橋山禮治郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日本技術を象徴する最新旅客機、リニア。東京・大阪間をわずか1時間でつなぐ夢の乗物だ。変化する現代社会において、スピードは正義であり、総理大臣も国民も皆が望んでいる。
そりゃ確かに遅いよりも速い方が良いに決まっている。が、問題はそのスピードを達成するための準備だ。リニア鉄道を敷くための工事に10兆円。走行時の電気消費量は東海道新幹線の5倍。さらに、ほとんどトンネルを走行するため、安全管理費もバカにならない。スピードのための犠牲が大きすぎるのでは。しかも、リニアを運営するJR東海としては、自社のドル箱路線である東海道新幹線の顧客を奪うことになる。
これだけの大プロジェクトをJR東海1社だけで本 -
Posted by ブクログ
報道によれば新年度となる数日後の2014年度からリニア新幹線の着工が始まるようです。
最近は多くの公共工事が成功していない中で、最も成功している例が東海道新幹線のようですね。その運営主体であるJR東日本が相当の覚悟(総工事費が9兆円以上)をもって工事にとりくむようです。
この本では、数あるリニア礼賛本とは一線を画して「人口減少となる日本において果たしてスピードに拘った、リニア新幹線を建設する必要があるのか」を、経済面・技術面・環境面から検討しています。
特に、経済性の試算は綿密な調査をふまえて、何ケースかに分けて行っています。採算を取ろうとすると、現在黒字を出している「現行新幹線」の旅客