出てきて興奮する。当時の人間が敵国の科学技術を類推する様は、後世からみたある程度客観的な歴史とは違った面白さがある。
アメリカ人のファーマンの目的はナチス -
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ネタバレ日本がなぜ、戦争に突き進んだか。諜報戦争の面から覗く、第二次世界大戦。ゾルゲ程度しか二次大戦のスパイは知らなかったので非常に興味深かった。
日本が英米との情報戦争で大きく差をつけられ敗北の原因になったというのは有名な話ではあるが、本書を読むと、日本も日本なりに努力していたことがうかがえる。コードネーム、ニイカワことラットランドによるスパイ活動は読んでいて膝を打つ。まさかイギリス人をアメリカに、日本のスパイとしてリクルートしているとは。まあラットランドも結局アメリカに寝返るのですが。
イギリスのスパイシンシア。ワインとベッド、社交性を武器に情報を奪い取る様は非常に恐ろしい。国家で重要なポジシ -
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【この瞬間,世界を動かしていたのは,物理的な力ではなく,情報の力だった】(本文より引用)
真珠湾攻撃に至る前の数ヶ月間に列強間で行われた諜報戦に焦点を当てた作品。日本を始めとする各国のスパイたちが,戦争回避や自国の利益のためにいかに動いたかを丹念に追っていきます。著者は,「NHKスペシャル」等の番組を担当した山崎啓明。
新たに公文書の公開がなされた英国の動きも交えながら諜報戦の行方を描いたことにより,日本にとってのあの戦争が,言わずもがなの「世界」大戦であったことが改めてよくわかりました。まだまだ表に出てきていないこともあると思いますが,情報を扱うというのはどういうことかを考える上でも最適 -
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・イギリスが保管する「ウルトラ文書」が、日本の戦争直前の諜報活動を物語ってくれる。
・アメリカ国内に築かれた日本の諜報機関といえば、「東機関」が有名。
・ロンドンやワシントン軍縮条約で日本は追い込められた、とする向きもあるが、実際は、アメリカやイギリスの戦艦保有量も制限されたのであり、国力の差からすれば、むしろ日本に有利だった。
・ハリー・ホワイトというアメリカ財務省の経済学者がいたが、実はソ連のスパイだった。しかも彼が、いわゆるハル・ノートの原案になるものを書いた。
・同じ時期に、ソ連は”エコノミスト”と呼ばれるスパイを日本に花っていたが、これが誰かは今もって不明。
・アメリカのスパイマスタ -
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マンハッタン計画の諜報機関アルソスのメンバー、ロバート・ファーマンについて。
アインシュタインのDVはひどかったらしい。
マンハッタン計画はアインシュタインの提言から始まったように思われているが、チャーチルのモード委員会がきっかけ。
ジョン・ケアンクロスがソビエトスパイだった可能性が高い。
V2か原爆かを選択しようとしたとき、ハイゼンベルクが短期間で作れないことを強調してしまったがゆえに、ナチスはV2のほうに軍配を上げてしまった。
アレクサンドル・ワシリエフによる、日米開戦時のKGB工作について。ボリス・ポドルスキーもソ連スパイだったよう。
マンハッタン計画の科学者セオドア・ホールがソ連スパい -
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様々な意図によって操られるマスメディアから一方的に流される情報は基本的に信用しない。
なるべくソースの異なり、思想信条、利益などが異なる様々な情報源からの情報を収集し、状況判断をしていきたい。
しかし、まだ、それらの情報には、表面からは見えていない情報が、真の意図が隠されているのではないか?
昨年12月8日に放送された、NHKスペシャルの書籍化。
ヨーロッパに端を発した戦争が、第二次世界大戦という世界をそして日本を巻き込んでいく戦争に拡大していくなかで、秘密裏に、かつ、華々しく繰り広げられていた情報戦。
その情報戦の少なくとも一部は、米英の情報開示、そして、ソビエト連邦崩壊後の情報開示によ