※ネタバレ(-ω-)してます
「本屋さん」で起こるミステリと言えば日常の謎ものが定番ですが、今作はマーダーケース!というわけで、タイトルで購入を即決。ミステリ古書の薀蓄も少しはあるのかな~と期待したのですが、そこは全く触れられていませんでした。残念。
読者が積極的に謎解きを楽しむタイプのミステリではありません(ぁ
どちらかというと、主人公のトリシアが、劣等感を抱く姉と協力しながら自分たちで犯人を捜していく中で、姉妹の絆を再確認する、というテーマがメインのような気もします。
トリック自体、「被害者は双子の片割れ」という超オーソドックスな設定を使った物だし、最終的にトリシアが「これこれこういう風な理由で、こういう方法で殺したのよ!」とも指摘しません。犯人にナイフを突きつけられながら、「どういうことなのよ」と質問して犯人が告白するというスタイル。おおう…←
事件を追うのは、アグレッシブで華やかな姉と、本が大好きな内気な妹。
序盤では、自由過ぎるアンジェリカに翻弄されるトリシアに感情移入しまくっていましたが、徐々にアンジェリカが愛しくなってくる不思議(笑)。お姉ちゃんはいつだって、妹に片思いしてるのよね~わかるわあ…(笑)。
殺人犯と疑われる妹の為に、違法すれすれの調査をしたり、保安官に盾突いたり。そんなアンジェリカの姿に、トリシアが「ほろり」とくる描写などは、どれだけ疎遠でもやっぱり家族っていいなってなるよねえ、と私もほろりとしました。
店の従業員や常連客など、脇を固める人物の造形も非常に魅力的です。
犯人の行動や保安官の態度の不自然なまでの稚拙さは気になりましたが、最後にテーブルを囲んでめでたく乾杯!大団円!な締め方が好きなので無問題です。続編も出たら読むぞ~( ^ω^ )
古書店の聖地・ストーナムでミステリの専門書店を経営するトリシア。彼女の思いが詰まった城に、ある日姉であるアンジェリカが訪れた。自由奔放な姉が昔から苦手だったトリシアは、一刻も早く姉を追い返そうとするが、隣の料理書専門店の店主が殺され、高価な初版本が消える事件が発生する!
保安官も新聞も、第一発見者のトリシアを犯人扱いすることに忙しく、彼女は止む無く容疑を晴らす為に小さな町を奔走するのだが・・・。