中野敏男のレビュー一覧

  • ヴェーバー入門 ――理解社会学の射程

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    「ヴェーバー入門」とうたってはあるが、読み応えのある本書は、社会的行為の動機を理解し、その内面から人間と社会のあり方を考えるという理解社会学を中心にその射程をとらえようとする力作。第1章ではヴェーバーの動機理解を学問の方法としたヴェーバーの学問をドイツ歴史学派の方法批判から綿密に跡づける。第2章はその理解社会学の最初の実践例としての『プロ倫』が取り上げられる。

    「理解社会学の方法に即して『プロ倫』をここまで丁寧に読んでくると、この著作が、資本主義という経済システムの歴史的起源を解明するものではなく、ましてや、近代という時代とその文化を一般的に擁護したり批判したりするものでもなく、ここに文字通

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    2021年04月08日
  • 継続する植民地主義 ジェンダー/民族/人種/階級

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    ・尹京順「基地村の発生と展開―ユングミ事件が突きつけること」
    基地村の問題について、簡単な歴史。
    性売買特別法などの話も。(2010.6.23)

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    2010年06月23日
  • ヴェーバー入門 ――理解社会学の射程

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    近年は各社から新書のヴェーバー入門が刊行されており、もっとも近いものでは今野元の『マックス・ヴェーバー―主体的人間の悲喜劇』(2020年、岩波新書)と野口雅弘『マックス・ウェーバー―近代と格闘した思想家』(2020年、中公新書)がありますが、この両著作はヴェーバーの生涯をたどりながらその思想を紹介している評伝です。それに対して本書は、ヴェーバーの仕事の中核をなす「理解社会学」とはなんだったのかということを掘り下げ、その枠組みにしたがって主著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』や宗教社会学にかんする著作を見なおす試みがなされています。

    ヴェーバー独自の社会学方法論が提示された論文「ロ

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    2021年06月15日