関口雄祐のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
自分は子供の頃、給食で鯨肉が出た最後の方の世代だが、正直、鯨肉にあまり思い入れはない。
ただ、欧米の「捕鯨禁止」の主張には、以前から理解し難いものを感じていた。
(ちなみに生物学上、イルカとクジラには違いはなく、大型のものをクジラ、小型のものをイルカと区別しているだけらしい)
2009年度のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した「ザ・コーブ」ではイルカの追い込み漁が批判的に描かれた。
が、著者によれば、ギリギリ、ウソはついていないものの、「ドキュメンタリー」というより「プロパガンダ」に近いものだと言う。
著者はイルカの追い込み漁が行われている和歌山県太地町に水産庁調査員として訪れたの -
Posted by ブクログ
農水省の原田 英男氏がツイッターで紹介していたのを見て購入。
もともと、鯨なんて、食べる機会もほとんど無く、捕鯨に対する興味も無かったため、捕鯨に関する知識など皆無に近かったのだけれども、この本を読んで、捕鯨に関する、ある程度、まとまった知識が得られた様に思った。
和歌山県太地町で行われるイルカ追い込み漁の歴史から始まり、映画「The Cove」撮影の舞台裏(取材された側からの話)だとか、現在行われている調査捕鯨の問題点など、捕鯨に関するいろいろな話題が取り上げられている。
捕鯨のよしあしはともかく、「食材としての鯨肉を考えたとき、他の食肉に勝てないことが一点ある。肉質改善をできないことだ -
Posted by ブクログ
初めてきちんと知りました。江戸時代、それ以前の歴史と今の関係もわかりました。「The Cove」見る前に読んだ方がいいと思いますよ。あの映画は間違いなく隠し撮りとショッキングなシーン、さらには他の場所での映像もごちゃまぜにしたドキュメンタリーとして認められないものだと感じます。15年にわたって太地でのイルカ追い込み漁に関わってきた動物行動学者からの冷静な反論です。
しかし、欧米はかつて鯨油を採るためだけに鯨漁をし、鯨を資源として枯渇させた張本人(脂分だけ採った後は海に投棄ですよ)。石油の登場でさっさと捨てたのはついこの間のこと。それだけに鯨が獲れたらどこまでも使い尽くし、さらにはその霊までも供 -
Posted by ブクログ
タイトルの「ダメですか?」についての検討は、批判を「感情論」と片付けて(ま、シー・シェパードは正にそんな感じだけど)単純化するだけで頼りない。これでは、「鯨を特別視しなくても、捕鯨には動物愛護や保護の観点から問題にすべき点がある」とする論が、対象から抜けてしまう。納豆のたとえはあまりにバカバカしくて本を置きそうになった。
また、「捕鯨は日本の文化」ではなく「日本には捕鯨文化がある」という表現にならえば、「西洋には反捕鯨の文化がある」と見るべきなのに、著者は「反捕鯨は西洋の文化」的な図式にとらわれてはいないか?
しかしサブタイトルの「体験記」としては、太地町での15年に及ぶ地道なフィールド・ワ -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
捕って、屠って、感謝して、頂く。
映画『THE COVE』が描かなかった真実。
イルカ追い込み漁船に何度も便乗し、「おいちゃん」たちと15年間も交流してきた動物行動学者の“体験的捕鯨論”。
[ 目次 ]
イルカ追い込み漁(沖でのこと;浜でのこと)
太地発、鯨と人の400年史―古式捕鯨末裔譚
イルカを飼うのは「かわいそう」か?
捕鯨業界のこれから
鯨を食べるということ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
-
Posted by ブクログ
海洋動物の行動学の研究をしていた著者がイルカ漁をしている和歌山県太地町に水産庁の調査員として滞在、イルカ追い込み漁の船に同乗していた8年の体験を元に書いた「捕鯨」と日本文化についての本。
イルカとクジラの違いは大きさだけって知ってました?
「日本の文化」だから南極で調査捕鯨させろ、ではなく、そもそも地域性の強い文化だから近海で地産地消で漁をしてもいいじゃないか、漁の手法や解剖(解体とはいわないらしい)の技は文化だ(文化庁が護ってもいいくらいだ)という結論。
文章はそんなにうまくないし、生物学の理系の学者さんなので捕鯨の文献もネットで買える範囲だけど、太地町のイルカ漁をしている漁師さんやその