高岡裕之のレビュー一覧

  • 増補 総力戦体制と「福祉国家」 戦時期日本の「社会改革」構想

    Posted by ブクログ

    内容が濃いのでぱっと読んだだけの浅学の私では上手くまとめられない。ただ戦中期の国家の政策形成の一端を垣間みれたことは現代の政策形成とは大きな差違があるのだろうなという推量、さらにある程度の確信が得られたのは良かった。以下、現代と異なる点を代表的に3点、指摘したい。

    まず大日本帝国の政策思想の根底に「民族」の繁栄が金科玉条としてあり、その対となる多様性、グローバリズムという視点を政策に組み込むことが当たり前の現在の国家運営とは大きな違いがあることだ。

    さらに現代の視点から捉えると違和感を感じるのは、人口問題である。戦中期においては人口の過剰が課題の論点であり、問題解決のアプローチは千差万別で

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    2025年03月27日