一編一編に、当事者の人生の回想や感情と、走っている時の客観的な視点とを織り交ぜた二部混合構成。
走るということが、こんなにも人の輪を広げたり、人生を変えたりするものかと驚いた。個人競技のはずなのに、いや、個人競技、しかも耐久型のスポーツだからこそ、自分と向き合う時間が長く、人と人を強く結びつけるものになるのかも。
偶然東京マラソンに参加したという共通点の下集められた10人の人生が、こんなにも十人十色の波瀾万丈なのだから、本当に人生ひとつひとつに激動の物語があるんだなあと、なんだか呆気にとられた。