品田悦一のレビュー一覧

  • 万葉ポピュリズムを斬る

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    ポピュリズム(populism)とは、大衆に迎合して人気をあおる政治姿勢のことだという。随分と挑戦的な本の題名だ。
    「令和」が万葉集から採られたことに対する元安倍晋三首相の言を真っ向から批判している。
    いわく政府は漢文籍ではない日本の万葉集から採られたというのを強調している。万葉集巻五「梅花歌三十二首」の序「于時初春令月 気麗風和」から採られているわけだが、文芸批評の間テキスト性(interrtextuality)の考えを応用すると、張衡「帰田賦」(文選)の「於是仲春令月 時和気清」と王義之「蘭亭集序」の「是日也、天朗気清、恵風和暢」と響き合っていて、序を読む者がそれぞれのテキストの後半までも

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    2021年03月25日
  • 万葉ポピュリズムを斬る

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    「令和」の「元号」が発表されたときに、注目された「万葉学者」品田悦一さん。

    品田さんは、「令和が万葉集からやってきたというが、その参照もとの大伴旅人の言葉には、中国の古典への参照リンクが存在し、そちらの文脈も踏まえて読めば、「令和、云々」の文章は、太宰府にいた大伴旅人が都の政治を批判したものと読むことができる。そして、それを理解せずに、また万葉集は、天皇から庶民までが素直な気持ちを歌ったすばらしい日本文化の象徴であるみたいな数十年前に棄却された説を引用する政治家は信用できない」みたいな主張をSNS上で発して、話題?になった。

    そういう経緯もあって、品田さんの「万葉集の発明 国民国家と文化装

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    2021年03月06日
  • 万葉ポピュリズムを斬る

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    ネタバレ

     文学研究としては、とても真っ当に資料を確実に活用しながら、真理を探究しようとしている。「庶民の歌」はどこから来たのかと考えれば、「万葉集」に対する虚説は無くなる。
    (オビや前書きほど過激な本ではないから、落ち着いて読む)

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    2020年12月19日