この本で二つのことを知りました。一つ目は、世の中に「振付師」なる仕事をしている人がいること、そして二つ目は「エース」の定義です。
エースとは、トップ(この本によれば、センター)とは異なって、自分自身の実力や魅力を、発揮するべき場所で十分に発揮し、輝いている人であり、誰でもエースになれるセンターとは
...続きを読む異なる存在(p20)です。
私もエースを目指しその姿であるべきと認識しました。この本には、エースと呼ばれる人の考え方、行動の仕方が書かれています。OL経験のある著者の夏女史は、私より二つ年上で、男女機会均等法が公布される前後の、当事者でしかわからない苦労を知っている人です。
正しい努力を続けること、自分の夢は口にしてしまう、人とむやみに群れない、決意した瞬間に生まれ変われる等、今まで自分の中で漠然と感じていたことを、夏女史が実体験をベースに解説されていて説得力ありました。
特に、エースは「良きプライド」を持つべきで、悪いプライドは不要、それを判断する3つのポイント(p98)は参考になりました。
以下は気になったポイントです。
・エースと呼ばれる人が持つ考え方・習慣とは、1)自己を確立、2)自信を持ち、3)前に向かった進む、である、さらに、その一歩を踏み出した足を止めないこと(p7)
・夢への階段は、上から描いても下から描いてもいい。この青写真を描けたら、その人はすでに半分成功している(p36)
・他人の評価を無視するわけではないが、それに振り回されたりしない(p41)
・相手を選ばずに振り付けの仕事ができるのは、どんな相手からでもやる気を出し、前向きにダンスに取り組ませるための「言葉」を持っているから(p58)
・ひとり時間(仲間と必要以上に群れない)というのが、自己を確立していくうえで非常に重要な時間の使い方(p70)
・チーム内で目的を共有できていれば、最初から協調性やチームワークを第一に考える必要は無い(p78)
・エースが持つべき「よいプライド」とは、自分を高みに置いて、それに責任をもつためのプライドである(p97)
・良いプライドか悪いプライドを判断するためには、1)自分に対して批判的な意見に耳を貸せるか、2)いまより成長するための努力をしているか、3)成長できなければ先は無いという危機意識を持っているか(p98)
・意思を強く持てるのは、目先のハードルではなく、はるか先の夢を見据えているから(p102)
・調子に乗っているときは、耳が痛い人を遠ざけたがるが、本当はそういう時こそ叱ってくれる人を大切にすべき(p110)
・自己を確立するために必要なのは、1)群れない、2)ゼロになる(素直な気持ちで全てを受け入れる)、3)よいプライドを持つ(p112)
・本番で十分に実力を出し切るためには、どれだけ練習をすべきか、それに対していかに自分の練習量は少ないかを実感すべき(p124)
・夢を公言することは、自分の「本心」を試すことでもある。言ってみて迷いや違和感が生じたら、さほどその夢に拘っていないということ(p132)
・自分のどこが良くてどこが悪いか、他人に答えを求めないこと。自分で自分の弱さに向き合う努力を放棄してはいけない(p137)
・短所は「消す」のではなく、「出し入れ」できるようにするとよい(p141)
・どんな理不尽な仕打ちを受けても、原因はあくまで自分にあると考えるようにする。成長する機会が与えられたと考える(p144,151)
・「運」とは、努力した人のことろだけに訪れる(p155)
・与えられた時間(休憩時間など)をただ過ごすのではなく、時間の枠を意識して、コントロールする習慣を身につける(p162)
・挨拶は必ず「一対一」そして、名前つき、で行うこと(p180)
・自分に発生するどんなことにも必ず意味があるし、苦労すればしただけ人は確実に成長する(p213)
・どちらの顔で視聴者の前に登場するかの最大のポイントは、「出場者がプロ志望かどうか」プロには厳しく素人には甘くする(p218)
2014年10月12日作成