古田博司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
基本的に別媒体での発言の再録(2010-18)とはいえ、まとめてもらえた方がありがたい。
日韓歴史共同研究の被害者である著者は、自身の研究成果としての朝鮮の国家・民族の性質、考え方を自身の体験として確認するという不幸に見舞われている経緯からも、その言葉の裏付けは重いものである。
ああ、朴槿恵の「告げ口外交」ってのは、まさに朝鮮民族の歴史的な裏付けのある行動(イガンヂル)なのねって。(わかってもうれしくないが)歴史的に裏付けがあるからと言って、韓国の非道・不法を容認する訳にはいかないので、はねつける以外の選択肢は一切無い訳。
「わかりあえる」という幻想が一刻も一掃される事を、切に願うのみ。
この題名よりも、帯にある『日本を襲う「東洋的専制国家群」のダークサイド』の方が題名にふさわしかったのでは?とも思う。(題名を副題にして)
だって、統一しなくても「今そこにある災難」だからね。 -
Posted by ブクログ
本書における向こう側とこちら側の厳密な語彙の定義と使い方は置いといて、こちら側で生活する者にとって「向こう側感」を持つことは往々にしてあるのだろう。
その「向こう側感」であるが、伝統的に西洋哲学ではイデア論を源流としてキリスト教にも受け継がれ、見えざる神からあふれ出る真理に迫ろうとしてきたことが本書で述べられる。向こう側との結節点である超越や直感の哲学的探検は、おそらく正しい認識への希求と表裏が一体で、何が近代科学を生んだかという副題のひとつの結論となるのだと思う。
著者が大陸系のアプローチをあえてこき下ろし、英米型の分析哲学やプラグマティズム的な思考法を健全と捉えるのは日本の現状を憂いてのことだ。主観であるが本来の日本人の向こう側というのは、日常の中でこんなところに向こう側がありそうだという驚きの内にあったように思う。輪廻に象徴される繰り返しの思想からは、時に垣間見える向こう側を様々な印象で語る機微があったように思う。しかし西洋から文物が伝わると、向こう側はいずれたどり着くものに変わり、今それが行き詰まり息詰まるとニヒリズムに陥る。
そこで本書は訴える。そうじゃないと。向こう側はこちらから迫り続ける存在であると。大陸系哲学ではないと。英米型の哲学が正解だと。実は啓蒙の書だったのだ。
あとがきにもあるように紆余曲折を経て新書として書籍化されたようで、途中サラリーマンに訴えかける描写があったり、なんだかちぐはぐな感は否めないが常日頃から「向こう側感」を抱く人とニヒリズムから一歩を踏み出したい人は読むべき。 -
Posted by ブクログ
著者は筑波大教授。ヨーロッパ思想として、ニーチェやサルトル、デリダ等の哲学を紹介する。キーワードは「向こう側」か。この「向こう側」を探る哲学的思考がヨーロッパ特有とのこと。対話形式で読みやすい。「向こう側」をキーワードとして、アリストテレスやプラトン、ニーチェ、サルトル、デリダらの「向こう側」に対する立ち位置の違いにより思想の違いを説明。明快です。
そういえば、昔よく読んでいた木田 元さんが、哲学というのはヨーロッパ特有の思想だ、というのをよく強調されていたことを思い出した。哲学と言うのはわかりにくいものだが、そもそもの問題意識が日本人にないものだから一層わからない。本書でも同様のことをいっている。数学とか物理学と言うのは普遍的なものだから日本人でも普通に勉強すれば理解できるが、哲学を同じように捉えると駄目なのでしょう。本書のタイトルになっているような、ヨーロッパ人の思想を学ぶ、という意識でいるほうが理解できるのだと思います。本書では、日本人にはそもそも「向こう側」の認知がないのだから日本に哲学が生まれるわけがない、とのことです。