葛西聖司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
元NHKアナウンサーの著者による能楽の入門書。
本書では、「国栖」や「安宅」、「道成寺」など、具体的に演目をいくつか取り上げ、あらすじから、物語の進行や見どころなどを丁寧に解説する章があり、まるでコメンタリー付きで能を見ているようで分かりやすく面白かった。実際に能楽堂でもイヤフォンを使った音声解説があっても良いと思った。解説の中で「ここは想像力を使って詳細を想像したい」というようなハードルの高い指示もあり、チャレンジングな側面も垣間見られた。
本書には他にも所々に小ネタが溢れていて、著者の能楽愛が伝わるような内容であった。佐渡で行われるろうそく能は、実際に観に行きたいと思った。 -
Posted by ブクログ
谷崎潤一郎「陰翳礼讃」で能に興味をもち、今度行くことになったので予習がてら。初心者かつそこまで詳しくならなくてもいい身としては情報量が多すぎる本だったが、著者の能楽への愛が伝わり私もその感情を味わってみたいとより一層関心が深まった。
能以外の古典芸能についても語られており、今後雅楽や舞楽なども愉しめたらなと関心の幅も広がった。
【能楽の素晴らしさ】
・静寂の中での一期一会の音。足の歩みの美しさ。能面が突如変貌するさま。能楽堂いっぱいに響き渡る声や演奏の妙。囃子方の裂帛の掛け声に思わず見入ってしまう瞬間……。
・集団演技の集中力の高さ
・幼き頃から能楽の空気を吸って跡を継ぐ自覚を養い、成人して